2018.10.18 2023.10.05
「推薦」・「AO」は秋が本番 合格の鍵となるのは調査書や自己PR 高校入学時から意識して
大学入試は冬、年明け1月からが本番というイメージがありますが、それは「一般入試」のスケジュール。「推薦入試」や「AO(アドミッション・オフィス)入試」は秋が勝負の季節です。多くの大学で、「推薦入試」の出願→選考時期を10~12月に設定しているのです。「AO入試」についてもそれと同時期か、早いところでは夏のはじめごろからエントリーを開始しています。
推薦の出願条件は一定以上の成績基準クリアがほとんど
国立大の推薦ではではセンター試験必須が多数派
近年、優秀な学生を早期に確保したいという思惑から、「推薦入試」や「AO入試」を積極的に実施する大学が増えてきています。私立大学の取り組みが目立ちますが、国公立大学でも珍しくなくなりました。地方の医学部や医療系学部では「地域枠」の推薦入試も多く見られます。これは対象となる学生の出身地域を限定したり、卒業後の勤務地に制限を設けたりするもので、その地域の医療従事者不足対策の一環として行われています。
このような地域枠は特別な事例としても、誰でもがチャレンジできる「一般入試」と違い、「推薦入試」「AO入試」には多くの場合、出願条件があります。「推薦入試」は基本的に明確な出願条件があります。「AO入試」も出願条件が設けられていますが「やる気」といった不明瞭なことが条件に記載されていることもあります。出願条件の中で、最も重視されるのが学習成績概評(別表参照)または評定平均。これは3年間(3年次については、実質は出願までの期間)の成績(5段階評価)を平均した数字で、いわゆる受験科目以外の体育や芸術科目なども含んだ数値です。一発勝負ではない、日常的な成績が評価基準となるわけです。条件として提示される数字は大学・学部によって異なりますが、基本的にはB以上、難関校ではA設定も珍しくありません。
「推薦入試」の場合でも、国立大学ではセンター試験を必須としているところが多くありますが、私立大学では特別な学力テストを課さない方が現在多く、そのためこの数値が学力の判断材料となります。3年間の平均値なので、短期間に数値を上げるのは不可能。推薦入試を考えるなら高校1年から意識して、Aを目標にコツコツ取り組むことが必要です。出願条件の数値をクリアすることはもちろん、数値が高いほど評価されるからです。
多くの大学では願書の提出時に、志望動機や自己PRを記した書類の添付を義務づけています。また選考材料となる小論文を、当日ではなく事前提出させる場合もあります。
「推薦入試」「AO入試」は「一般入試」よりも早いシーズンに実施されます。
私立はもとより国公立でも、より能力・意欲の高い学生を求めて「推薦入試」「AO入試」を行う大学が増えてきました。
出願には条件があることが多く、そのひとつが学習成績概評(教科・科目の評定平均値)です。学習成績概評は3年間の平均評価であり、1年次からの積み重ねで決まります。
国公立の「推薦入試」では、多くの学部・学科がセンター試験を必須条件にしています。そのため、一般入試とほぼ同レベルの受験準備が必要です。
「推薦入試」に有利なのは、部活動や自主的な研究などに取り組み、高校生活を充実させた人です。
「AO入試」の場合は、希望する専門分野への熱意がポイントになります。
学業はもちろん、高校生活全般の充実が鍵
課外活動の実績もアピールポイント
「推薦入試」での合格を目指すなら、まずは日常的な成績アップから。前述した通り、出願の条件として成績の評定平均値が示されますから、1年次から意識しましょう。けれども学業成績がよいだけでは、単なる優等生です。「推薦入試」で有利になるのは、高校生活全般を充実させ、成果を上げた人。例えば部活動や自主的な研究、生徒会活動などに積極的に取り組んできた人が評価されるというわけです。学校行事にしても、合唱大会の指揮、体育祭実行委員など、自分の得意分野で活躍できることはたくさんありますから、どんどんチャレンジすることが大切です。また1・2年次の長期休暇を利用して、興味のある分野のワークショップに参加したり、ボランティア活動を行ったりといった経験も生きてきます。
「AO入試」の場合は、面接やセミナー等を通じて適性や入学後の伸びしろなどが審査されますが、対象専門分野に対して強い関心・意欲を持っていることが前提となります。そして、入学後の目標やビジョンがあるか。例えば「歴史、特に縄文時代に興味があるから、○○の現地調査に参加したい」「人間に寄り添うロボットをつくりたい」「ソーラーシステムの研究をしたい」など、具体的に話せるものを持っていればそれが強みとなります。誰にも負けないという熱意が合格を引き寄せるのです。
「推薦入試」「AO入試」での合格を目指すなら、早め早めの準備を心がけて。必要な書類や提出課題を仕上げると同時に、自分の経験や学びへの想いを話す練習もしておきましょう。人に聞いてもらうことで、自分の考えを再確認する効果もあります。後は万全な体調で入試に臨むこと。ご家族もぜひ協力してあげてください。
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明光2020教育改革室
岡田直将
高校1年生から今後の進路・進学にしっかり向き合おう
推薦入試のためには高校1年生から「受験」を意識しないといけないのか、少しネガティブに感じる生徒もいるかもしれませんね。しかし、今回の教育改革では、生徒により長い目で学習指導や学び方(アクティブラーニングなど)を習得してもらい、それが評価の根幹になってきます。そうなると、自分でどのようなことを学びたいのか、何に興味を持っているかなどをしっかりと向き合っていかなければいけません。その意欲や日々の活動は、「AO入試」や「推薦入試」に自然とつながると思います。高校生活を全力で楽しむことはもちろん、今後の進路・進学について早い時期から意識していきましょう。
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