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2017.09.08      2023.10.06

日本の英語教育が変わる!?日本人の英語力を引き上げるべく小学校の英語授業に変化

日本の英語教育が変わる!?(1/2) 日本人の英語力を引き上げるべく小学校の英語授業に変化

2020年に向けた教育改革で、特に目立つのが英語教育の変化です。
まず今回は小学校・中学校の変更点を見てみましょう。小学校で英語(外国語活動)が始まったのは2002年。その成果や課題をもとに、2020年からは新しい学習指導要領のもと、より「使える英語」を意識した教育が行われるようになります。そのための移行措置(※1)として来年度(2018年度)より、小学3年生から英語授業がスタートします。

英語教育のスタートが2年前倒しされ、小3からに。
コミュニケーション力を育み、外国人にも臆せず対応できる力を養います

産業面のみならず、社会生活においても国際化・グローバル化が進む昨今、さまざまな面で英語スキルが求められるようになってきました。そこで、2018年度からは、学校においても英語教育の早期化が図られることとなりました。現在は小学5年生から行われている英語教育(外国語活動)を2年前倒しし、小学3年生から始めます。
これまでは5、6年生で英語に親しむ「外国語活動」、中学校に入ってからは評価の対象となる「教科」として学習するという流れでしたが、来年度からは2020年度の全面実施に先行し小学3、4年生に「外国語活動」の時間が設けられ、5年生からは「教科」としての授業が開始。小学校で英語の導入、基礎部分を学習し、その上に中学で英語のスキルを積み上げていくことになります。

小学校は2018年度から学習開始時期が3年生に早まります。年間で3、4年生は15時間(2020年度からは35時間)、5、6年生は50時間(同70時間)の授業が設定されます。

これまでの英語教育は「読む・書く」に偏りがちでしたが、これからは「聞く・話す・読む・書く」という4技能をバランスよく育む授業に変化。

保護者に求められるのは、「教える」ことよりも、子どもが学ぶ環境づくりです。

「知識としての英語」から「使える英語」へ<br>「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランスよく強化

「知識としての英語」から「使える英語」へ
「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランスよく強化

新学習指導要領では、「英語を使って何ができるようになるか」という観点でカリキュラムが組まれるようになります。英語ができる、というのはゴールではありません。それを目的のために使いこなす力こそが、グローバル時代に求められているものなのです。とはいえ、小学3年生から前倒しされる「外国語活動」は、従来どおり英語の音声に慣れ親しむこと、コミュニケーションへの関心・意欲を高めることに主眼が置かれています。まずは楽しくスタートし、臆せず英語を話せる力を養うこと、また日本語とは異なる英語的発想に親しむといった内容も重視されます。基本的には小学校の担任の先生が授業を進めるケースが多くなると思われますが、「話す・聞く」という要素が中心となるため、今まで以上にALT(※2)や英語指導者資格を持った先生が関わることも多いでしょう。

英語の授業は、2018年度より小学3、4年生では2週に1回ほど、5、6年生では週に1~2回のペースでの実施になり、5、6年生になると、少しずつ「読み・書き」の学習が加わっていきます。日常生活でよく使われる表現を学ぶことで、語彙も豊富に。日本語との語順の違いなどの理解や、文法的要素が入る学習も少しずつ増えていきますが、親世代が経験してきた授業とは異なります。評価も授業での音読や会話のやりとりなど、4技能すべての要素・項目が対象です。小学5、6年生で習う内容は中学校で学ぶ内容の土台となるもので、「読み」「書き」も加わることによりスムーズに中学校の学習へ進めるようにするという狙いがあります。今までは、小学校での楽しい「外国語活動」から中学の「教科」に進む際、ギャップを感じて苦手意識を持ってしまう子どもも少なからず存在しました。新たなカリキュラムでは、そのギャップを緩和し、確実なステップアップを目指します。

中学校では、これまでよりも単語の習得目標数が増加するほか、英語の授業は英語で行うことが原則となります。英語での質問に応答する「やりとり」や、自分の考えを英語で述べる「発表」なども加わり、実践的な力を養っていきます。ここで求められるのは、主体的な学び、積極的に取り組む姿勢です。これまでの英語教育は、先生が子どもたちに教えるという講義スタイルが一般的でしたが、これからの先生には「アクティブ・ラーニング」(※3)という考えのもと、子どもたちが自ら進んで学ぶ姿勢を育成する指導が求められます。このように移り変わる英語教育に対して、保護者はどう対応すればよいでしょうか。

もし保護者自身が英語に苦手意識を持っていたとしても、不安になることはありません。まずは一緒に英語のTV番組や外国映画を見たり、英語に親しむイベントに参加するなど、日頃から英語に触れる機会をつくること。そして英語は楽しく、自分の将来の夢や目標のためにも役立つもの、という意識を育むことも大切です。子どもが自ら興味を持って学べるような環境をつくってあげましょう。

  • 移行措置...2020年からの新学習指導要領に基づく学習に移っていくための一時的な措置。
  • ALT...Assistant Language Teacherの略。外国語を母国語とする外国語指導助手のこと。
  • アクティブ・ラーニング...先生が一方的に「教える」のではなく、子どもたちが主体的に、仲間と協力しながら課題を解決するような指導・学習方法の総称。具体的な手法としてはグループワークやディスカッション、体験学習、調査学習などがある。

明光みらい英語とは英語によるコミュニケーション力を身につけるために必要な 「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの要素を取り入れた、タブレットで楽しく学べる英語学習プログラムです。

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明光2020教育改革室 岡田直将

明光2020教育改革室
岡田直将

言葉は文化でもあります!

英語の指導については、各方面から専門家も交えて検討されているようですね。英語はイエス・ノーをはっきりすることが必要です。自分の意見をしっかり持っていないと、英語が上手でも「英語で表現する・話す」ことが難しいケースもあります。「英語的発想」を子どもたちに伝えていくことが重要ですね。

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