2021.02.24 2023.09.21
中学における「内申」とは?内申点を上げる方法を徹底解説

中学校生活を送る中で、「内申」という言葉を聞いたことがあると思います。内申は、高校受験に必要不可欠な存在であり、内申点によって合否が大きく左右されることも珍しくありません。
内申には、中学3年間のうちで取り組んだ内容が反映されるため、内申点を短期間で一度に高めることはできません。対策には早い時期から取り組むことが大切です。
高校受験を乗り越えるためにも、まずは内申の仕組みを知り、内申点を上げる方法をマスターしましょう。
「内申」の仕組みについて
はじめに「内申」そのものの仕組みについて理解を深めましょう。
そもそも内申って何?
「内申」とは、本人の成績を上級の学校へ内々に申し伝えることを意味し、その成績は中学3年間の総合的な成績のことを指します。
内申を記載した書類のことを「内申書」といい、学校によっては「調査書」と呼ばれることもあります。また、内申書に記載される点数のことを「内申点」といいます。
内申点とは学年ごとの成績を点数化したもので、9教科の成績を5段階で評価し、その合計の45点満点の点数を評定として記載します。主に年度末の3月につけられる成績がその学年の総合成績として内申書に記載されるため、自分でチェックすることも可能です。
通知表と内申書の違い
内申書と似た存在として「通知表」があります。2つとも成績を記載するという点で同じだと思われがちですが、実際に記載される内容は異なります。
通知表は、学期ごとの学業成績などが記載された書類のことであり、主に生徒が自分自身の成績を把握するために用いられるものです。
一方内申書とは、生徒一人ひとりの学業成績や、学校生活における総合的な功績をまとめたものであり、中学校の先生が評価して作成したのち、それぞれの生徒の受験する高校へと提出されます。
つまり、通知表は生徒自身が自分の成績を知るために作成されるもの、内申書は受験校が生徒の成績を知るために作成されるもの、という違いがあるのです。
内申の高校受験への影響は?
内申書は、受験する高校に生徒の成績の判断材料の1つとして提出されることになりますが、具体的に高校受験にはどのような影響をもたらすのでしょうか。高校受験において、内申にも気をつけるべき理由について解説します。
内申が高校受験に影響する理由
高校受験は、入試の結果だけで合否が判定されているわけではありません。地域ごとに差はあるものの、多くの高校では内申書に記載された受験生の成績や活動内容を判定材料の1つとし、その結果も踏まえて受験の合否を決めています。
入試当日の点数がよくても、内申点が足りないために合格できないというケースも考えられます。
特に、推薦入試においては内申点が重視される傾向にあるため、内申点が高い生徒ほど受験に有利になるのは公立・私立を問わずだといえます。
内申点と学力検査の両方を高めることが大切
高校受験では、学力検査だけが重要と捉えられがちですが、どれほど偏差値が高くても、内申点が低ければ、志望校への合格率も下がってしまいます。
しかし、内申点アップだけに注力して、学力の向上をおろそかにしていては、厳しい入学試験をクリアすることは難しいでしょう。また、学力が足りない状態で、内申点の高さだけで受験に合格してしまった場合、入学後の授業についていけない可能性もあります。
高校受験において大切なことは、内申点と学力検査のどちらに重点を置くかではなく、両方でよい結果を出せるように日々努力することです。
中学校の内申書に記載される内容をチェック!
内申書には、中学3年間の成績に加え、生徒の活動内容が記されます。内申点アップを目指すためにも、内申書にどのような内容が記載されるのか、事前にチェックしておきましょう。
内申書に記載されるのは学力だけじゃない
内申書には、生徒がどのような中学校生活を送ってきたのかが一目でわかるよう記載されています。そのため、学力や成績はもちろん、部活動のこと、英語検定や漢字検定などの検定結果、生徒会や学校行事における活動や課外活動による功績も、内申書に記載されます。
これらの活動に関しては、文章として記載されるのが一般的です。課外活動が充実しているほど、積極的な生徒として評価され、記載内容も充実したものになります。
年度末の成績がそのまま内申に反映
内申書には、3学期制でも2学期制でも変わらず、年度末の3月につけられる成績がそのまま記載されます。ただし、受験を目前にした中学3年生のみ、年度末に評定される成績では入試に間に合わないため、入試の時点で確定している範囲で評定を決めることになります。
1年ごとの成績が内申に反映されるため、1年間だけで集中的に内申点をアップさせるのは難しいといえるでしょう。
都道府県によって高校受験に使用される内申書の内容が異なる
高校受験で使用される内申書の内容は、都道府県によって異なります。例えば、中学3年生の1年間の内申のみを評価する都道府県もあれば、中学3年間すべての内申を評価する都道府県もあります。
自分の住んでいる都道府県ではどの学年の内申が高校受験に影響するのか、あらかじめ確認しておくと安心です。しかし、「この学年だけ内申を意識すればよい」と考えるのではなく、日ごろから内申を意識した行動を取るように心がけることをおすすめします。
内申点はどうやって決められているの?評定方法を解説

内申点は、各学校が教科ごとに定める観点から評定されています。評定を行う際は、学力だけでなく、総合的な物事の考え方や勉強に取り組む際の姿勢も評価に含みます。
また、2021年度から中学校学習指導要領が改訂され、内申のつけられ方そのものが以前とは違うものになりました。新しい評価基準では、生徒の資質・能力を評価する「3つの柱」が主体となります。ここからは、内申の評価方法について詳しく見ていきましょう。
学びに向かう力・人間性等
1つ目の評定ポイントは、勉強に対する向き合い方です。授業の際に忘れ物をしていないか、提出物をきちんと出しているか、自分から発言しようとしているかなど、普段の授業態度が評価基準になります。
指導要領の改訂では、現代社会を「生きる力」を育てることが目的の1つとなっています。
そのため、この項目では「どのように社会や世界と関わっているか」「よりよい人生を送る努力をしているか」という、学習への主体的な姿勢が求められます。
知識・技能
2つ目の評定ポイントは、勉強の習熟度です。学習の中で何を理解し、何ができるようになったのかが評価基準になります。
例えば、習った単語や公式の丸暗記で、試験ではよい点数を獲得していても、本質的に理解できていなければ学力が身についているとはいえません。そのためこの項目では、各教科で学んだ内容について体系的に理解し、応用できるかたちで身につけていることが求められます。
技能についても同様に、体育や美術などの実技科目において必要な技術を理解し、スキルを身につけていることが目標となります。
思考力・判断力・表現力等
3つ目の評定ポイントは、生徒自身の考える力です。「生きる力」において最も重視される「問題解決能力」に関する項目とされ、理解していることやできることをどう使うかが評価基準となります。
さまざまな問題に対し、学んだ知識や技能を活かしながら自ら考えたうえで答えを導き出すことができているのかを、テストを通じて評定します。また、授業などにおいて問題となる事柄を見つけ出し、仲間と協力して解決できる表現力も求められます。
教科によって重視する項目が異なる
このように内申点は3つの観点から評価されていますが、教科によって重視する項目は異なります。また、主に5教科では定期テストの点数が重視され、実技教科では授業態度などの平常点が重視される傾向にあります。
文部科学省では、地域ごとに評定の統一性を保つ努力をすることを推奨していますが、地域や学校、教科によって差が出てしまうことは完全には避けられないのが現状です。
高校受験に向けて内申点を上げる方法を解説
志望校合格に向けて、内申点を上げるためにはどうしたらよいのでしょうか。今すぐできる内申点を上げる方法を解説します。
授業に積極的に参加する
まずは日々の授業への向き合い方を改めましょう。授業に積極的に参加する姿勢を見せることで、自分のやる気をアピールすることにもつながりますし、授業への理解度も、より深まります。
しっかりノートを取るのはもちろん、挙手を求められた場合は積極的に手を挙げるなど、自ら発言するチャンスを掴むようにしましょう。
また、授業でわからないことがあれば、授業後に先生のもとを訪ね、質問をするのも印象がよいです。わからないところを自ら解決しようとする姿を見せることで、内申点アップにつながるでしょう。
授業中の姿勢や態度に注意する
授業中の自分の態度を振り返ってみましょう。だらけた姿勢を取ったり、周りの人とおしゃべりをしたりしていませんか?教師側にとっても、授業中に遊んでいる人よりも、真面目に授業を受けている人の方が好印象なのはいうまでもありません。
授業中はおしゃべりをせず、体はしっかり黒板の方へ向くこと。足を組んだりせず、姿勢よく椅子に座りましょう。こういった些細な姿勢や態度を改めることで、授業への集中力もアップしやすくなります。
5分前行動を心がける
チャイムが鳴ってから準備をするようでは、授業態度がよいとはいえません。休憩モードから勉強モードに気持ちが切り替わる間もなく授業が始まってしまい、授業に思うように集中できないでしょう。
日ごろから5分前行動を意識し、チャイムが鳴った時点で、机の上には教科書やノートなど、授業に必要なものはすべてそろえておきましょう。余裕をもって行動することは、社会人になってからも大切なことです。中学生のうちに癖づけておきましょう。
課外活動や検定試験に挑戦する
内申には、部活動や生徒会活動といった授業以外の活動も含まれるため、可能な限りチャレンジするようにしましょう。
また、課外活動は内申点の向上だけでなく、勉強以外の学びを得られる機会も多いです。学校生活を豊かにするものにもなるので、無理のない範囲で取り組んでみましょう。
さらに、英語検定や漢字検定を受ける中学生も多いです。各種検定も内申点アップにつながるうえ、大学入試や就職、アルバイトの際にもアピール材料となるため、取得しておいて損はありません。受験勉強で培った学力を試すよい機会でもあるので、ぜひチャレンジしてみましょう。
定期テストの点数を上げる
内申点を大幅に上げるには、定期テストの点数を上げるのが効果的です。内申点にはさまざまな評定ポイントがありますが、成績の中心を担うのは、やはり学力です。
定期テストの点数が悪いと内申点が上がらないのはもちろん、高校受験の合格率も必然的に下がります。高校受験では学力検査が行われる以上、学力を高めることも大切です。
定期テストも受験勉強の一環として捉え、より高い点数を取れるよう努めましょう。自力では勉強を進めるのが難しいという人は、塾に通うのも1つの手です。
まとめ
内申点も学力も、短期間の取り組みだけで結果が出るものではありません。中学3年間をかけて、コツコツと積み重ねていくことが必要です。特に、成績の中心を担う学力の向上は、高校受験を控える生徒にとって最も大きな課題といえるでしょう。
明光では、高校受験を控える中学生一人ひとりに向けて、独自のノウハウを活かした授業カリキュラムをご用意しております。受験合格対策はもちろん、定期テスト対策につながる勉強方法も指導しております。
さらなる学力アップを目指したい受験生は、ぜひ明光にお問い合わせください。
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