2018.09.12 2023.10.08
教室長に聞きました! 2学期に学習習慣をつけ、成績を伸ばす方法
毎日たくさんの生徒と向き合い、進路や学習について相談にのっている明光義塾の教室長に、実力アップの方法や合格へ向けた取り組み方をうかがう連載。今回は茂原教室の石川譲太教室長に、行事や祝日の多い2学期に学習習慣をつけ、成績を伸ばすためのポイントを聞きました!
その1. 塾のコマの時間に合わせて勉強を
編集担当
終わってみれば夏休みはあっという間。うちの子どもたちはそれなりに頑張っていたようなのですが、夏休み明けの実力テストの成績はいまひとつでした。
石川教室長
夏休み明けに成績が下がってしまった場合、主な原因は夏休み明けの勉強時間が減ってしまい、勉強量が足りなくなってしまったためだと考えられます。2学期からエンジンをかけていきましょう。 一方で、しっかり勉強したはずなのにテストの成績は夏休み前の状態を維持、あるいは思うように上がらなかったというお子さんもいると思います。この場合、夏休みの勉強では苦手分野をなくすことに集中していたのではないでしょうか。その頑張りは後々生きてくるものなので、心配しなくても大丈夫です。そのままの勢いで頑張ってください。
編集担当
2学期はどのように学習習慣を身につけさせたらいいですか?
石川教室長
自習の時は、塾のコマの時間に合わせて90分区切りで机に向かうといいと思います。夏期講習が90分刻みであったように、夏休み明けのコマの時間に合わせることで、学習が習慣化しやすくなります。
部活を引退した受験生は遅くとも16時半には帰宅できるはずなので、夕食が18時だとしたらそれまでに1コマ分の勉強ができますね。勉強時間を踏まえて夕食の時間などを調整してあげるといいでしょう。
編集担当
1〜2年生の場合、2学期は部活の新人戦があります。連休や文化祭などの学校行事も多いので、なかなか学習時間を確保するのが難しいようなのですが……。
石川教室長
新人戦で活躍することはもちろん大切なことですが、一番重要な大会はやはり来年・再来年の夏にあるのではないですか? 3年生の夏に不安なく部活に打ち込めるように、勉強もしっかり頑張っておこうと話してみるといいと思います。秋からは日が暮れるのが早くなるので、運動部を中心に夏よりは早く帰宅できるケースが多いはずです。運動部に入っているお子さんこそ、2学期は勉強を頑張りましょう。
2018年は生活リズムを崩しがちな3連休が、9月から11月にかけて5回もあります。ここで全く勉強をしないというのはもったいないです。せめて1日は机に向かいましょう。
編集担当
2学期は、どんなつまずきポイントがありますか?
石川教室長
授業のスピードがとにかく早くなるので覚悟をしてください。
数学は、図形や関数がでてきます。分からないままになっていると、来年以降も苦しむことになるので、必ず理解できるようにしておきたいですね。
英語は、出てくる単語の数が大幅に増えます。特に中学1年生は劇的に増えるので、追いつかなくなる子が出てくる時期です。
何をどれだけやればいいのかは個人差が大きいところなので、教室長とよく相談してください。
その2. 1〜2年生は将来の夢について考えてみよう
編集担当
1〜2年生はまだ受験のイメージがわかないと思うのですが、定期テスト以外に目標を立てる方法はありますか?
石川教室長
多くの学校では中学2年生の2学期に職場体験があります。職場体験は将来について真剣に考えるいい機会です。どんな職業につきたいのか、その職業にはどんなメリット・デメリットがあるのかを身をもって体験することで、目的意識を高めたり、新たな夢を見つけたりすることができ、それが長期的な目線での努力につながります。
とくに高等専門学校や専門コースがある高校へ行く必要がある場合には、中学のころからの準備が欠かせません。実際に職場体験を通して、専門コースのある高校への進学を目指すことにした子は自主的に勉強するようになるなど、その後の学習態度が大きく変化しました。
1年生も、将来したいことについて親子で話し合ってみると「なぜ勉強すべきか?」が考えられるので、モチベーションにつながります。
やりたいことが見つからない子は二択式で考えてみよう
「将来の夢はなんですか?」と聞かれても答えられないお子さんも少なからずいるはずです。その場合は、二択で物事を考え、それらをかけ合わせてどんな職業があるかを考えてみてはいかがでしょうか。
●選択の例
・屋内で働きたいか? 屋外で働きたいか?
・身体を動かしたいか? 頭を動かしたいか?
・専門的な知識をつけたいか? 幅広い経験をしてみたいか?
・スーツがいいか? 私服がいいか?
・人に接したいか? 研究やものづくりにうちこみたいか?
・表舞台がいいか? 裏方がいいか?
・出張をしたいか? 同じ場所にいたいか? など
保護者が自分の職業体験を話すことも、お子さんにとってはいい刺激になります。親子の絆を深めるきっかけにもなりますので、ぜひゆっくり話し合ってみてください。
その3. 受験生は志望校に合わせて照準を設定しよう
編集担当
受験生は、2学期をどのように過ごすといいですか?
石川教室長
受験生の場合は、目指す高校のレベルに応じて過ごし方を考えましょう。
偏差値55以上の進学校を狙っている場合は、定期テスト対策よりも受験勉強そのものに照準を合わせるべきです。定期テストの結果はそれについてきます。
上記以外の受験生は、内申点を稼げるようまずは定期テストを頑張りましょう。英検や漢検での加点もありますので、検定の勉強をするのもいいでしょう。
編集担当
なかなか受験生としての自覚を持てない子もいるようです。どうしたらいいのでしょう?
石川教室長
大体の子は10月末ごろにある合唱コンクールを終えると受験生としての自覚が出てくるのですが、保護者としては一日も早く目覚めてほしいですよね。
ぜひ、塾の面談を生かしてください。「いつも保護者が言っていることと同じことを教室長に言われてしまった」と感じると、とたんにスイッチが入ることがあります。
編集担当
逆にプレッシャーから頑張り過ぎている子にはなんと声かけをしたらいいですか?
石川教室長
あまりないケースですが、1日10時間以上の勉強を毎日続けてしまうような子は受験前に燃えつきてしまうことが心配です。先回りして、少しは休むよう声をかけてあげてはいかがでしょうか。
お子さんの状況は保護者間で共有を
2学期最後の三者面談になって、それまでほとんどお子さんの勉強に関与してこなかった保護者が突然意見を主張しはじめることがあります。保護者間で情報共有が充分なされている場合であればあまり問題はないのですが、お子さんの状況をよく把握しないまま意見を主張すると、お子さんが不信感を抱いたり、自信を喪失してしまったりすることがあります。
お子さんの受験をそばで応援したいのであれば、できるだけ早い段階で関わりを持ちはじめてください。また、否定的な言葉をかけるのも控えましょう。
PROFILE
茂原教室 教室長 石川譲太
教室長歴:13年
座右の銘:その日その日を支配する
尊敬する人:父親、桑田真澄
おすすめの本:『親のこころ』(木村耕一・1万年堂出版)
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