2021.04.15
後悔しない高校の選び方とは?高校選びの考え方とチェックポイント
高校受験を控える中学生の中には、「何を基準に高校を選べばよいかわからない」と悩んでいる人もいるかもしれません。
高校を選ぶ際は、高校に入ることを目的とするのではなく、入学してから何ができるかという視点で選ぶと、充実した高校生活を送れるでしょう。また、高校選びが大学進学に影響を与えることもあります。
そこで今回は、後悔しないための高校の選び方や、高校選びの際のチェックポイントを紹介します。
【高校の選び方】高校の種類を確認しよう
どの高校を受験するか、どの高校に入学するかを決めるためには、高校の種類を知る必要があります。ここでは、高校の種類を見ていきましょう。
公立・私立・国立
高校を選ぶとき、まず大分類として「公立・私立・国立のどれにするか」を決める人は多いものです。公立・私立・国立は、それぞれ学費や学科、難易度、倍率などが異なるため、まずはこれらの違いをしっかり理解しておきましょう。
東京であれば「都立」、北海道であれば「道立」など呼称は異なるものの、県立や市立などの高校を公立高校と呼びます。自分が進みたい学科を選んだときに、公立高校を高校選びの候補に入れると、選択肢が広くなります。
都道府県によって異なりますが、公立高校入試では入試の点数だけでなく中学校の内申書も合否に影響するため、内申点も意識しておきましょう。
内申書は、地域によっては中学1年生からの成績が評価対象となることもあります。その場合、3年生になってから入試対策を行っても内申点が低い可能性もあります。そのため、中学に入学したときから内申書を意識しておくことをおすすめします。
私立高校は、民間の団体(学校法人)が設立した高校です。学校ごとに指導方針(建学の理念)や校風に特色があり、そこに魅力を感じて選ぶこともあるでしょう。
私立高校の入試は、学校によってさまざまな方法が導入されています。当日の試験の結果のみで合否が決まる入試や、書類や面接を重視する推薦入試、中学校での成績でほぼ合否が決まる単願入試、公立高校と私立高校の両方を受験する併願入試などがあり、難易度や受験できる条件にも違いがあります。
国立高校は、国立大学の系列校です。学校名に「附属」とありますが、高大連携特別入試は狭き門となっています。また、多くの国立高校は進学校であり、入試科目は5教科です。レベルは総じて高いといえます。一方で、校風が自由であることも特徴です。
大学附属校
高校から大学まで一貫した教育を受けられるのが、大学附属校です。
大学受験をせず、内部進学によって系列大学へ進学できる制度がありますが、その条件は学校ごとに異なります。内部進学率もさまざまであり、附属高校に入学したからといって必ず系列大学に進学できるわけではありません。
附属大学に進学する生徒が多い学校は「純附属校」、大学の附属校であっても他大学へ進学を目指す生徒が多い学校は「半附属校」あるいは「半進学校」と呼ばれることもあります。
共学・男子校・女子校
最近は男女が一緒に学ぶ共学が増えていますが、伝統ある男子校・女子校もあります。
共学であれば、男女それぞれの違いを認め、優れた点を吸収することもできるでしょう。
一方、男子校や女子校では性別による役割分担が発生しえないため、自主性をもって学習や行事に取り組めるメリットがあります。
高校の教育方針や自分自身の性格によって、どちらが合うかを慎重に検討する必要があるでしょう。
中高一貫校
中学受験を経て入学し、高校卒業までの6年間で一貫した教育を受けられるのが中高一貫校です。
中高一貫校の中には高校から入学できる学校もあるため、高校選びの候補に入れることができます。
通信制
通信制高校では、通信教育での学習と科目ごとに定められた回数の出席で高校卒業資格を得られます。通信制高校は学年制ではなく「単位制」であることも特徴の1つです。
近年は、積極的に通信制学校を選ぶ中学生も増えており、通信制高校からの大学や専門学校への進学実績も伸びてきています。自分に合った学校選びの候補として頭に入れておくとよいでしょう。
普通科・専門学科・総合学科
大学進学を希望している場合は普通科(理数科なども含む)を選択する場合が多いですが、明確に学びたいことが決まっているなら専門学科や総合学科も視野に入れるとよいでしょう。
専門学科には、将来の進学や就職に直結するものもあります。
また総合学科は、普通科の他にいくつかの専門学科の勉強ができます。自主的に教科を選択して時間割を決めるため、大学進学も考えているが専門学科にも興味があるという人に向いています。
高校を選ぶための情報はどう集める?
自分の目的に合った高校を選ぶためには、情報収集が重要です。
ここからは、どのように高校を選ぶための情報を集めればよいのか見ていきます。
高校の公式ホームページ
まず情報を集める上でチェックしたいのが、高校の公式ホームページです。入試情報はもちろん、学校生活の様子や各種行事、部活動、卒業後の進路などが掲載されています。
高校によっては、カリキュラムなどに特色のある学校も多いため、ぜひ確認しておきましょう。昨今はコロナ禍で、時期によっては直接学校に出向いて学校の特色を確認できないこともあり、公式ホームページでの情報収集の重要性が増しています。また、オンライン説明会が開催されている学校もありますので、事前に日時をチェックして参加するようにしましょう。
高校を直接訪問
直接高校を訪問することで、その高校に通っている生徒の雰囲気を肌で感じることができます。高校主催の説明会やオープンスクールには、ぜひ参加しましょう。先生に受験の相談もできますし、在校生と話をする機会が得られることもあります。
また、文化祭を見に行くと通っている生徒の素顔を見られ、校風などもよくわかるのでおすすめです。
OB・OGから話を聞く
情報を収集したい高校のOB・OGから話を聞く機会があれば、現在の高校の状況を詳しく教えてもらうことができるでしょう。オープンスクールなどでは聞きにくい内容も、OB・OGであれば質問しやすいはずです。
中学校の進路相談
中学校でも、高校の資料が揃えられています。先生の助言やこれまでに入学した生徒からの情報なども得られるため、進路相談の際に先生にいろいろ聞いてみましょう。
塾や予備校
塾や予備校も高校に関する独自の情報を持っており、成績などに即した助言が得られます。
どんなに入学したい高校でも、成績が伴わなければ受験に合格できません。成績をもとに判断してもらい、現実的なアドバイスを得られるのが、塾や予備校のメリットといえます。
高校を選ぶときのチェックポイント
ここからは、高校を選ぶ際のチェックポイントを7つ紹介します。
自分の偏差値
高校に入学するためには、入学試験に合格しなければなりません。そのためには、普段の成績や模試の結果などから、客観的に志望校に入学できる可能性や、志望校と自分の相性を判断することが大切です。
「これからしっかりと計画を立てて勉強すれば入学できるかどうか」も含めて、自分の考えだけでなく学校の先生や塾の教室長や講師の助言も加味しながら考えるとよいでしょう。現時点の成績を考えると合格が難しい場合も、目標を立てて勉強を続ければ合格できるかもしれません。
校風や雰囲気
どんなに有名で大学進学率が高い高校でも、自分に合わなければ通い続けられなくなってしまう可能性もあります。高校生活を楽しく過ごせるよう、校風が自分に合っているかどうか確認することは重要です。
学校によっては、キリスト教系や仏教系など宗教が母体になっている学校もあります。信仰していなくても入学はできますが、「礼拝」や「花まつり」などの宗教に関連する行事や授業が行われることもあるため確認しておきましょう。
授業内容
カリキュラムや教育方針などが自分に合っているかどうかも、重要なチェックポイントです。進学校はもちろん、専門学科の場合も、授業内容が入学前に想像していたものと違っていたら、高校生活を楽しめないどころか嫌になってしまうかもしれません。
進学実績
高校卒業後の進路を考えている場合は、その高校から希望する進学先への道が開けているかどうかもチェックする必要があります。
進学実績と併せて、志望する大学の推薦枠があるかどうかなども確認できるとよいでしょう。
課外活動
高校生活では勉強だけでなく、やりたい部活動があるか、ボランティア活動などは充実しているかといったことも重要です。中学校でやっている部活を続けたいのであれば、高校を選ぶ際のポイントになるでしょう。部活の力の入れ具合は高校によって差があり、全国大会を目指すレベルから、活動は週に1~2回ほどというレベルまでさまざまです。
通学事情
学校が遠い、自宅からのアクセスが悪いなどの理由で通学時間が長くなると、その分学習にあてられる時間が減ってしまいます。体力に自信があればよいのですが、高校生活自体が負担になってしまうこともあるため、慎重に検討することが大切です。
学費・交通費
私立高校や遠方の高校などに通う場合は、経済的負担も無視できない問題です。遠方であれば交通費がかかりますし、場合によっては寮生活など親元を離れて生活することもあるでしょう。その場合は、相応の費用がかかります。
学費に関しては、就学支援金による実質無償化や特待生制度、各都道府県が実施する奨学金事業などを利用することで抑えることができます。高校を選ぶ際には併せて確認しておきましょう。
後悔しない高校の選び方
高校選びは慎重に行わなければ、入学してから「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。楽しい高校生活を送るためにも、自分に合う高校を選ぶコツを知っておきましょう。
ここからは、後悔しないための高校の選び方をチェックしていきます。
志望校は1~2年生のうちから考えておこう
将来のことはなかなか決められないものですが、早いうちからどの高校に進学したいのか考えておくと、学習のモチベーションになります。
目標を定めると、「○○高校に入学するためには、何年生までに模試で何点取れるようになっていなければならない」など、目指すべき将来の自分の姿がはっきりとし、そのために必要な準備や行動が見えてくるはずです。
保護者や先生の意見に引っ張られすぎない
親や先生から「この高校があなたには良い」とすすめられることもあると思いますが、最終的に高校を選ぶのは自分自身です。「本当にこの高校は自分に合っているのか?」ということを意識して高校選びを行いましょう。
「友達と一緒の高校だから」はNG
「友達と一緒だから」という理由だけで選ぶと、本当に自分が過ごしたかった高校生活ではない、と入学後に後悔してしまうこともあります。友達とは違う高校での生活に不安はあると思いますが、友達に影響されず自分の意思で高校を選ぶのがベストです。
志望校の選択肢は1つに絞らない
「絶対にこの高校に行く!」と強い意志を持つことも大切ですが、希望どおりになるとは限りませんし、逆に勉強を進めていくうちに学力が上がることも十分考えられます。いくつかの可能性を考えておくとよいでしょう。
偏差値や知名度だけで考えない
「自分の成績では、この高校が妥当だろう」と偏差値だけを考えて高校を選ぶと、不本意な高校生活を送ることになりかねません。
確かに、成績が伴っていない学校を志望するのは無理があります。しかし、自分が高校生活で何をしたいのか、どんな高校生になりたいのかを考えて、自分が納得できるように高校を選ぶことも大切です。
【まとめ】ポイントをおさえて後悔のない高校選びを!
高校選びは、高校生活だけでなく、その先の進学まで左右する可能性があります。高校3年間という大切な時期を充実させるためにも、高校は時間をかけて慎重に選びたいものです。
まずは高校の種類分けを理解し、情報を収集しましょう。
偏差値だけでなく、通学事情や部活動なども確認したうえで、入学後にやりたいことができるか、通い続けるのに無理がないかについても検討してください。
後悔のない高校の選び方を把握して、高校生活を満喫できるように準備しましょう。
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