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2014.04.23      2023.10.07

高学年の小学生に対する正しい叱り方とは? 保護者アンケートをもとに紹介!

高学年の小学生に対する正しい叱り方とは? 保護者アンケートをもとに紹介!

小学生も高学年になると、思春期に突入し、反抗期を迎えるお子さまもいます。これまで素直だったお子さまから反発、拒否などの態度を取られ、戸惑う保護者は多いでしょう。

明光義塾では反抗期のお子さまを持つ保護者に対し、家庭での対処法に関してアンケート調査を実施(2014年)しました。本記事では保護者の声を交えながら、小学校高学年のお子さまが納得できる正しい叱り方について解説します。

高学年の小学生の心理を理解した叱り方を行う

高学年になった小学生のお子さまの心理状態や、そもそも反抗期とはどういった心理状態のことを指すのか解説します。

小学生の高学年から反抗期になる場合もある

小学校高学年になると、これまでと同じように素直にいうことを聞いてくれなくなるお子さまも多いでしょう。思考や興味の範囲が広がり、友人といった家族以外のコミュニティを大切にするようになるなど、いわゆる思春期、そして反抗期の入り口に差し掛かっているといえます。

自分を見つめ直し、親から自立したいと考える大きな成長の時期です。叱るときにはまず、この時期のお子さまの心理をしっかり理解する必要があります。

そもそも反抗期とは?

まずは「反抗期」という概念について、保護者自身が正しく知ることが大切です。反抗期とは子どもの発達の過程で、人の意見や指示に否定や拒否の態度を取ったり、反抗する行動が多くなったりする時期のことを指します。反抗期は人生において一度ではなく、幼少期の反抗期を「第一反抗期」、思春期の反抗期を「第二反抗期」と呼びます。

第二反抗期では、心身が急激に成長するなかで、身近な大人への反発心や周りと自分を比較することによる劣等感、自分らしくありたいという自立心など、さまざまな不安材料に心がかき乱され、不安定になります。体が大きくなっても、心はまだまだ未熟です。保護者が思う以上に、内面に葛藤を抱えているかもしれません。

芽生えつつある意思を尊重する

反抗期のお子さまの心理を理解するためには、「子ども」としてではなく1人の人間として向き合い、丁寧に接する必要があるとわかります。お子さまの変化に戸惑う場面も多いかと思いますが、心身ともに成長する時期であり、順調に大人に向かっていると前向きにととらえて、形成されつつある意思の力を最大限尊重しましょう。

とはいえ、保護者として指導すべき場合は、きちんと指導しなければなりません。以下からは、お子さまの自我を尊重しつつ、理性的に教えて納得させる方法を具体的にご紹介します。

高学年の小学生をうまく叱る10の方法

高学年の小学生をうまく叱る10の方法

高学年になり、反抗期を迎えるお子さまの意志を尊重しながらも、納得できる上手な叱り方はあるのでしょうか。明光義塾で実施したアンケート調査の結果をもとに、10の方法をご紹介します。

子どもの話をよく聞く

一方的に叱りつけて、強制的にいうことを聞かせようとすることは避けましょう。お子さまの言い分をしっかり受け止め、思いを吐き出させることが先決です。お子さまと向き合い、話を聞くだけでもお子さまは安心します。お子さまの意見を尊重しつつ正しいことを教えることが大切です。

保護者からは、「本人の意見や思いを最後まで聞いたうえで、親の意見をいうようにしている」「子どものいうことを全否定せず、まずは話を聞いてから親の考え方をいうようにしている」といった声が寄せられました。

お子さまの意見を否定せず、正しい意見を述べるように工夫していることがうかがえます。

お互い冷静になれる時間を設ける

お子さまの言動に対して、つい感情的になってしまい冷静さを欠いてしまうこともあるでしょう。しかし、感情的になってしまうとお子さまの言い分を正しくくみ取ることができないため、適切な叱り方ができません。なお、お子さまは、叱責された内容を素直に受け入れることができないでしょう。

お互いが冷静になれるように一旦時間をあけることが有効です。お子さまとは別の部屋に移動するなどの対応を行うことがおすすめです。

アンケートの回答からも、「ダメなところがわかるように、少し間を置いてからきちんと話をするようにしている」「話し始めるタイミングは子どもが落ち着いているときを見はからっている」などといった方法で対処している家庭があることがわかりました。

伝えることはなるべく簡潔に

小学生のお子さまは脳が発達段階であるため、集中力が長くは続きません。保護者も長時間にわたって叱るうちに論点がぼやけ、「いつもそうなんだから」「だからダメなんだよ」などと、お子さまの人格を否定するような叱り方になることも考えられます。叱ることがお子さまへの罰にならないように、要点を簡潔に伝えることが大切です。

アンケートの回答にも、「的確に短く、くどくどいわないように気をつけている」「いい過ぎると余計にやる気をなくすので、1~2回でとどめるようにしている」などの意見が寄せられました。このことから、お子さまを叱るときには、理解できるように要点を簡潔に伝える工夫をしていることがわかります。

子どもの自覚を促す

お子さまを叱る前に、「叱る」と「怒る」とは別物であると理解しておくことも重要です。「叱る」が「相手に何かを伝える様子」を表した言葉なのに対して、「怒る」の語源は「感情に力を込めること」で、基本的に自分の感情を表現した言葉です。つまり、怒ることは保護者の感情の押しつけといえるでしょう。

怒らずに叱ることで、なぜ叱られているのか、どうすれば良かったのかを自覚させることが必要です。そして「自分のために叱ってくれている」とお子さまに理解させることがポイントでしょう。

アンケートの回答では、「原因があって結果が生まれていることを認識させ、どの部分に問題があったのかを自分の言葉でまとめさせる」「頭ごなしに叱るのではなく、一緒にダメだったところを考えて納得させるようにしている」といった声が挙がりました。

叱る理由を説明する

小学校高学年になると、叱られている理由を深く考察するようになるため、感情的に叱る方法では、お子さまは叱られていることを受け入れなくなります。なぜ叱るのかをお子さまが納得できる言葉で説明することで、叱られている意味を理解することができるでしょう。

アンケートの記述回答には、「冷静に、なぜ叱られているのかがわかるようにしている」「なぜ叱られたのかわからないと成長しないので、後できちんと説明している」などの意見がありました。このことから、お子さまが叱責内容を理解し消化できるように叱り方を工夫していることがうかがえます。

言い過ぎてしまった場合は謝る

気をつけていてもつい感情的になり、言い過ぎてしまうこともあるでしょう。そういった場合には自分の非を認めて、素直にお子さまに謝るようにしてください。このとき、くれぐれも説教の続きのように余計なことはいわないようにします。謝るべきことは謝ることで信頼感が増し、お子さまも自分の行動を改めるようになるでしょう。

アンケートの回答には、「つい感情的になってしまったり、いい過ぎたりしたときは後で素直に謝るようにしている。親だからという理由で傲慢にならないように気をつけている」という声がありました。

褒める&甘えさせる

反抗期とはいえ、叱るばかりでは親子の信頼関係が成立しなくなってしまいます。お子さまの良い面をつねに探し、褒めるべきところはしっかり褒めるようにしましょう。行動すべてを否定するのではなく、良い面を認め、信頼している人に叱られるからこそ叱責されている意味を理解することができます。

アンケートの回答にも、「叱ったあとには褒めたり甘えさせてあげたりしている」といった声があり、ただ叱るだけでなくフォローしていることがわかります。

自身の体験を話す

お子さまを叱るときには「なぜダメなのか」を納得させる必要があります。頭ごなしに伝えたり、「普通はこうだから」と一般論を押しつけたりするのではなく、保護者自身の体験談を交えて説明することで、具体的な危険性や問題点などがよりわかりやすく受け入れられるでしょう。

アンケートの回答には、「私自身の過去の失敗や残念だったことなどを伝えながら、わかってもらうように話している」という意見が寄せられました。

具体例を用いて説明する

理屈や体験談を用いた叱り方をしても、お子さまからの理解が得られない場合には、「例え話」を用いることも有効な方法です。お子さまの身近な事柄をもとに具体例を出して説明すると、保護者の伝えたかったことがお子さまにすんなりと納得する可能性があります。とくに良質な昔話などの物語は、それ自体が教訓的な例え話となっていることが多いです。

アンケートの記述回答には、「サッカーが大好きなので、勉強の仕方や進路の話をサッカーに置き換えて話すとすんなりと受け入れてくれる」という声がありました。

あえて叱らない

「叱る」という方法を取らずに、保護者が伝えたいことを率直に伝えることも有効な方法です。

「できている」ことに注目して褒めて誘導する、普段の会話から保護者としての思いを浸透させるなど、叱る必要がない状態を整えることに力を注ぎましょう。ときには、お子さまが受け入れられないタイミングで叱ることを回避する工夫も必要です。

アンケートの記述回答では、「あえて何もいわない時間を作ることも必要かもしれない」「ダメなところは本人がよくわかっていることで、さらに指摘されると反発したくなるのではないかと思い、とくに言葉にはしない」という意見が寄せられました。

まとめ

心身ともに大きく成長しつつあるお子さまには、保護者の思いや一般論を押しつけることはおすすめしません。保護者は、お子さま自身が心から納得できる叱り方を理解し、素直に話を受け入れられるように、普段からお子さまとの信頼関係を丁寧に築く必要があります。

個別指導の明光義塾では、進路や勉強の仕方に関することだけでなく、お子さまとのかかわり方についても都度ご相談に応じています。気になることがある方は、お気軽にお問い合わせください。

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