2021.04.16
塾なしでも高校受験に成功できる?どんなお子さまなら大丈夫?

中学生のお子さまをもつ保護者の中には、「中学生に塾はまだ早いのではないか」「高校受験は塾なしでもできるのではないか」とお考えの方も少なくないでしょう。
実際のところ、塾に通う費用が節約できるのであれば保護者としては助かります。
とはいえ、中学校の勉強は小学校までとは違い、次第に難しくなっていきます。また、高校入試に臨むにあたって、受験のための正確な情報も不可欠でしょう。
この記事では、塾なしでも高校受験はできるのか、客観的な情報を提供します。
塾なしでも高校受験は成功できる?
お子さまには「高校受験を見据えてしっかり勉強してもらいたい」と考えるのが、保護者としての正直な気持ちです。勉強してほしい気持ちがある一方、「できれば塾なしで高校受験を乗り切ってほしい」と考えるのはなぜでしょうか。
また、どのような条件をクリアできれば、塾なしでも高校受験に成功できるのでしょうか。
なぜ塾なしを望むのか
「塾なしで高校受験を乗り切りたい」と考える保護者が多い理由は、いくつかあります。
例えば、塾の費用が経済的負担になると考えることが理由の1つとして挙げられるでしょう。
また、スポーツや音楽など他に熱中していることがあって、塾に行く時間を捻出できないというお子さまもいます。
さらに、中学生が塾に通う場合は学校の授業や部活の後に通うことになるため、帰宅が遅くなりやすく、お子さまによっては体力的に厳しいというケースもあります。
このように、塾に通うことを「お金がかかる」「拘束時間が増える」「体力を使う」と捉えることが、塾なしで高校受験を目指そうとする理由だと考えられます。
塾なしで高校受験ができる条件は?
塾なしで高校受験に成功するためには、以下の3つをすべて独力で行う必要があります。
・高校受験に関するあらゆる情報を収集する
・自発的に勉強する習慣を身につける
・わからないところや苦手教科・分野を克服する
塾には受験のノウハウがあり、高校受験のための情報をたくさん持っています。そのため、塾に通っていれば、高校受験に必要な情報をその都度得ることができます。
しかし、塾なしで高校受験に挑む場合、受験に必要な情報がすべて入ってくるわけではないため、常に受験生や保護者が自ら収集しなければならなくなります。
また、塾に通っていれば、授業時間中は必ず勉強することになるのはもちろん、通う塾のシステムによっては宿題の提出を求められることもあります。このような環境に身を置くことで、自然と学習習慣が身につきます。
しかし、塾なしで受験勉強を行う場合、受験生本人が強い意思を持って机に向かわなければ勉強時間を確保することができません。また勉強のスケジュールも自ら考える必要があり、勉強の進行度や定着度を都度確認しながら主体的に学習する必要があります。
さらに、授業や自主学習でわからない問題があったときに、塾ならすぐに講師に質問して解決できます。
しかし、独学の場合はその場で解決できず、わからないままになってしまう恐れがあります。
そのため学校の先生などに質問の時間を取ってもらう必要があるでしょう。先生によっては、学校指定の教科書や参考書以外からの質問をしづらい雰囲気がある場合も考えられます。
高校受験に必要なもの(1):情報収集
高校受験においては、正確で有益な情報を収集することが重要になります。
具体的にどのような情報を押さえておく必要があるのか、順に確認しましょう。
ベストな教材の選定
効率よく受験勉強をして成果を出すためには、お子様の学力と志望校の難易度に合わせた教材を選ぶことが大切です。
学校の教材だけでは志望校の受験に対応できないケースもあるため、受験勉強に使う教材の質は受験の合否にも影響すると考えておいてよいでしょう。
塾では、効率よく受験勉強を行うために質の高い教材が用意されているので安心です。
さらには、志望校の受験のためには教材の中のどの問題に取り組むべきかといったことも教えてもらえるでしょう。
受験生本人や保護者が選んだ教材で勉強する場合、インターネットで調べれば評判のよい教材の情報は得られるかもしれませんが、必ずしもそれがお子さまの勉強方法や志望校の出題傾向に合うとは限らないので、注意しなければなりません。
学力の正確な把握
高校受験をするにあたっては、受験生本人が定期的に自分の学力を把握しておく必要があります。
塾なら、適切なタイミングで実力テストが行われたり、模試の受験を促されたりするため、その結果を講師とともに分析することで「今の学力はどれくらいか」「志望校に合格する見込みはどれくらいか」といった情報を得られます。
お子さまが自分の学力を分析して把握することができれば、今後取り組むべき課題が見えてくるため、効率よく受験勉強を進めることが可能です。
テストに慣れるという意味でも、定期的に模試を受けることは有益といえます。
模試を受けて自分の学力を知ること自体は個人でもできますが、結果を分析して今後につなげるには塾に通ったほうがよいでしょう。
志望校特有の情報
志望校が決まり、いよいよ高校受験に向けて本格的な勉強がスタートしたら、志望校特有の出題傾向なども把握する必要があります。
塾にはこれまでに蓄積されたデータやノウハウがあるので、それぞれの高校の出題傾向はもちろん、その高校が生徒に合っているかどうかといった情報や、併願する場合に必要になる情報など、さまざまなアドバイスを受けられます。
塾なしで高校受験する場合は、そのような情報は自ら収集する必要がありますが、得た情報が正しいかどうかを受験生や保護者だけで判断するのは難しいでしょう。
受験に必要な手続きなどの情報
塾では、出願に関する手続きから志望校へのアクセスまで、必要な情報はしっかり教えてくれます。受験生のみならず保護者に対しても、受験そのものをサポートする体制が手厚く、わからないことがあればすぐに質問できる環境になっているのは安心でしょう。
塾なしで受験をする場合は、受験勉強の内容や進め方だけでなく、受験に必要な手続きなどの情報も集め、スケジュールを管理しなくてはなりません。スケジュール表の作成など管理を徹底して、抜け漏れのないよう注意しましょう。
高校受験に必要なもの(2):学習の継続

高校受験に限らず、受験では継続して勉強することが求められます。「継続は力なり」という言葉がありますが、中学生にとって自分なりに勉強を進めることは難しいものです。
中学生が受験勉強を継続するうえで大切なポイントは、以下の3つです。
・モチベーション
・ペースメーカー
・勉強に集中できる場所
モチベーション
受験勉強を継続するためには、モチベーションを高く保つことがポイントになります。
塾には、同じようにそれぞれの志望校を目指して一生懸命勉強している仲間がいるので、自然とモチベーションが上がります。
一緒に頑張る仲間がいると、「自分も頑張らなければ」という気持ちが芽生え、ライバル意識をもったり、励まし合ったりすることができます。
塾なしで受験勉強をするとなると、モチベーションを保つのは容易ではありません。多くの場合、家に一緒に頑張る仲間はいませんし、自室があるお子さまにはゲームや漫画などの誘惑もあります。
受験生本人によほど高いモチベーションがないと、なかなか勉強に身が入らないでしょう。
ペースメーカー
受験勉強は長期にわたってコツコツと行うことが必要になるため、勉強を計画的に進めるためのスケジュール管理が大切です。
塾では高校受験に向けて効率のよい学習計画が立てられます。それに合わせて勉強すれば高校受験に間に合うスケジュールを組むことができます。
マラソンでいえば、塾はペースメーカーのような存在です。
マラソンでは、ペースメーカーなしで走ると、速く走りすぎて息切れしたり、遅すぎてゴールできなかったりすることがあります。
同じように、塾なしで受験勉強をするのであれば、勉強が苦にならないような勉強量を保ちながらも、志望校の受験に必要な範囲の勉強を抜け漏れなく行う計画をお子さま自身が立てる必要があります。
また、スケジュール通りに勉強をこなしていく本人の意志も必要になるでしょう。
勉強に集中できる場所
「勉強に集中できる場所なら、自分の部屋があるから大丈夫」と思うお子さまもいるかもしれませんが、必ずしも自室が勉強に集中できる環境とは限りません。
お子さまにとって自分の部屋は、勉強部屋というよりは「ゆっくりくつろげる場所」でしょう。
そのため、自室以外にも勉強に取り組む場所があったほうがよいといえます。お子さまの身の回りの施設で、勉強に集中できる場所を数箇所見つけておくようにしましょう。
塾に通っている場合は自習室があるので、授業時間以外も勉強に集中することができます。
勉強場所として図書館などの公共施設もおすすめですが、他の利用者のマナーによっては集中できないこともありますし、自習のための席の利用は禁止されていることもあります。
高校受験に必要なもの(3):わからないことを解消する手段
受験勉強をスムーズに進めるためには、わからないことをすぐに解消できる手段が必要です。
お子さまのそばに、わからない問題の解き方を教えられる人がいなければ、次第に解けないまま手つかずになっている問題が増えてしまうでしょう。
わからないところを聞ける相手が必要
自主学習をしていると、自分ではわからない問題が出てきます。
公式を見直したり周辺の語句を整理したりすることで、自分なりに答えを導き出すことができる場合もあります。しかし、解き方そのものが理解できない場合には、考え続けてもただ時間を浪費する一方です。
そういった場合、塾ではすぐに講師に質問ができるため、勉強がはかどるだけでなく、わからない問題に対するストレスもありません。しかし塾に通っていない場合には、解き方をわかりやすく教えてくれる人が必要になります。
教えてくれる人は学校の先生や友人でもよいですが、自宅で勉強している場合には保護者をはじめとする家族の協力も求められるでしょう。お子さまがわからないことをすぐに聞き出して、その場で解決できる環境を作っておくことが大切です。
わからないところがわからない場合
「そもそもわからないところがわからない」という中学生は少なくありません。
一人で勉強していると、「どこから理解できていないのか」「どの範囲の勉強が足りないのか」といった初歩的なことがわからなくなることがあります。
わからない問題へのアプローチの仕方そのものがわかっていない場合もあるでしょう。
塾には講師がいるので、どこからわからなくなったのかを見つけてもらいやすいですが、塾なしで勉強している場合は、教科書を読み直して徹底的に復習するのがおすすめです。
ただ流し読みをするだけでなく、できれば音読し、わからない公式や語句は調べたり誰かに聞いたりして解消します。
教科書にはその教科の基礎が詰まっていますので、読み込むことでわからないところを自分で見つけやすいといえるでしょう。
塾なしで高校受験が可能なのは…
ここまで、高校受験に必要なものを紹介してきましたが、それと同時に塾に通えば高校受験に必要なものが得られることもわかりました。
しかし、もちろん塾なしで高校受験に成功することが不可能とは言い切れません。
塾なしでも高校受験が可能なのは、以下のようなお子さまといえます。
学習習慣が身についている
すでに学習習慣が身についていて、毎日苦もなく机に向かえるのであれば、塾に通わなくても勉強を継続できるでしょう。
独力で効率よく自主学習ができるお子さまは、ペースメーカーを必要としないため、塾なしで高校受験の勉強に取り組むことができます。
何もしなくても成績がトップレベル
これといって特別な自宅学習をしていないのに、成績がトップレベルのお子さまもいます。
学校の授業での集中力が高く、授業内容だけで必要なことをすべて理解し、宿題によるアウトプットで学習を完結できるお子さまは、塾なしでも高校受験が可能です。
志望校のレベルよりも自分の実力のほうが上
例えばスポーツの強豪校などを志望していて、「合格ラインよりも自分の学力のほうがずっと上」というような場合は、塾なしで高校受験をすることもできるでしょう。
それでもリスクは取ることに
塾なしで高校受験成功は可能とはいえ、塾なしでの受験勉強は、どのようなお子さまにとっても、リスクがあることは否めません。
まとめ
「塾なしで高校受験を乗り切りたい」と考える保護者は少なくありませんが、塾なしで高校受験を成功させるのは、お子さまにとっても保護者にとっても大変なことです。
塾には受験に関する長年のデータやノウハウが蓄積されており、高校受験に必要なサポート体制が整っているため、効率的に受験勉強を進められます。
塾なしで自ら情報を収集したり、勉強のモチベーションを保ったりするのは、リスクがあると言わざるを得ません。塾なしで高校受験を成功させられるのは、限られた人だけだと考えておいたほうがよいでしょう。
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