2024.06.10     

2025年(令和7年)の共通テストで知らないとまずい情報を紹介!

共通テスト

2020年度まで実施されていたセンター試験に代わって、導入されるようになった試験である大学入学共通テスト(以下、共通テスト)。2025年に実施される共通テストは学習指導要領の変更に伴い、出題科目や内容、試験時間などが変更されます。

「どこが変わるのか全くわからない、、、」「昨年までの共通テストの過去問と何が違うの?」と不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

この記事では、今までの共通テストの情報に加え、2025年度の共通テストを受験する学生や既卒者に向けて2025年の共通テストの変更点や注意点を解説します。

絶対に知っておかなくてはならない情報だけでなく、知っておいたら得する豆知識まで紹介していますので、共通テストを受験する方はぜひ参考にしてみてください。

共通テストとは?

「共通テスト」は独立行政法人「大学入試センター」が各大学と共同で実施する共通入学試験です。日程は毎年1月中旬の土日の2日間にわたって、全国で一斉に実施されます。

国公立大学の一般選抜受験者は共通テストを受験するのが必須で、多くの私立大学でも共通テストを利用した「共通テスト利用方式」を使った受験方法があります。

出題方法は「マーク式」となっていますが、大学教育の基礎となる知識・技能や思考力、判断力、表現力などを問う問題となっているので、本質を理解していなければ解けない問題が出題されています。

共通テストの日程は?

受験案内の入手から平均点等の最終発表が行われるまでの日程をあげています。

申請時に注意しておきたい点も簡単に紹介しているので、共通テストの日程確認時にぜひ参考にしてみてください。


受験案内 2024年9月2日(月)より、希望者に「受験案内」が配付される
検定料払い込み 2024年9月2日(月)~2024年10月7日(月)
出願期間 2024年9月25日(水)~10月7日(月)(消印有効)
出願期間後の出願は一切受け付けられないので早めに出願しておくこと
登録内容の確認 2024年10月下旬に登録内容が確認はがきで到着
内容に訂正がある場合、大学入試センターに届け出が必要
万が一、確認はがきが届かない場合、大学入試センター事業第1課※1に問い合わせが必要
受験票等の到着 2024年12月中旬まで
万が一、受験票が届かない場合、大学入試センター事業第1課※1に再発行の申請が必要
本試験 2025年1月18日(土)・19日(日)
試験終了後に正解と配点が発表
平均点等の中間発表 2025年1月22日(水)に発表
得点調整がある場合、2025年1月24日(金)に発表
最終発表については2025年2月6日(木)
どちらも大学入試センターのホームページから確認可能
追・再試験 2025年1月25日(土)・26日(日)に行われ、試験終了後に正解と配点が発表

※1 大学入試センター事業第1課(03-3465-8600) 必ず志願者本人が問い合わせる必要があります。月~金 9:30~17:00(土・日曜、祝日、12月29日~1月3日を除く)

出願の仕方は?

出願方法は学生と既卒者の場合で異なっています。

学生の場合は「志願表」「検定料受付証明書」を在学する学校を経由して提出し、既卒者の場合は上記2つに加えて「出願資格を証明する書類」を直接大学入試センターに郵送で提出します。

日程の確認をし、期限に間に合うように上記の書類を用意するようにしましょう。

検定料は?

検定料は3教科以上を受験する場合は18,000円、2教科以下の場合は12,000円かかります。

成績通知を希望する場合は800円の手数料を検定料と合わせて納付する必要があります。

納付期間も決まっていますので、日程を必ず確認して、納付するようにしましょう。

2025年の共通テストからなんで変わるの?

2025年の共通テストから変更されるのは2022年から始まった新学習指導要領、いわゆる「新課程」を学んだ学生が受験生となるためです。

学習指導要領とは文部科学省によって定められている教育課程の基準のことを言います。学習指導要領は約10年周期で見直しが行われ、2025年の共通テストがこの学習指導要領の見直しの周期と一致したためです。

2025年の共通テストで何が変わる?

新教科の「情報」が追加され、現在の6教科30科目から7教科21科目へ変更になったり、旧課程履修者への経過措置が行われたりといろいろな変更点があります。

それでは具体的にどのように変更されるのか説明していきます。

教科ごとの変更点は?

情報

最大の変更点は新しい教科「情報」が試験時間60分、配点100点として追加されることです。「情報I」は新課程において必修科目となっており、2022年度以降に高校に入学した全生徒が学ぶことになっています。

また、2022年1月に一般社団法人 国立大学協会が発表した「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度-国立大学協会の基本方針-」では、国立大学の入試に関して以下のようにしています。

2024年度に実施する入学者選抜から、全ての国立大学は、「一般選抜」においては第一次試験として、高等学校等における基礎的教科・科目についての学習の達成度を測るため、原則としてこれまでの「5教科7科目」に「情報」を加えた6教科8科目を課す。

引用:一般社団法人 国立大学協会
2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度-国立大学協会の基本方針-

新教科なので過去問はありませんが、大学入試センターが試作問題を発表しているので確認しておきましょう。
サンプル問題『情報』

国語

国語は現代文の大問が1問追加され、現代文3問・古文1問・漢文1問の大問5題構成となっています。

大問の構成変化に伴い、現代文の配点が110点になり、試験時間が今までより10分長い90分となっています。

数学

数学は数学①に変更点はありませんが数学②がまとめられて「数学II、数学B、数学C」となります。

数学Bの「数列・統計的な推測」および数学Cの「ベクトル・平面上の曲線と複素数平面」の4項目から計3項目を選択して解答しなければなりません。

また、選択解答する項目が2から3に増加したため、試験時間が10分伸びて70分となります。

地理歴史・公民

出題科目は「地理総合、地理探究」 「歴史総合、日本史探究」 「歴史総合、世界史探究」 「地理総合、歴史総合、公共」(いずれか2科目を選択) 「公共、倫理」 「公共、政治・経済」と再編され、最大2科目を選択するようになります。

新学習指導要領で選択科目の「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「倫理」「政治・経済」は、必須科目の「地理総合」「歴史総合」「公共」との組み合わせで出題されるようになっています。

注意点として、「公共、倫理」と「公共、政治・経済」の組み合わせは不可であり、「地理総合、歴史総合、公共」(いずれか2科目を選択)を選択する場合は、選択科目と同一名称を含む科目の選択が不可となっています。

また、選択科目の「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」内容は旧課程の「地理B」「日本史B」「世界史B」とは範囲が異なります。選択科目が選択できない組み合わせだったり、旧課程とは範囲が違う科目があるので早めに選択科目を決定して対策を行う必要があります。

英語

英語は大きな変更はなく、「コミュニケーション英語Ⅰ・コミュニケーション英語Ⅱ・英語表現Ⅰ」が「英語コミュニケーションⅠ、英語コミュニケーションⅡ、論理・表現Ⅰ」と科目の名称が変更されるのみです。

理科

理科は基礎科目の数え方が4科目(「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」)から1科目(「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」)にまとめられます。基礎科目は2分野を選択するため、現行の共通テストと受験生にとって大きな変化はありません。


教科 旧課程試験の科目・時間 新課程試験の科目・時間 変更点
情報 - 「情報I」60分 新教科
国語 「国語」80分 「国語」90分 大問数、時間数、配点変更
地理歴史・公民 「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」
1科目選択 60分
2科目選択 130分(うち解答時間120分)
「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」「地理総合、歴史総合、公共」「公共、倫理」「公共、政治・経済」
1科目選択60分
2科目選択130分(うち解答時間120分)
科目変更
数学 数学①「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」70分
数学②「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」60分
数学①「数学Ⅰ」「数学Ⅰ、数学A」70分
数学②「数学Ⅱ、数学B、数学C」70分
数学①変更なし
数学②科目、時間数変更
外国語(英語) 「コミュニケーション英語Ⅰ・コミュニケーション英語Ⅱ・英語表現Ⅰ」
【リーディング】80分
【リスニング】60分(うち解答時間30分)
「英語コミュニケーションⅠ、英語コミュニケーションⅡ、論理・表現Ⅰ」
【リーディング】80分
【リスニング】60分(うち解答時間30分)
科目名変更
理科 理科①「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」
2科目選択
60分
理科②「物理」「化学」「生物」「地学」
1科目選択 60分
2科目選択 130分(うち解答時間120分)
「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」「物理」「化学」「生物」「地学」
1科目選択60分
2科目選択130分(うち解答時間120分)
科目の数え方変更

旧課程履修者への経過措置は?

旧課程履修者は新課程を履修していないため、新課程を学び直さないといけないの?と思う方もいるかもしれませんがそうではありません。2025年の共通テストは旧課程履修者が不利にならないように、現行の出題教科・科目が経過措置科目として出題されます。

経過措置科目では「地歴・公民」「数学」「情報」について旧課程の問題が出題されます。また、旧課程履修者は、新課程科目と経過措置科目どちらを選択してもよく、新旧両課程の教科を混ぜて受験することも可能となっています。

ただし、地理歴史、公民で2科目選択する場合、例えば「歴史総合,世界史探究」と「旧日本史B」のように新旧を組み合わせて選択することはできません。

教科 経過措置科目 試験時間 配点
情報 「旧情報」 60分 100点
地理歴史・公民 「旧世界史A」「旧世界史B」「旧日本史A」「旧日本史B」「旧地理A」「旧地理B」「旧現代社会」「旧倫理」「旧政治・経済」「旧倫理、旧政治・経済」 1科目選択60分
2科目選択130分(うち解答時間120分)
1科目選択100点
2科目選択200点
数学 数学①「旧数学Ⅰ」「旧数学Ⅰ・数学A」
数学②「旧数学 Ⅱ」「旧数学Ⅱ・旧数学B」「旧簿記・会計 」「旧情報関係基礎」
数学①70分
数学②70分
数学①100点
数学②100点

科目選択時の注意

共通テストでどの科目の受験が必要かについては、大学によって異なるため、志望大学のHPなどで募集要項を必ず確認するようにしましょう。

特に、学部・学科によっては特定科目を必須としたり、一部の科目を出題科目として指定していなかったり、そもそも共通テストで選択が不可になる組み合わせの科目があったりします。自分がどの科目を使って受験をするのか、志望大学を決めるときに整理してから共通テストの対策を行うように心がけてください。

当日の試験は何時から?時間割は?

2025年度の試験実施日は、2025年1月18日(土)、19日(日)です。共通テスト当日の時間割を紹介します。

他科目受験をする受験生の場合、2日にわたっての長期間の試験となります。また、科目間の時間も、普段受けている模試やテストより長めに設定されていることを把握しておくことで、休憩時間を有意義に過ごせるかもしれません。

▼ 1日目

9:30~11:40 【2科目選択の場合】
10:40~11:40 【1科目選択の場合】
地理歴史・公民
13:00~14:30 国語
15:20~16:40 外国語【リーディング(英語のみ)】【筆記】
17:20~18:20 外国語【リスニング(英語のみ)】

▼ 2日目

9:30~11:40 【2科目選択の場合】
10:40~11:40 【1科目選択の場合】
理科
13:00~14:10 数学①
15:00~16:10 数学②
17:00~18:00 情報

試験当日の持ち物は?

試験当日に必須のものからあるとよいものまで一覧にして紹介します。

あらかじめチェックリストを作っておいて、試験当日に持っていくものとして、整理しておくとよいでしょう。

【試験当日に必要な持ち物】

「受験票」「写真票」

筆記用具

時計(残り時間が把握しやすいアナログがおすすめ)

学生証

ハンカチ、ティッシュ

飲み物

糖分補給用の飴など

机の上に置いていいもの

試験中は机の上に置くことを許可されているものがあります。机の上に置くことを許可されているものは以下のものになります。

【試験中に机の上に置いていいもの】

黒鉛筆(H、F、HBの黒鉛筆に限る 和歌・格言などが印刷されているものは不可)、鉛筆キャップ

シャープペンシル(メモや計算に使用する場合のみ可。黒い芯に限る)

プラスチック製の消しゴム

鉛筆削り(電動式・大型のもの・ナイフ類は不可)

時計(辞書、電卓、端末などの機能があるものや、秒針音のするもの・キッチンタイマー・大型のものは不可)

眼鏡、ハンカチ、目薬、ティッシュペーパー(袋や箱から中身だけ取り出したもの)

必ず鞄の中にしまっておくもの

上記以外のものは基本的には机の上に置くことは認められていませんが、特に、机の上に置いているだけで不正行為と判断されてしまうものを紹介します。試験当日に持ってきた場合は必ず鞄の中にしまうようにしましょう。

【試験中に必ず鞄の中にしまっておくもの】

定規(定規の機能を備えた鉛筆などを含む)

コンパス

電卓

そろばん

グラフ用紙などの補助具

携帯電話(スマートフォン)

ウェアラブル端末

タブレット端末

電子辞書、ICレコーダー、イヤホン、音楽プレイヤーなどの電子機器類

スマートフォンなど、音がなるものは必ず電源を切っておくことを忘れないように気をつけましょう。上記のどちらにも記載が無いものについては、机の上に置く場合、試験官に必ず確認し、指示に従うようにしましょう。

こんなときはどうする?困ったときは

受験票を紛失した場合

受験票を紛失したら、受験票の再発行の手続きをしなければなりません。

「受験票再発行等申請書」と「返信用封筒(長形3号、住所・氏名記入、返信用の切手)」を封筒に入れて、郵便で大学入試センター事業第1課に申請すると受験票の再発行ができます。

ただし、1月上旬〜試験当日までの期間は、再発行は行われないので、この期間に受験票を紛失した場合や、試験当日に忘れてしまった場合は「仮受験票」を発行してもらう必要があります。その際、学生証(身分証明書)と写真(縦4cm×横3cm)3枚が必要となり、試験場本部で発行してもらうために1時間程度かかるため、上記を準備し、早めに会場に到着しなければなりません。試験場の雰囲気になれておくためにも、万が一のことがあってもいいように、早めに試験場に到着するようにするといいでしょう。

試験当日の遅刻・体調不良による欠席の場合

試験当日、交通機関の遅れで遅刻しそうな場合、受験票に記載されている「問合せ大学」へ連絡しましょう。その際、遅延証明書は必ずもらっておきましょう。

試験開始時刻を遅らせる措置を取ってもらえる可能性があるため、焦らずに試験場に向かってください。自己都合でも試験開始20分以内なら受験可能です。万が一寝坊などしてしまった場合でも、あきらめずに試験場に向かうようにしましょう。

また、やむを得ない理由で欠席する場合は追試を受けることができます。受験申請方法などの詳細は、受験票に同封される「受験上の注意」で確認することができます。

追試の対象者と必要な書類は以下の通りです。

・ 疾病・負傷により受験できない方(診断書が必要、新型コロナの場合は症状と発熱相談センターへの相談日が必要)

・ 事故の場合(事故または事由が確認できる証明書)

まとめ

いかがでしたでしょうか。2025年の共通テストで絶対に知っておくべき情報、知っておくと得する情報を紹介しました。

共通テストを受験する際、あらかじめ共通テストの情報を知っておいて、試験当日に向けて、試験の準備を計画的に行うことが重要となってきます。

事前に計画的に準備を行うことで、試験当日に余裕を持って試験に集中できるようにしましょう。

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