2018.11.24 2020.08.23
「決めつけ」は厳禁 子どもの意思を尊重した志望校選びを

高校入試の概要が分かったところで、具体的な対策について触れていきましょう。一般入試と推薦入試どちらが子どもに合っているのか、いつから受験準備を始めればいいか、親はどう応援・サポートしていけばいいかなど、多くの保護者が不安を感じていらっしゃるであろうポイントについてお話します。
中学3年間が評価される高校入試
大まかな流れをつかみ、具体的な計画を立てよう
高校受験に向けての準備は、すでに中学に入ったときから始まっています。前回お話ししたように、高校受験で重要となるのが内申書。地域によって異なりますが、①中学3年間の成績が高校に行く、②中2・3の成績が高校に行く、③中3の成績が高校に行くという3つのパターンがあり、公立高校入試の場合①が一番多いパターンです。仮に②③であっても、一般受験なら3年間の積み重ねが成績に反映しますし、「生徒会活動」「部活動」「検定」なども入試直前に慌ててどうにかすることはできませんから、中学3年間の準備が必要になります。
ここで、中3になってから入試までの年間スケジュールを確認しておきましょう(3学期制の場合)。1学期の中間テスト・期末テストをもとに7月頃、三者面談(本人と保護者、学校の先生との面談)が行われます。夏休みには受験生と保護者を対象にした学校説明会がスタート。他に文化祭・体育祭などもあります。高校の雰囲気や校風、先輩の姿などを見られるチャンスですから、行きたいと思う高校にはぜひ足を運んでみましょう。
10月になると、各高校の入試日程や募集人員、推薦枠・基準などが発表されます。入試要項を確認した上で秋頃から、併願校を含めた受験校を決めはじめ、12月頃に行われる三者面談を経て志望校を決定。冬休み明けの1月からは、受験校ごとに願書の提出→受験→合格発表→入学手続きという手順で進みます。1年間の大まかな流れをつかみ、その時期に必要な対策を心がけましょう。
高校受験準備は中学入学時から始まっています。1年次からの積み重ねが内申書の評価につながります。
行きたい高校には積極的に足を運んで。学校の雰囲気や校風を知るチャンスです。
一志望校決定は子どもの意思が大切ですが、いろいろな人の意見を聞き、複眼的な視点で、子どもに合う学校を選びましょう。

学校見学やオープンキャンパスで高校の雰囲気を知ろう
高校入試には大きく分けて推薦と一般がありますが、どちらが合っているかをどう見分ければいいのでしょうか。ざっくり言うと模試などの成績と通知表を見比べた時に「模試の成績よりも通知表が良い」人は推薦を検討した方が良い傾向にあります。例えば「通知表はいつもオール4~5だが、模試を受けると偏差値50(平均)を下回る」ような子です。また、生徒会活動や部活動を頑張っている子も推薦で有利でしょう。子どもが条件にあてはまるようなら、ぜひ住んでいる地域の高校の推薦入試制度について調べてみてください。
また志望校決定の際、保護者と子どもの意見が異なることはよくあります。その時に「A高校にしたら?」という言い方をするとたいていもめるようです。例えば「費用的に公立を第1志望にして欲しい」など、どうしても譲れないことがある場合は「条件」として伝える必要はありますが、できるだけ子どもの意思を尊重し「最終的に決めるのはあなたよ」という言葉を添えた上で意見を伝えるよう心がけてください。
またまれにですが、学校の先生が三者面談で「ここは無理。A高校に推薦してあげるからここにしなさい」などと決めつけてくることがあります。その場合、学校の先生の意見だけで判断せず、セカンドオピニオンとして塾の先生に「学校でこう言われた」と報告・相談するようにしてください。いろいろな人の意見を聞いた上で、子どもに合う高校かどうかを最優先に学校選びをして欲しいと思います。ちなみにママ友の意見はあまり参考になりません。
なお近年、「理系に特化(スーパーサイエンスハイスクールSSH)」や「総合学科(選択科目の幅が非常に広い)」など、特色ある高校が増えてきました。今の高校は「どこの学校に行っても同じ」ではありませんので、学校説明会やオープンキャンパスを有効に活用して欲しいと思います。その際、子どもはどうしても学校の設備や部活動、授業内容に関心を持ちます。保護者は大学合格実績や金銭面のことなど、子どもがあまり見ない部分を見るよう心がけましょう。
この記事を家族や友人に教える

明光2020教育改革室
岡田直将
志望校選びは子どもにとっては初めての大きな決断
志望校を決めること、行きたい高校をみつけること。このような大きな決断が人生初めてになるお子さんが多いのではないでしょうか。それを、「一人で決めなさい」と突き放してしまうのも、「ここにしなさい」と決めつけるのも、中学生のお子さんには大変なことかもしれません。まずはご両親が人生の先輩として、ご自身の体験談などを交えながら一緒に話し合うことをおすすめします。当然ながら受験制度はもちろん、時代が大きく変わってきていますので、保護者が受験生だった時とは異なる部分もあるかと思います。保護者の意見を押し付けず、子ども自身の考えを尊重してあげつつも、家庭の状況に合わせて志望校(受験校)を一緒に決めていきましょう。高校受験は、さらに大きく飛躍するためのステージ。お子さんの成長に喜びを感じながら志望校を選んでみてはいかがでしょうか。
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