2020.04.10 2020.10.17
子どもが高校受験で失敗...その後の人生や大学受験のために親ができること

「子どもが高校受験に失敗してしまった...」「もし、高校受験に失敗したらどうしたらいいの?」そのような悩みや不安を抱えてらっしゃる保護者様も少なくないのではないでしょうか。
高校に入学するためには入学試験という壁を突破しなくてはなりません。当然のことですが、頑張って試験に臨んだからといって必ず合格するというものではないので、受験に失敗してしまうお子さんもいます。
この記事では、お子さんが高校受験に失敗してしまった場合にどう対応すべきか、また失敗しないためにどのような対策が取れるのかを解説しますので、受験生の保護者様はぜひ参考にしてみてください。
お子さんが高校受験を失敗...親がお子さんに対してやるべきケア
お子さんが高校受験に失敗してしまい落ち込んでいるときには、保護者様もどのように接して良いのか分からなくなってしまうかもしれません。そういった場合、接し方のポイントとしてはお子さんの気持ちをしっかりと受け止めて、お子さんに安心感を与えてあげることが重要です。その具体的な方法について解説します。
お子さんの気持ちを受け止める
まず、親として強く意識したいことは、お子さんの気持ちを受け止めるということです。なぜなら、受験に失敗してショックを受けているのは、親ではなくお子さん本人だからです。お子さんの性格によって接し方やかける言葉は変わりますが、少なくとも「辛い」というお子さんの気持ちを保護者様が理解することが非常に大切となります。
反対に、やってはいけないことは、受験に失敗したという結果に対してお子さんを叱責してしまうことです。もどかしい思いから、ついお子さんに対して厳しい言葉をかける保護者様もいらっしゃいます。
しかしそのような行為は、ショックを受けている本人に「親は何も分かってくれない」といった感情を芽生えさせてしまいます。親と子の信頼関係でも、一度崩れてしまうと回復は難しく、長期間にわたり関係性が悪くなってしまう可能性もあるため、やはりお子さんの気持ちを受け止めることがとても重要です。
お子さんの頑張りを褒める
それでは、お子さんの気持ちを受け止め、心情に寄り添った言葉をかけるにはどのようなスタンスで接すれば良いのでしょうか?このとき、ぜひ意識していただきたいのが「お子さんの頑張りを褒める」ということです。
高校受験の結果が望むものでなかったとしても、受験に対してお子さんが頑張ったということは事実です。「もっと頑張れたはず...」といった思いもあるかもしれませんが、自宅での学習や部活動との両立など、お子さんが頑張ったことをきちんと認めてあげることが大切となります。さらに、思いだけではなく認めているという姿勢を表すことが重要です。
近年、教育業界でもお子さんを「認めること」の重要性が指摘されています。他者から認められることには、以下の効果があります。
① 自己肯定感が育つ
② 自分の決断に自信が持てる
③ 次の行動に対する意欲やパワーが生まれる
詳しくは後述しますが、高校受験の失敗はその後の頑張り次第で十分に取り返しが可能です。まずは保護者様が頑張りを認めてあげることが、次の頑張りに大きく影響するでしょう。
人生の終わりではないと諭す
お子さんへの接し方について、もう1点重要なポイントがあります。それは「高校受験の失敗が人生の終わりではない」ということを明確に伝えることです。
大人の目線で見れば、高校受験の失敗は「まだ取り返しが可能」と思えるものですが、本人にとってはこれまでの人生の中で、最大の挫折感を味わっているところかもしれません。お子さんが意欲的に次の目標に向かって頑張るためには、「安心感」を持たせることがとても重要な要素になります。
頑張りを認めてあげることと、現在の状況はまだ取り返しがきくということを伝えてあげることが、お子さんが安心感を得るためにとても大切なアプローチになるのです。
高校受験の失敗がその後の人生や大学受験に与える影響は?

高校受験の失敗がその後の進路にどのような影響を与えるのかを、保護者様が把握しておくことも大切です。事情を全く知らずに、お子さんに対して「人生の終わりではない」と伝えても説得力に欠けてしまうためです。結論からいえば、高校受験の失敗がその後の進路に直接大きな影響を及ぼすわけではありません。
確かに、偏差値の高い高校に入学することで、難易度の高い大学へ合格しやすくなる傾向はあります。しかし、偏差値の高い高校に進学すれば必ず難関大学に合格できるというわけではなく、入学後の頑張りによって希望の進路を掴み取るお子さんもいます。
第2希望・第3希望の高校は、第1希望の学校と比較すると劣ってしまうかもしれませんが、その中でも希望の大学への合格を実現している生徒もいるはずです。
繰り返しになりますが、肝心なポイントは入学後の頑張りです。第1志望の高校でなくとも、志望大学に向けての学習はできます。学校の勉強だけで心もとないのであれば、自宅や学習塾で学ぶことも可能です。前向きに考えれば、高校受験に失敗してしまった理由や要因を分析することが、次の大学受験に活かせられるというメリットもあります。
高校受験に失敗した後の選択肢
高校受験に失敗してしまった場合、その後の選択肢としてはどのようなものがあるのでしょうか?将来的に大学や短大などへの進学を目指す場合には、2つの選択肢が考えられます。
他の高校を受験する
最初の選択肢は他の高校を受験することです。高校の選択肢としては、国公立もしくは私立高校がありますが、その他にも全日制だけではなく定時制や通信制など、幅広い選択肢が設けられています。
一般的に高校入試は推薦入試が最初におこなわれ、次に私立高校、国公立高校の順番でおこなわれます。国公立高校を目指す場合でも、滑り止めとなる高校を選んで受験しておくと安心です。
また、国公立の前期日程の受験に失敗した方も、国公立の後期日程や私立高校で願書受付中の学校が残っていることが多いので、諦めずに探してみると良いでしょう。
高卒認定試験を受ける
高校に進学しなくとも、高卒認定試験を受ければ「高卒」者と同じように大学や公務員試験を受験することができます。また、資格を取得する際、資格によっては「高校卒業」が受験資格の要件に設定されている場合があります。その場合でも高卒認定試験に合格すれば、条件を満たし受験することが可能になります。
高卒認定試験は、かつて「大検」と呼ばれていた大学入学資格検定の名称が変わったもので、基本的には同じです(試験科目などの若干の変更はあります)。受験年度内に満16歳になる人なら誰でも受験できる制度となっており、試験科目は以下の通りです。(全日制高校に在学中の場合は学校長の許可が必要)
【試験科目】
国語:1
世界史:1
日本史又は地理:1
数学:1
理科(科学と人間生活・物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎):2又は3
英語:1
※こちらは2020年時点での情報です。最新の情報は、文部科学省のサイトでご確認ください。
上記のように8科目もあるため出題範囲は幅広いですが、高難度というわけではなく中学~高校1年までに学習する程度の問題が出題されます。また、合格した科目は次年度の受験が免除されるため、複数回に分けて合格を目指すことも可能です。
高校に通わずに学習塾や自宅で学習して高卒認定試験を受けてから、大学入学を目指すというのも選択肢の1つです。
高校受験を失敗させないための方法
ここまで、高校受験に失敗しても大きな問題にならないことをご紹介してきましたが、保護者様としては当然、高校受験に失敗しないでほしいとの思いはあるでしょう。特に受験を控える学生の保護者様は、なおさらそのような思いが強いのではないかと思います。
そこで以下からは、受験を失敗させない方法をご紹介します。保護者様も認識しておくと、お子さんのフォローやアドバイスができるので、ぜひ覚えておきましょう。
スケジュール把握
まずは、受験や学校・クラブ活動のスケジュールを早めに確認しておきましょう。高校入試は出題範囲がとても広いので、長期的な学習計画を立てておくのがおすすめです。学校行事や部活のスケジュールなどと併せて、日々どのくらいの学習時間が確保できるかについて、本人と相談してみましょう。
効率のいい勉強法
高校受験合格に向けて大切なことは、勉強習慣を身につけることと効率のいい勉強方法を実践することです。
・早めに勉強習慣を身につける
受験勉強といえば、「毎日5時間」など長時間学習をイメージされるかもしれませんが、日ごろから勉強をする習慣のないお子さんが、いきなり長時間の受験勉強をするのはとても大変なことです。そこで、30分などの短時間でも問題ないので、まずは「勉強をする」ことを習慣化しましょう。
・基礎が重要
高校受験で重要なことは、「基礎知識」です。特に、勉強の仕方が分からないお子さんは、授業内容の復習や定期テスト対策を中心にして勉強を進めていきましょう。中学3年生の1学期以前は定期テスト対策で基礎学力をしっかりと養うことが大切です。
・間違った問題をしっかり理解する
定期テストや模擬試験で間違った問題を正答できるようにすることが、非常に効率的な勉強方法になります。テストや試験を受けたときには、見直しに時間を費やし、しっかりと弱点を潰しましょう。
・中学3年生の夏休みまでに1・2年生の内容を総復習
高校入試は、問題の約70%が中1・2年生の内容から出題されます。そのため、中学3年生の夏休みまでに、中1・2年生の学習内容の総復習を終わらせておくことが大切です。
・中学3年生の夏休み以降は模擬試験や過去問で対策を
中学3年生の夏休み以降は模擬試験や過去問などで、実際の試験に近い環境で問題を解いていきます。本番の出題形式や傾向に慣れ、万全の状態で試験に臨めるようにします。
なお、より詳しい勉強方法を知りたい方はこちらから確認できます。
塾選びのポイント
志望校への合格をより確実なものとするために、学習塾に通うという選択肢もあります。しかし、学習塾はたくさんあるので「どの塾が良いのか分からない...」といった悩みも出てくるでしょう。そこで、学習塾を選ぶ際のポイントをいくつか紹介します。
・集団塾もしくは個別指導塾ではどちらが良いのか?
集団塾は、6~20名ほどの人数で毎週決まった時間に学校形式の授業がおこなわれるタイプの塾です。学校の授業を先取りするタイプの学習塾が多く、毎回宿題が課されるのが一般的です。テスト対策や受験対策に力を注ぐ塾が多く、難関校を目指す塾では学校で習う範囲以外の学習をすることもあります。
一方、個別指導塾は先生1名に対して生徒が1~3名で学習するタイプの学習塾です。生徒のペースに合わせて、勉強の進捗やスケジュール調整をしてもらうことが可能です。集団塾と比較すると、学費は高くなりますが、勉強が苦手なお子さんが勉強習慣を身につける方法として効果的となります。
成績が平均を上回っている場合は集団・個別どちらでも問題ありませんが、より集中的に勉強に取り組みたい場合は個別指導塾がおすすめです。
・友人が通っているというだけで塾を選ぶのは危険
友人が通っている塾は、お子さんにとって心強いかもしれませんが、友人にとって「良い」塾が必ずしも合うとは限りません。性格も学力も友人と同じではないので、十分に吟味する必要があります。友人と同じ塾に通うのは悪いことではありませんが、ただ「友人が通っているから」という理由だけで学習塾を選ぶのは避けたほうが良いでしょう。
・ホームページなどで塾の教育方針や特色を把握しよう
お子さんに合った塾を選ぶ際、目安になるのが塾の教育方針や特色です。塾のホームページを見れば、教育方針や特色が記載されているので、塾の雰囲気を事前に把握するためにも確認しておきましょう。
まとめ
お子さんが高校受験に失敗したときには、まず保護者様がお子さんの気持ちを受け止めることが何よりも重要です。高校受験に失敗したとしても、第2希望・第3希望の高校や高卒認定試験を受験したりするなど、失敗を取り戻すチャンスは十分にあります。
また、受験の失敗を未然に防ぎたい保護者様は、お子さんのスケジュールを把握したうえで、効率の良い勉強方法で学習させることが大切です。また、より効果の高い勉強をさせたい場合には、お子さんの性格や特徴に合った学習塾に通わせてあげると良いでしょう。
この記事を家族や友人に教える
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