2021.04.12
高校受験の面接で自己PRを成功させるコツと例文を紹介

高校受験の面接では多くの場合、1分間ほどの自己PRを求められます。
しかし、「自己PRで何を話せばよいかわからない」という受験生も多いのではないでしょうか。
この記事では、「そもそも自己PRとは何なのか」「高校受験の面接で自己PRが求められるのはなぜか」について解説します。
また、面接での自己PRを成功させるためのコツも、例文とともに紹介します。
昨今は高校受験の面接がオンラインで行われることも考えられるので、オンライン面接の対策と注意点も併せて確認しておきましょう。
高校受験の面接における自己PRとは
ここでは自己PRの意味を解説するとともに、実際に高校受験の面接で自己PRにかける時間や、面接の雰囲気も紹介します。
自己PRとは?
そもそも自己PRとは何のことでしょうか。「PR」の本来の意味は「Public Relations」の略で、「組織とそれを取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方および行動のあり方」と定義されています。
つまり自己PRとは、単に「自分をアピールすること」ではないのです。
高校受験の面接における自己PRは、「自分の特徴や行動がその高校にいかに合っているか」を高校側に伝えることだといえます。
高校受験の面接における自己PRの時間
高校受験の面接では多くの場合自己PRを求められますが、自己PRで与えられる時間や、求められる内容はどのようなものなのでしょうか。
一般的に、高校受験の面接では最初に自己PRの時間が設けられているか、面接の質問の中で「自己PRをしてください」とアピールを求められることが多いといえます。
また、自己PRのために与えられる時間は1分間の学校が多いですが、中には2分間と長めに設定されている場合や、30秒と簡潔に伝えることが求められる場合もあります。
さらに、自己PRでは受験生が自分の言葉で自由に話すことができる場合もあれば、「長所・短所を含めて自己PR」のように内容がある程度決められている場合もあります。
自分の志望校がどのような形式で自己PRの時間を取り入れているのかは、事前に確認しておく必要があるといえるでしょう。
高校受験の面接で自己PRが求められる理由
高校受験の面接では、なぜ自己PRが求められるのでしょうか。
その理由として、以下の3点が挙げられます。
・自己分析ができる生徒かどうかを見たいから
・受験生の目標とそれに対する熱意を知りたいから
・学校の教育方針や理念に合った生徒に入学してもらいたいから
高校側は、自己PRの内容を通して受験生の特性を知り、我が校に合う生徒なのかを知ろうとしています。ここからはさらに詳しく見ていきましょう。
自己分析ができる生徒かどうかを見たいから
面接では、まず受験生がしっかりと自己分析をできているかどうかを見ます。
冷静に自己分析をできている受験生は、そのスキルを高校での勉強や大学受験、就職にも有利に活かせると考えられ、優秀な人材として高い評価を得られるでしょう。
自己分析は、志望理由書を作成するときに行います。そのため自己PRでは、志望理由書の内容からさらに深掘りして自分自身について話すことが大切です。志望理由書を作成する過程で、自分の長所や短所、将来の夢など徹底的に自己分析し、「入学したらこんな自分になりたい」ということを面接で詳しく説明できるようにしておきましょう。
受験生の目標とそれに対する熱意を知りたいから
高校側は、将来の夢や目標、それを達成しようとする熱意のある生徒に入学してもらいたいと思っています。
そのため、面接官は受験生に具体的な目標や熱意があるかどうかも見ています。
学校の教育方針や理念に合った生徒に入学してもらいたいから
高校は、それぞれが特色ある教育方針や理念を掲げています。また、その高校の生徒として相応しい、求める生徒像もあります。
面接官は、それらに合う生徒になり得るかどうかも面接時に確認しています。
高校受験の面接で自己PRを成功させるコツ
高校受験の面接において自己PRを成功させるには、どのような対策をすればよいのでしょうか。
自己PRを成功させるために大切なのは、コツを押さえてしっかりと準備をすることです。
ここからは、高校受験の自己PRをスムーズに行うためのコツを4つ紹介します。以下を参考に自己PRの準備を行い、面接に臨みましょう。
志望校が求める生徒像を考える
前述のとおり、高校は学校の教育方針に合った生徒が入学することを望んでいます。
そのため、学校案内のパンフレットやホームページに記載されている学校の教育理念の欄などをチェックして、志望校が求めているのはどのような生徒なのか、よく考えてみましょう。
また、どんな授業に力を入れているのか、卒業後の進路にはどのような選択肢があり、実際にどの道を選択する生徒が多いのかといった情報も参考になります。
もし志望校のオープンスクールや文化祭、学校説明会などがあれば、必ず参加してみましょう。実際に高校の雰囲気がわかり、在籍する先生から直接話を聞くこともできるのでおすすめです。
志望校が求めているのはどのような生徒なのかを理解し、自分のこれまでの経験や将来の夢などと結びつけて、「なぜこの高校でなければならないのか」が伝わるような印象的な自己PRをできるようにしましょう。
自分の長所や中学時代で頑張ったことを具体的に伝える
自己PRの内容には、具体的なエピソードが欠かせません。
そのため、部活や勉強、生徒会活動などの自分が中学時代に頑張ったことや、自分の長所についてエピソードを交えて話すことが大切です。
例えば中学時代に頑張った部活のことを話す場合には、実績だけでなく、「目標を達成する過程でどのような工夫をし、何を学んだのか」といったところまで話せるとよいでしょう。
また、自分の長所・短所を聞かれた場合は、素直に答えましょう。単に長所・短所だけを答えるのではなく、エピソードを交えて話せると好印象を与えられます。
例えば、「何でもコツコツ継続して頑張れる」という長所があったとします。
面接官に伝える際には、「サッカー部に入ったものの最初は下手でした。でも焦らずコツコツ練習を積み重ねた結果、3年生でレギュラーになれました」といったエピソードや実績とともに長所を話すと、説得力があり伝わりやすくなります。
事前に練習を重ねる
面接で話すことが決まったら、内容を整理してしっかりと覚えます。そして、何度も音読して練習を重ねましょう。覚えたつもりでも、実際に人前で話すのはなかなか難しいものです。自然に話して熱意を伝えるためには、くり返し練習をすることが大切です。
よく考えて作成した自分らしい自己PR文を使って、面接の練習を何度もしておけば、たとえ当日緊張したとしても自信をもって話せるでしょう。
自己PRの内容をそれほど深く考えずに作成して練習不足で面接に臨んでしまうと、本番で頭が真っ白になり、うまく伝えることができない可能性があります。
「隣の人の自己PRが自分と同じような内容だったために焦り、覚えていたはずの自己PRをすっかり忘れてしどろもどろになってしまった」という失敗談もあるので、中学生らしく、自分の言葉で伝えられる自己PRをよく考えて作成すること、面接の練習を重ねておくことはとても大切です。
原稿の丸暗記ではなく余裕をもって話す
自己PR文の内容を覚えることは大切ですが、丸暗記した原稿を淡々と暗唱するだけでは、不自然でぎこちない自己PR になってしまいます。
自己PRの時間も、面接官に熱意を伝える「対話」の一環です。
ゆっくりと落ち着いて、目の前にいる目上の人と会話をするつもりで、自然なトーンで話すことを心がけましょう。
難しいことのように感じますが、あらかじめ決まった言葉を自然に話すことも練習を積み重ねれば習得することができます。学校や塾の先生にサポートしてもらいながら、実際の面接を想定した自己PRを何度も練習することをおすすめします。
高校受験の面接における自己PRの例文

ここからは、実際に面接ではどのような自己PRをするとよいのか、いくつか例文をご紹介します。
(例①)
自分の長所や特徴を話す場合は、それがわかるエピソードを交えましょう。
(例文)
私の長所は、ポジティブなところです。中学最後のバスケの大会前にケガをしてしまったとき、最初は悔しくて泣きたい気持ちでしたが、周囲の励ましもあり、「高校で活躍しよう」と気持ちを切り替えることができました。
筋トレや食トレをして高校でバスケをするための体づくりに励み、ケガを予防するストレッチなども学びました。残念ながら中学の大会で結果を残すことはできませんでしたが、早い段階で前を向くことができ、高校でバスケを続けるために必要な、気持ちの持ち方を身につけることができたのは大きな財産です。
(例②)
将来の夢を語りながら自己PRをする場合は、これまで頑張ってきたことや、高校に入ってから学びたいことなどを一緒に話すと好印象を与えられます。
(例文)
私は小さい頃から英語を学んでいて、将来は世界で活躍できるような国際的な仕事をするのが夢です。
語学や異文化交流に力を入れている貴校でさらに英語力を磨き、将来は留学したいと考えています。入学後は、これまで以上に英語の勉強に力を入れ、海外の文化もたくさん学びたいです。
(例③)
中学で頑張ったことについて話す場合は、「部活の大会で優勝した」「実力テストで1位だった」といった実績だけでなく、その過程でどんな工夫をしたか、どんなことを学んだかといったことを話しましょう。
(例文)
私は中学3年間をサッカー部での活動に捧げ、真剣に部活に取り組みました。勉強との両立はとても大変でしたが、その分1回の授業に集中することができ、わからないことを持ち越さない癖がついています。
まとまった勉強時間が取れないことが多かったので、休み時間や移動時間などの隙間時間を活用するといった工夫をしました。それによってサッカーでは目標としていた県大会優勝を果たすことができ、勉強でも目標の順位を維持できました。この経験を活かし、高校でもサッカーと勉強を両立するつもりです。
高校受験がオンライン面接になるときの対策と注意点
コロナ禍の影響により、高校受験においてもオンライン面接を検討する学校が増えています。
文部科学省が、高校受験における新型コロナウイルスに対する感染症対策の具体例として「入学志願者側も含め、ICT機器が円滑に使用できる環境にあるなど条件が整っている場合は、オンラインで面接試験を行う」と発表したためです。
オンライン面接は、志望校を訪問して行う対面の面接とは雰囲気が異なるため、オンライン面接に特化した対策も必要だと考えておいたほうがよいでしょう。
声のトーンや目線に注意しよう
オンライン面接では、声のトーンが低くなりがちです。やや高めのトーンではっきりと話すように心がけましょう。
また、話すときの目線にも注意が必要です。
つい面接官の顔が映っている画面を見ながら話したくなりますが、それでは目線がカメラからずれてしまいます。面接官側から見たときに目が合っているように見えないと思いが伝わりづらい可能性があるため、意識的にカメラのレンズを見るようにしましょう。
話すときは明るく聞き取りやすい声で話し、目線をしっかりとカメラに向けることが大切です。また、外付けカメラの場合は目線が下がりすぎないよう位置を調節しておくのも1つの方法です。
基本的な対策は変わらないので落ち着いて取り組もう
「オンライン面接だと、実際に会って話すよりも緊張してしまうかもしれない」と不安に思う人もいるでしょう。しかし基本的な面接対策は、対面の場合と変わりません。
オンライン面接でも自然に話せるよう、学校や塾の先生にサポートしてもらいながら、何度も練習を重ねましょう。
自分の声を録音して聞いてみることもおすすめです。
まとめ
自己PRは、単に「自分をアピールすること」ではなく、自分と志望校の良好な関係をつくるためのコミュニケーションの方法の1つです。
自己PRを通して、学校側は「自己分析ができる生徒かどうか」「目標とそれに対する熱意があるかどうか」「学校の教育方針や理念に合った生徒かどうか」を確認します。
自己PRを成功させるコツは、「志望校が求める生徒像を考える」「自分の長所や中学時代で頑張ったことを具体的に伝える」「事前に練習を重ねる」「原稿の丸暗記ではなく余裕をもって話す」ことです。
また、コロナ禍でオンライン面接が行われる可能性がありますが、声のトーンや目線に気をつければ、その他は対面の面接と変わりません。
高校受験の面接で学校側が一番知りたいことは、「あなたがどういう人か」です。それをあるがままに伝えるためには、「いつものように自然に、自分の言葉で話す」ことが何よりも大切です。
この記事を家族や友人に教える
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