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2021.04.28      2023.10.07

繰り上げ合格とは?合格通知のタイミングや仕組みについて解説!

繰り上げ合格とは?合格通知のタイミングや仕組みについて解説!

「繰り上げ合格」という言葉について、言葉自体は聞いたことがあっても、具体的にどんなことなのかは理解していないという受験生は多いものです。

通常、受験の合否は合格発表の時点でわかりますが、繰り上げ合格の場合は、合格発表の時点では合格者の扱いにならず、後から合格が通知されます。

この記事では、繰り上げ合格と他の合格の違いや、繰り上げ合格のタイミング、仕組みを紹介します。
また、繰り上げ合格の通知をどのように受け止めるべきかということもお伝えします。

繰り上げ合格とは

繰り上げ合格とは、どのような「合格」なのでしょうか。
他の場合の合格と比較しながら見ていきましょう。

正規合格とは

正規合格とは、試験結果が入学定員内の順位で合格することです。一般的な合格は、この正規合格を指します。

正規合格をした人は、そのまま入学手続きに進みます。
しかし併願受験で合格した場合などには、合格者が入学を辞退することもあります。正規合格した人が全員入学するとは限らないため、入学定員数に空きが出るのです。

繰り上げ合格とは

繰り上げ合格とは、試験結果の順位が入学定員数をオーバーしていて合格が保留になっていた状態から、順位が繰り上がって合格になることです。
正規合格者が入学を辞退し定員に空きが出た場合に、繰り上げ合格者が選ばれることがあります。

繰り上げ合格の対象となるのは試験結果が合格最低点にほんの少しだけ届かなかった受験生で、ほとんどの場合において合格最低点との差は1~2点ほどだといわれています。

多くの学校では、自分の試験結果の点数の開示を求めることができます。自分が試験で獲得した点数と、志望校の合格最低点の差が1~2点ほどだった場合、繰り上げ合格の可能性があると考えてよいでしょう。ただし、そもそも繰り上げ合格を出さない学校もある点には注意が必要です。

繰り上げ合格と補欠合格の違いは?

繰り上げ合格と似た言葉に、「補欠合格」があります。

補欠合格とは、正規合格者の中から辞退が出て定員に空きが出た場合に、合格になる候補者となった生徒のことです。

試験に合格したというわけではなく、「今後合格となる可能性がある」という状態のことを指しています。
つまり補欠合格は、その時点においては何の効力も持ちません。

一方で繰り上げ合格は、入試の結果は不合格だったものの、定員に空きが出たために急遽合格となることです。多くの場合、補欠合格者から繰り上げ合格者が選ばれます。

繰り上げ合格は、実際に合格となった状態です。
補欠合格は「今後の状況次第で合格になる可能性がある状態」で、繰り上げ合格は「もともと不合格だった受験生がその後合格と認められた状態」、と考えるとよいでしょう。

繰り上げ合格のタイミング

ここからは、繰り上げ合格のタイミングについて見ていきましょう。
繰り上げ合格は定員に空きが出てから合格者が選ばれるため、正規合格者の発表から少し時間がかかります。

繰り上げ合格のタイミングはいつ?

繰り上げ合格者は、正規合格者の中から実際にその学校に入学する生徒の人数が確定してから選ばれます。なぜなら、正確な入学者数がわからない状態では、学校の募集定員に枠が空いているかどうかもわからないからです。

したがって繰り上げ合格が確定するのは、正規合格者が発表され、その中から入学する人数が決まった後になります。

候補に挙がっていることが知らされるとは限らない

繰り上げ合格になるためには、まずは補欠合格者に選ばれていなければなりません。前述の通り、繰り上げ合格者の多くは補欠合格者から選ばれます。
ただし、補欠合格者を発表する学校は少なく、対象者に封書で通知するところがほとんどです。

また、何の通知もなく突然繰り上げ合格の連絡が来ることもあります。
補欠合格や繰り上げ合格について、志望校がどのような発表形式を採用しているかを確認しておくとよいでしょう。

正規合格者の入学手続き後に連絡が来る可能性が高い

繰り上げ合格の連絡は、多くの場合正規合格者の入学手続きが完了してから行われますが、通知が行われるタイミングは学校によって異なるため注意が必要です。

正規合格者の入学手続き後、おおむね数日以内に通知されることが多いと考えておいてよいでしょう。ただし、遅い場合は1ヶ月以上かかることもあります。
また、入学手続きを待たずに繰り上げ合格者の通知が行われる場合、早ければ合格発表の翌日に連絡が来ることも考えられます。

繰り上げ合格は電話で連絡が来ることが多い

繰り上げ合格の連絡は、意思確認をスムーズにするため電話で行われることが多いです。電話で順番に繰り上げ合格者に連絡を行い、入学の意思があると確認できた場合は合格通知や必要書類などが郵送されます。

電話は出願の際に書類に記入した番号にかかってくるので、正規合格者発表後からしばらくの間は、着信に注意しておいたほうがよいでしょう。
電話に出られなかった場合にはメッセージを残してくれる学校もありますが、非通知で電話をする学校もあるため注意が必要です。

電話で入学の意思確認が行われ、入学する旨を伝えたら、その後の対応について指示されます。
指示に従って入学手続きを進めれば、正規合格者と同様に志望校への入学が可能になります。

繰り上げ合格の仕組み

繰り上げ合格の仕組み

続いて、繰り上げ合格の仕組みについて見ていきましょう。繰り上げ合格の仕組みは、正規合格とはまったく違っているので注意が必要です。

そもそも繰り上げ合格者は多くない

繰り上げ合格によって急遽合格となる生徒の数は、決して多くありません。というのも、学校側は正規合格者のうち何人かは入学を辞退すると想定しており、定員より少し多めに正規合格者を出しているからです。

そのため、入学辞退者が数人出たくらいでは、繰り上げ合格者は選ばれません。
想定より辞退者が多く出て、定員枠が大きく空いた場合のみ、繰り上げ合格者の選定が行われます。
ただし、空いた枠の人数分繰り上げ合格者が選ばれるとは限りません。

繰り上げ合格者の枠は非常に小さく、場合によってはまったくないこともあります。
そのため、繰り上げ合格に過度な期待を寄せないほうがよいでしょう。

点数順に繰り上がる

各学校が採用している制度にもよりますが、多くの場合繰り上げ合格者は点数の順に選ばれます。
合格最低点にあと1点届かなかった、という受験生から選ばれることがほとんどです。

同じ点数の受験生が複数いる場合は、教科ごとの点数で判断されることもあります。
学校の選考基準にもよりますが、基本的には正規合格者と同様に、点数が高い受験生から選ばれると考えてよいでしょう。

連絡が取れないと不合格になる場合も

前述の通り繰り上げ合格者に選ばれると、その連絡は電話で行われることが多いです。これは意思確認を迅速に行うためです。

ですが電話に出ない、電話がつながらないなど、事前に提出した電話番号で連絡が取れなかったときには、繰り上げ合格の候補者であっても入学の意思がないと見なされ、不合格になってしまう場合があります。

学校側は、すでに正規合格による入学者数が決まり、空いた枠で生徒を入学させようとしているため、少しでも早く意思確認と入学手続きを済ませたいと考えています。
よって連絡が取れず、意思確認ができないのであれば、次の候補者を繰り上げ合格者にしようと判断するのです。

また、繰り上げ合格を通知する電話は、非通知でかかってくる可能性もあります。
非通知拒否の設定になっていると、せっかくの繰り上げ合格通知の電話を受けられません。
繰り上げ合格の電話がかかってくる可能性のある間は、非通知拒否の設定を解除し、着信には気を配るようにしてください。

1点の差が繰り上げ合格を決める

受験はシビアであり、1点の差が合否を分けることも多くあります。
それは繰り上げ合格の場合も同じで、繰り上げ合格者の多くは合格最低点に1~2点届かなかっただけです。

繰り上げ合格者はかなり少ないため、最初から繰り上げ合格を狙うような受験の方法は得策ではありません。ですが1点でも多く点数を獲得すれば、合格の可能性は高まります。
少しでも合格の可能性を高めるためには、1点でも多く取るための基礎力をつけることが大切です。

繰り上げ合格の電話をもらったときに考えること

繰り上げ合格の電話をもらったとき、どうすればよいのでしょうか。
電話で突然連絡が来るうえに、正規合格とは手順が異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

事前に入学の意思を考えておく

合格最低点に1点足りなかった、もしくは補欠合格者となった通知が届いた場合は、後日繰り上げ合格者に選ばれる可能性があります。その場合は、もしも電話連絡が来たときに、入学する意思についてどう伝えるかを事前に考えておいたほうがよいでしょう。

学校側は、即座に入学の意思を確認できる生徒を入学させたいと考えています。
繰り上げ合格に期待しすぎてはいけませんが、それでも可能性がある場合は、連絡をもらったときにどう回答するかをあらかじめ考えておくことをおすすめします。

辞退することも選択肢の1つ

繰り上げ合格者は、正規の合格最低点に届いていない生徒から選ばれます。
つまり通常の合格点には満たなかったということで、その学年では入試時点での成績が最下位ということになります。

入学してから、勉強についていけなくなってしまう可能性もあるでしょう。
併願受験で合格した学校に不満がない場合や、入学後についていけるかどうか不安な場合は、繰り上げ合格を辞退するという選択肢もあります。
入学したい気持ちは強いかもしれませんが、必ずしもその学校が自分に合っているとは限りません。

繰り上げ合格したからといって、必ずしも入学しなければならないわけではありません。
入学を辞退することも視野に入れて、考えることをおすすめします。

繰り上げ合格でも立派な合格

繰り上げ合格は、正規の合格点には届いていないことを意味します。
そのため、入学に対して引け目を感じてしまったり、入学後も自信が持てなかったりすることがあるようです。

しかし、繰り上げ合格でも合格であることには変わりありません。合格者に選ばれたことを存分に喜んでよいのです。
引け目を感じながら学校生活を送るのは、とても悲しいことです。せっかく合格したのですから、自信を持って堂々としてください。

前述の通り、入試時点での成績が最下位になってしまうことは避けられませんが、入学後の勉強や成績に、いつまでも入試の結果が付きまとうわけではありません。
志望校に繰り上げで合格するほどの縁があったと考えることもできます。思い切って入学を決め、前向きに勉強に取り組むという選択もよいでしょう。

まとめ

繰り上げ合格はそもそも枠が少ないため、過度な期待を寄せることはおすすめしません。しかし受験に臨むうえでは、このような仕組みがあるということも把握し、実際に選ばれた際にはどう対応すればよいかも理解しておくと安心でしょう。

繰り上げ合格者に選ばれたということは、志望校が定める正式な仕組みで選ばれた立派な「合格」です。とはいえ、繰り上げ合格が決まったからといって必ず入学しなければならないわけではないので、最終的な判断は事前に考えておくことが大切です。

いざというときに慌てないためにも、繰り上げ合格についても調べたうえで、受験に備えるとよいでしょう。

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