2021.03.08
高校受験で英単語の暗記は必要?効率よく覚える方法とは

英語は高校受験における必須科目の1つであり、受験結果を大きく左右する重要な科目です。
高校入試における英語では、受験する高校によって違いはあるものの、基本的にはリスニング、英作文、長文読解、英文法、語彙が出題されます。
さまざまな形で英語を読み解くためには、単語力が不可欠です。しかし、単語を暗記するのが苦手という受験生は少なくありません。
この記事では、高校受験における英単語の暗記の必要性や、効率よく覚える方法について解説します。
高校受験に必要な英単語数は?
高校受験に向けて勉強を進める上で、まずは覚えておかなければならない単語の総数をきちんと把握することが大切です。
中学3年間で習う単語数と、高校受験に必要な単語数を比べてみましょう。
中学校で習う英単語は
中学校の教科書は、文部科学省が発表する「学習指導要領」という指針をベースに作られています。
「学習指導要領」は2017年3月に改訂されており、新学習指導要領は中学校では2021年度から全面実施されます。
改訂後の中学校での習得語彙数は1,600~1,800語程度、2020年度から英語が必須教科化された小学校では600~700語程度となり、中学校・小学校で習う英単語数は以前と比べて最大で1,300語程度増えています。
高校受験に必要な英単語は
高校受験で登場する単語数は、以前は公立高校入試で約1,200語、難関私立高校で2,500語程度といわれていました。
しかし、新学習指導要領の実施により、義務教育で習う単語数が最大で2,500語程度となっていることを鑑みると、難関校ではさらに多くの単語数が求められるようになるとも考えられます。
また、新学習指導要領では入試問題の出題傾向にも変化があり、従来の問題よりも思考力、判断力、表現力が求められる問題が取り入れられると予想されています。自分の考えを表現するためには、語彙力が必要になるでしょう。
高校受験のために英単語を覚えるペース
高校受験に向けて英語を勉強するときは、まず教科書の単語は完全にマスターしているのが前提です。
必要になる単語数を日割計算して、無理なく覚えていけるようスケジュールを組むことが大切です。覚える量が多いため、短期間に詰め込むのは得策ではありません。
早く始めてコツコツ覚えたほうが有利なので、受験勉強を始めた日から並行して地道に進めていきましょう。
英単語の暗記は必要か?
高校受験では最低でも2,500語程度の英単語が登場することになりますが、文脈から意味を想像できることもあるため、覚えている語が少なくても対応できるように思えます。本当に暗記は必要なのでしょうか。
ここでは暗記の必要性について解説します。
スタートラインに立つための単語は覚えるしかない
英語の文章は、単語の組み合わせです。英語を理解するためには、まずは単語を覚えなければなりません。学習が進めば文脈などから推測できるようになりますが、英語を習い始めた中学生の段階から推測に頼るのは危険です。
英語は、高校入学後も3年間をかけて習い続ける科目です。また、大学入試を目指すとなれば、再び英語の入試を受けることになるでしょう。高校受験後も向き合わなければいけない科目だからこそ、推測ではなく根本から理解することが大切です。そのためには、単語力を確保することが最優先になります。
難しい単語でなく「使える単語」が必要
たくさんの英単語を覚えなければならないからといって、やみくもに覚えても効率的ではありません。
高校受験で出題される英語には、実用的な単語も多く含まれます。長文を読み解く際も、単語の意味が理解できるかどうかが読み解くポイントになります。
高難度の語句をたくさん覚えるよりも、文を読解する際の鍵となる単語を確実に使えるように暗記することのほうが重要です。
暗記は若いうちほど簡単
暗記はひたすら繰り返して覚えるしかないため、苦痛に感じる受験生も多いでしょう。しかし、暗記は若いうちほど有利に進められる勉強法です。大人になるにつれて、暗記力は弱まっていきます。
中学生と社会人が2,000語の単語を覚えるとしたら、社会人のほうが苦労するでしょう。
暗記に苦手意識を持っている人も、ここで頑張れば大学受験や、社会人生活にも大いに役立つはずです。
英単語を効率よく覚える方法
一度英単語を覚えても、すぐに忘れてしまったり、スペルミスをしてしまったりする人は、きちんと暗記できていない可能性があります。
そこで、ここからは効率よく英単語を覚える方法をご紹介します。
「短時間」と「繰り返し」が鍵
英単語をたくさん覚えたいからといって、一気に暗記しないようにしましょう。
人間の脳は、繰り返し見たものを重要な情報として認識する傾向があります。一度に膨大な情報を記憶しようとしても、脳はそれを不要な情報と判断してしまうため、なかなか記憶に残りません。
1つの単語に長い時間をかけるよりも、短時間で複数の単語を継続的に覚えるほうが効果的です。短時間で継続的に、かつ繰り返し英単語に触れることで、記憶が定着します。
単語でなくフレーズで覚える
英単語だけで覚えようとすることは、暗号を覚えるようなもので、脳は「理解できないもの」と判断するため記憶が定着しにくいです。英単語を覚えるときは、単語だけでなくフレーズごと覚えると効果的です。フレーズを頭に入れることで、記憶に残りやすくなります。
さらに、英語が得意な人ほど、フレーズを日本語になおさず、英語の語順のまま読み解く傾向にあります。覚えたい単語が含まれているフレーズを文字に書いたり、音声CDと合わせて繰り返し声に出したりして、覚えるよう努めましょう。
また、フレーズごと覚えるほうが、単語が登場しやすい文章の傾向も把握できる上、一度に覚えられる語句も多くなるので一石二鳥といえるでしょう。
関連語とセットで覚える
英単語を効率よく暗記するためには、セットで覚えるのがおすすめです。
例えばyesとnoを違うタイミングで覚えようとすると、2つの単語を2回に分けて覚えることになります。しかし、yesとnoをセットで覚えれば、「yesの反対はno」と2つの単語を1回で覚えることができます。
類義語や対義語、活用などをセットで覚えるようにすれば、フレーズ学習と同様に複数の単語を効率よく覚えられます。
辞書には、高確率でそれぞれの単語に類義語や対義語も合わせて記載されていますので、簡単に調べられます。英単語を暗記する際は、はじめに辞書で引いて、関連語も合わせてチェックしておくと良いでしょう。
声に出して耳で聴く
英単語を目で見て覚えるだけでは記憶に定着しづらく、スペルミスの可能性も高くなります。
人間は、実際に口に出したり、耳から聞いたりしたものは頭に残りやすく、記憶も立体的になるため、脳に定着しやすいです。
効率よく覚えるためには口に出して、目と耳を使って暗記するのがおすすめです。通学時など声が出せない場合は、小さい声でつぶやいたり、声を出さずに口を動かしたりするだけでも効果があります。
教科書などから覚えたい単語をピックアップし、CDなどの音声に合わせて2回音読します。音声をよく聞き、発音も正しく合わせることで、実践的な英単語力が身につきます。次は音声なしで2回音読し、発音と意味を把握しながら音読できているか確認しましょう。
この方法を単語ごとに繰り返し行っていくことが大切です。
語根や語源を押さえる
難しい英単語に出会ったら、特徴に注目してみましょう。
単語にはそれぞれ語根や語源があります。例えばaquarium(水族館)や、aquaduct(水路)という単語は、aqua(水)という語根から成り立つ単語です。つまり、語根を知っていれば、一見わからない単語でも、何にまつわるものなのかがイメージできるでしょう。
また、英単語を構成する接頭辞(un~、dis~、in~など)や接尾辞(~ableや~mentなど)を知っていれば、綴りから意味を推察しやすくなります。
また、英単語をただの文字の並びとして捉えるのではなく、「この単語はこういう経緯で生まれた」というヒストリーを知ることで、単語の意味が立体的な記憶となって脳に残りやすくなるでしょう。
使うことで覚える
英単語を覚える際は、見て覚える時間の他に、声に出したり書いたりするなど、動的に取り組む時間も取るようにしましょう。
さまざまな知識は、実際に使うことで記憶に残ります。
ノートなどを使って英単語の書き取りをするのはもちろん、英語の歌を歌ったり、実際に英文を作成したりするなど、覚えた単語を使う機会があると学習は飛躍的に進みます。
英単語を使用するためにも、まずは教科書やワークにある問題をこなしていきましょう。そして問題に取り組む際、英単語がリスト化されたものや、発音記号やカタカナによる発音法が記載されたもの、音声CDなど、単語のスペルや意味だけでなく発音も把握できるものを用意するのがおすすめです。
実際に英単語を使って、楽しみながら効率よく覚えていきましょう。
高校受験の英単語教材

英単語を効率よく覚えるためには、教材選びも大切です。
これまで暗記が苦手だったという受験生も、これらを活用した勉強方法を取り入れるだけで、格段に暗記スピードが上がる可能性があります。
ここからは、高校受験で活用したい英単語教材をご紹介します。
単語帳
単語帳は、必要最低限の英単語を身につけるツールとして必要です。
単語帳は、目標とするレベルに合うものを選びましょう。用例や関連語など、英単語に関する立体的な知識を提供してくれるものだと効率よく暗記を進められます。
複数の単語帳を使うよりも、1つの単語帳を繰り返し使うのがおすすめです。
電子辞書
簡単に英単語を調べることができる電子辞書は、受験生のマストアイテムです。
電子辞書は英単語をその場ですぐに調べられるため、調べる時間を暗記のために割くことができます。また、電子辞書には音声機能もあり、英単語の正しい発音を聴けるのもメリットです。
たくさんの英単語を覚えるためにも、わからない英単語を放置せず、すぐに辞書を引く習慣をつけましょう。
紙の辞書
紙の辞書を使う受験生も少なくありません。紙の辞書には、一度に多くの情報が目に入るというメリットがあります。
電子辞書に比べて英単語を調べる時間はかかりますが、調べるまでの過程や英単語を見つけたときの喜びなども記憶に残るため、英単語の意味を忘れた場合でも記憶を頼りに思い出せることがあります。
特におすすめなのが、英訳つきの国語辞典です。さまざまな英単語の意味を一度に理解できるため、効率よく暗記を進められるでしょう。
学習アプリ
最近は、スマホ用の英単語学習アプリも増えています。
学習アプリはゲーム感覚で進めることができ、楽しみながら覚えられるというメリットがあります。短時間で繰り返し学習できる仕組みのものも多く、スキマ時間を有効活用して暗記に取り組めます。
ただし、スマホが学習の妨げになることがあるので注意が必要です。
学習時間よりもスマホに触れる時間のほうが多くなってしまわないように、時間を決めて取り組むようにしましょう。
学習アプリの品質は玉石混淆なので、事前によく比較検討してから使いましょう。
単語カード
単語カードは、暗記したい英単語を書いてまとめたものです。
ピンポイントで暗記したい英単語を取り出せるだけでなく、自分で英単語を書くため記憶に定着しやすいというメリットもあります。
コンパクトなものを選べば持ち運びやすいため、通学時間や休憩時間といったスキマ時間を有効活用できます。
単語帳よりも手軽に使えるので反復学習の武器にもなるため、ぜひ活用しましょう。
まとめ
高校受験に向けた英語学習は、繰り返し行うことが大切です。
特に英単語は、一度にたくさん覚えるよりも、繰り返し覚えるほうが記憶に定着しやすいといえます。したがって、自己管理が何よりも大切です。
英単語の暗記を習慣にすることが難しい人は、学習塾に通って「絶対にやらなければならない」という環境を作る方法もあります。
明光では、受験生の学習状況を踏まえた指導を行い、受験生一人ひとりに合った学習環境を提供いたします。継続的な暗記学習をはじめ、多角度から英語学習をサポートし、英語力そのものの向上に努めます。英語科目で高得点を目指すなら、ぜひ明光にお問い合わせください。
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