2021.02.27 2023.10.24
大学受験の偏差値はどう見ればいい?正しい見方から上げ方まで
「この大学は偏差値が高いから難しい」「志望大学を目指すために偏差値を上げたい」このような言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか?
偏差値は大学によって異なるため、志望大学を決める際の重要な指標になります。
しかし、「偏差値の具体的な意味や目的がわからない」という人もいるでしょう。偏差値を上げたい人は、まずは偏差値の意味をきちんと理解し、正しい見方を把握することからスタートしましょう。
この記事では偏差値の概要について詳しく解説します。
そもそも偏差値とは何か?概要を知ろう!
偏差値を学力の目安として捉えること自体は正解ですが、そのためには偏差値の意味を正しく理解しておく必要があります。
そもそも、偏差値とはどのようなものなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
偏差値という数字の目的とは?
偏差値とは、対象となる試験の平均点を基準につけられる数字のことです。試験ごとに平均点が異なるため、複数の試験を受けた場合、単純な得点だけでは結果の良し悪しを判別することが難しいのですが、偏差値を用いることで、受験者全体の中でどの位置にいるのかがわかるようになります。
偏差値という数字は、特定の試験結果において相対的な位置を知ることを目的に算出されます。
偏差値の平均はどれくらい?
偏差値の平均は50です。テストで平均点を取った場合、偏差値が50になります。
試験ごとに平均点は異なるので、偏差値50に相当する点数は異なります。
例えば、2つの試験の点数がどちらも70点だったとしても、1つは偏差値60、もう1つは偏差値45になることがあるのです。この場合、偏差値60だった試験の平均点は70点よりも低く、偏差値45だった試験の平均点は70点よりも高かったことになります。
偏差値は平均点より高い点数を取れば50を超え、平均点より低い点数を取れば50未満になります。
偏差値の数字が持つ意味について
偏差値を見ると、その試験で上位何%に入っていたのかもわかります。偏差値60は上位15.87%であり、受験者が1,000人の場合の順位は158.7位になります。偏差値45の場合は上位69.15%なので、受験者1,000人の順位は691.5位です。
偏差値は、模試などで現在の学力や志望大学に合格する確率を知るために有効活用できます。
極端な偏差値が出る場合
母集団が小さく、受験者の点数が偏ると、偏差値10以下や偏差値100以上といった極端な数値が出ることがあります。
偏差値は、ある程度の受験人数があってはじめて有効に機能します。受験人数があまりに少ない試験や模試では、平均点が極端な数値になりやすいため、算出される偏差値が参考にならないことがあるので注意しましょう。
生徒に関係がある偏差値の種類と意味について
偏差値はさまざまな模試や試験で使われますが、受験した試験が何かによって偏差値の種類や意味は大きく変わります。
大学受験を控える生徒に直接関係があるのは、全国模試、大学・学部別模試、高校のテストの偏差値です。
ここからは、それぞれの偏差値の種類や意味について解説します。
全国模試の偏差値
全国模試は、その名のとおり全国規模で行われる模試です。主には予備校が主催する模試が該当します。
受験人数が多い(母集団が大きい)ため、大学受験を控える受験生全体の中で現在のレベル(偏差値)を知ることができます。
全国模試は最も一般的な尺度で偏差値を知ることができますが、試験問題には志望大学の出題傾向などが反映されないため、全国模試の偏差値が高くても、志望大学の受験で有利になるとは限りません。あわせて志望大学の出題形式・傾向の対策が必要です。
大学・学部別模試の偏差値
大学・学部別模試とは、大学や学部ごとの特色や入試内容に合わせて作成された模試のことで、一般的に志望者のみが受けることができます。
そのため、全国模試が現在の大学受験生全員の中での偏差値を把握できるのに対し、大学・学部別模試では志望者の中における偏差値を知ることができます。
大学・学部別模試は、実際にその志望大学を受けようとしている受験生が受けるものなので、大学入試とほとんど同じ状況であり、算出される偏差値は志望大学への合格率に直結します。
すべての大学に対して模試があるわけではなく、主に難関大学に対して用意されています。
高校のテストでの偏差値
高校のテストは模試とは異なり、受験生が通う高校の中で行われるものなので、その高校内でのレベルや順位がわかります。高校のテストは、主に学校が独自に行う判定や指導に利用されます。
高校のテストは、全国模試や大学・学部別模試のように大学の偏差値と直接比較することはできません。高校のテストにおける偏差値が高くても、全国模試や大学・学部別模試では偏差値が50以下となるケースもあります。
高校のテストでの偏差値だけを志望大学選びの指針にしてしまわないように注意しましょう。必ず全国模試を受験して偏差値を算出するようにしてください。
大学受験に関する偏差値について
偏差値は、大学受験で志望大学を決める際の指標として役立ちます。
公表されている大学ごとの偏差値を参考に受験勉強を進めている人も多いと思いますが、大学受験において偏差値は実際にどのように活用すればよいのでしょうか。
塾や予備校などが公表する大学の偏差値とは?
塾や予備校などでは「〇〇大学は偏差値60」など、大学ごとに偏差値が公表されていますよね。これは大学側が公表したものではなく、その大学の合格者が模試で獲得した点数から算出した偏差値の平均です。
偏差値60と公表されている場合は、「偏差値60以上の受験生の50%が合格する」ことを表しており、その偏差値に達していれば必ず合格するという意味ではないのです。あくまで合格の目安として捉えるようにしましょう。
※予備校によっては、合格率を60%や80%としているものもありますので注意しましょう。
どのくらいの偏差値があれば安心なのか?
志望大学に合格するために、どのくらいの偏差値が必要かわからない人も多いでしょう。偏差値はあくまで目安であり、「絶対に合格できない」あるいは「絶対に合格できる」ことを保証するものではありません。
とはいえ志望大学の合格可能性評価では、偏差値に応じてA~Eの判定があり、A判定をもらえれば合格する可能性が高いと判定されたことになります。大学ごとの偏差値よりも自分の偏差値が5以上高ければA判定となることが多く、安心できる1つの目安になるでしょう。
あくまでも目安として考え、判定が良くても悪くても一喜一憂せず、苦手な単元はどこかよく分析し、これからの学習につながるようにしていきましょう。
偏差値が足りない大学は無理?
「志望大学合格には偏差値が足りない」と言われることがあります。確かに偏差値が足りない場合は合格する確率が低いですが、0ではありません。実際、偏差値が10以上低くても合格した事例があります。
偏差値はあくまで目安なので、結果は実際に受験してみないとわかりません。受験生の中には「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」の精神で臨む人もいるでしょう。しかし、志望大学に合格する確率を上げたい場合は、やはり偏差値を上げて志望大学の偏差値に近づく必要があります。
偏差値はどのくらい上げられる?
偏差値を上げるために日々勉強に励む受験生も多いと思いますが、偏差値は実際にどのくらい上げられるものなのでしょうか。偏差値を上げる方法も併せてご紹介します。
偏差値を上げたいなら苦手科目の克服が早道
偏差値を上げたい場合は、まずは苦手科目を克服することが大切です。
例えば、得意科目の偏差値を60から70に上げるなど、ある程度高い偏差値をさらに上げるとなるとかなり難しいです。すでにある程度理解していることをより深く理解しなければならず、基礎の抜け漏れをなくすだけでなく、応用・発展問題の正答率も上げる必要があります。
一方、偏差値を30から60に上げるのは比較的簡単です。勉強不足の箇所など、取りこぼしていたものを確実に拾っていけば、自然と点数や偏差値は上がります。
模試の結果を見直し、苦手な単元・分野を重点的に復習することが大切です。
偏差値を上げるためには、すでに理解している部分の精度を高めることも大切ですが、理解できていなかった部分を理解するほうが早道だと言えます。
偏差値を上げるには具体的にどうすべきか?
偏差値を上げるために苦手科目を克服する場合は、まずはどの科目が苦手なのかを把握しなければなりません。苦手科目を見つけたら、苦手単元・分野を明らかにして、基礎からしっかり勉強をやり直しましょう。
手っ取り早く苦手科目を克服したいからといって、いきなり応用・発展問題に取り組むのは逆効果です。基礎からじっくり取り組んで、わからないところや苦手意識を克服していくことが重要です。
このような地道な取り組みが、偏差値を大きく上げるコツです。
偏差値上げは時間との競争
偏差値を上げるためには地道な勉強が必要ですが、時間は限られています。なるべく早く苦手科目を克服するために、勉強に集中できる時間と環境を確保することも大切です。
集中して勉強する習慣がついていなかったり、勉強環境が整っていなかったりすると、効率的な勉強ができず、偏差値が思うように上がりません。成果が出ないと、モチベーションも下がってしまいます。
自力で勉強に適した環境を整えられない人は、塾や予備校に通ったり、個別指導を受けたりするなど、効率的に学習する方法を検討しましょう。
大学受験における偏差値はどのくらい気にすべき?
大学受験には偏差値が大きく影響するのは確かですが、偏差値ばかり気にしていては、実りある大学受験はできません。
ここからは、大学受験における偏差値の捉え方についてご紹介します。
偏差値はあくまで目安として捉えよう
先ほどもご説明したように、偏差値は塾や予備校の模試を受けた受験生の点数から算出された数値であり、あくまで目安に過ぎません。
また、全国模試は、志望大学の出題傾向などは反映されていないので、必ずしも公表された偏差値を超えていないと合格できないわけではありません。
偏差値を意識することは大切ですが、あくまで目安と捉えて受験勉強に取り組むようにしましょう。
偏差値が高い大学がいい大学とは限らない
偏差値が高い大学が、自分にとって必ずしもいい大学であるとは限らないことに注意が必要です。
確かに偏差値が高い大学には優秀な人が集まる傾向がありますが、学力以外の大学の魅力は偏差値には現れません。
自分の学びたいカリキュラムや自分に合った学部がある大学は、偏差値以上の価値があります。
偏差値に加えて、大学の特徴も加味して志望校を選ぶようにしましょう。
入試の多様化
大学入試の多様化が進み、総合型・学校推薦型では学力を問われる試験が必須になりました。また、一般選抜でも調査書の活用が広がるなど、多面的に受験者を評価するようになっています。
これからの入試では、学力(偏差値)・人物評価(調査書・志望理由など)、どちらも重要になっていきます。
やりたいことより偏差値を重視すべきではない
「偏差値が高い大学に行きたい」という気持ちはわかりますが、志望大学を選ぶ際は、やりたいことや、どのような大学生活を送りたいかを考えることも重要です。
得意な科目や問題が出るということは、大学側はその問題を解くのが得意な学生を欲しいと思っている、また、入学後に必要な知識であるということです。
偏差値の高さだけで大学・学部を決めるのではなく、好みや個性を活かせる大学・学部を見つけることで、入学後も実りある大学生活が送れるでしょう。
まとめ
偏差値はすべての受験生の中における学力を知るための指標ですが、意味を正しく理解していないと受験勉強にいかすことができません。強みや個性をいかせる大学を見つけて、効率的に勉強することで偏差値を上げていく取り組みも重要です。
しかし、受験生の中には自分に合う大学や勉強方法がなかなか見つからないという人もいるでしょう。
そんな時は、塾を活用することをおすすめします。
塾では、受験生それぞれに合ったサポートを受けられます。効率よく偏差値を上げたい人や自分に合う大学が見つからない人は、塾の利用を検討するとよいでしょう。
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