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2018.12.03      2023.10.06

勉強中の間食にまだ「甘いもの」を食べていませんか? 実は集中力キープのためには○○が必須だった!

編集担当

勉強や部活を頑張るお子さんが自らのパフォーマンスを最大限に発揮するためには、食事によるサポートが不可欠。では、一体どんな食事を用意してあげればいいのでしょう。
入社後に佐賀栄養製品研究所で日々研究を行い、現在はそこで得た知見・知識を活かし、学術情報の発信を通して啓発活動を行っている大塚製薬株式会社ニュートラシューティカルズ事業部ソーシャルヘルス・リレーション部の只野健太郎さんにうかがいました。

勉強中の間食にまだ「甘いもの」を食べていませんか? 実は集中力キープのためには○○が必須だった!

その1. 受験生が間食に食べているのは○○が1位だけれど...

編集担当

勉強を頑張る子どもたちにはどんな間食を用意してあげればいいのかと思い、大塚製薬さんが実施したアンケートの結果を見てみました。受験生が勉強中の間食や夜食に食べているものを聞いた結果は、1位はチョコレート、2位にガムや飴、3位にアイス、と糖分の多い嗜好品が続いています。
糖分が不足すると、脳の働きが低下し集中力や計算力が落ちると聞いたことがありますが、やっぱり脳を活性化させるには糖分が必要ということなんでしょうか?

17~19歳の学生800人に対するLINE調査(実施期間:2018/6/20-6/21)

17~19歳の学生800人に対するLINE調査(実施期間:2018/6/20-6/21)

只野さん

ちょっと待ってください。私たちが実施した朝食を食べる場合と、食べない場合、また何を食べるかによって身体にどんな影響があるのかについて調べた調査結果を見てください!

出典:樋口ら、日本臨床栄養学会雑誌、29:35-43、2007

出典:樋口ら、日本臨床栄養学会雑誌、29:35-43、2007

朝食に「洋風パン食」「栄養調整食品(固形タイプ)」「おにぎり(具なし)」「無摂取(水のみ)」を食べた人の知的作業への集中度について、VAS法(※1)で調べました。
その結果、糖質を多く含む「おにぎり(具なし)」だけを食べた人の集中度は、水のみで何も食べなかった人と同じくらいです。一方で、栄養バランスのとれた「洋風パン食」を食べた人は朝食を食べてから30分間で集中力が向上。その後、高い値を維持しながら、少しずつ低下していきました。栄養調整食品(固形タイプ)のグループも洋風パン食のグループと同じく、高い集中力を維持することができたんです。

一般的に、脳を働かせるためには"糖質"が重要だと言われていますが、糖質だけの「おにぎり(具なし)」ではパフォーマンスが上がらなかったんです。

編集担当

なるほど......脳を働かせるには、糖質だけではだめということですよね。そして食事の内容によって集中力に大きな違いが生まれることがわかりました。この違いはいったいどこから生まれるのでしょうか。

只野さん

はい、もしかすると、食事の質(栄養バランス)が関係しているのでは?! と思い、我々はこの疑問を解明するために、東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授と一緒に「朝食の質が認知機能に及ぼす影響」について脳科学の分野から検討しました。

出典:Nutritional Quality of Breakfast Affects Cognitive Function: An fMRI Study, neuroscience & medicine; 2, 192-197, 2011

出典:Nutritional Quality of Breakfast Affects Cognitive Function: An fMRI Study, neuroscience & medicine; 2, 192-197, 2011

朝食の質の違いと脳の働きの関係を調べるために、朝食として、栄養調整食品(流動タイプ)、糖液、水の3種類の飲み物を用意。
普段から朝食を食べている健康な大学生6名に、暗算や簡単な記憶テストなどの知的作業を、朝食前、朝食後30分、90分、180分の4回行い、その際の脳活動をfMRI(※2)により計測しました。

その結果、糖液と、栄養調整食品(流動タイプ)を摂取した場合を比べてみると、後者の方が前頭前野が活発に働いていることがわかりました。前頭前野は能動的な注意や意思、意欲に関わる領域で、この領域の活動低下は慢性疲労と関係があるといわれています。

このように脳科学の研究からも、脳の活発化のためには、"糖質"だけではなく、"バランスの良い栄養素"の摂取がより重要であることが明らかになりました。

※1 VAS(Visual analog scale)法とは
VAS法とは、両端に対照的な項目を記載した10cmの横線に、被験者が感じ方の程度に応じて縦線を書き込み、左端からの長さを測定することで、主観を数値化する方法です。そのためグラフの縦軸の単位はcmで表しています。

※2 fMRIとは
磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging; MRI)を用いて、脳活動に伴う神経代謝や脳血流量の変化を間接的に測定する方法です。

その2. 1日のトータルではなく、毎食の栄養バランスのいい食事を

只野さん

上記のエビデンスは朝食によるものですが、ランチや夕ご飯、間食などにも応用できる結果だと思います。

編集担当

栄養バランスって1日の中で調整して摂ればいいというわけではないのですか? 例えば、食欲があまりない朝はフルーツ、がっつり食べたいお昼はお肉をたっぷり、夜はカロリーを控えるために野菜を中心にするとか...。

只野さん

栄養面だけで言えば、それでも構いませんが、受験生のように、しっかり集中し結果を出したい場合には、3食ともに栄養バランスの取れた食事をすることが望ましいです。

只野さん 五大栄養素

朝から元気に活動するためには、エネルギーの素になる糖質や脂質が必要なことは分かりますよね?しかし、身体をつくると言われているタンパク質を摂取することも大切なんです。タンパク質を摂ることで、体温があがり、身体も脳もウォームアップができてより活動的に過ごすことができます。ビタミンやミネラルも毎食摂取した方がいいでしょう。育ち盛りのお子さんたちに、これらの栄養は不足しがちなんです。
ですから、間食も貴重な栄養摂取の機会ととらえ、できるだけ栄養バランスの良い食品を摂ってほしいですね。

その3. 理想のバランスは3:1:2

編集担当

糖質に、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルが5大栄養素だということはわかりました。でも、毎日バランスのとれた食事を用意するのは難しいですよね。何かヒントはありますか?

只野さん

主食:主菜:副菜を 3:1:2 の割合で用意してみてください。お弁当をそれくらいの割合で仕切って詰めることを考えると、分かりやすいと思います。 主食はご飯でもパンでもかまいません。主菜は肉や魚、副菜は野菜や芋、きのこ類です。毎回ゼロから用意しなくても、例えば昨日の晩ご飯の残り物を次の日の副菜として活用するのも良いでしょう。難しく考えなくて大丈夫ですよ!
そうはいっても、限られた時間の中で、バランスのとれた食事を用意するのが難しいと感じる日は「栄養調整食品」に頼ってみても良いかもしれません。特に、5大栄養素がしっかり含まれているものなら、1日のスタートを助ける朝食には適しています。手軽に食べられますので、ぜひ活用してみてください。

※この記事は大塚製薬株式会社の協力で制作しました。

只野健太郎(ただのけんたろう)

PROFILE

只野健太郎(ただのけんたろう)

大塚製薬株式会社
ニューラシューティカルズ事業部
ソーシャルヘルス・リレーション部

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