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2018.04.25      2023.10.10

毎日の料理が楽になる! 冷凍庫活用術

毎日の食事作りは、手早くラクにしたいもの。経済的であることも大切ですよね。実はそれ、冷凍庫を上手に活用することで叶えることができるんです。冷蔵庫収納家の福田かずみ先生に教えてもらいました!

生鮮食品は冷凍保存することで「ちょっとづかい」がしやすくなり、薬味を準備したり、お弁当のおかずを用意したりするのが格段にラクになります。また上手に冷凍保存をすることは食材ロスを減らして家計を助けることにもつながりますよ。
でも、冷凍すると美味しくなくなるから......と感じている方も多いと思います。確かにその通りで、解凍後は新鮮な時とは違う食感になってしまいます。なので、特に野菜スープやあんかけなど、加熱する調理に向いています。
その他、冷凍によるデメリットをできるだけ補うための冷凍術を紹介します。毎日の食事やお弁当づくりの参考にしてくださいね。

毎日の料理が楽になる! 冷凍庫活用術

その1. まずは整理整頓! 見やすく管理しやすい冷凍庫で食品ロスをなくし、調理をスムーズに

その1. まずは整理整頓! 見やすく管理しやすい冷凍庫で食品ロスをなくし、調理をスムーズに

冷凍庫は、開けた瞬間に何がどこにあるのか把握できる状態にすることが理想。なぜなら冷凍庫は冷蔵庫以上に扉を開けている時間を短くしたいため、隅々まで眺めるということができず、入っているものを記憶しづらいからです。入れたはずのものを忘れてしまったり、細々したものが行方不明になってしまったりしないよう、(1)食品は保存容器か袋に入れる、(2)物を重ねて収納する場合は、引き出しタイプは上下2段まで(扉タイプは奥行き2列まで)を徹底することが冷凍庫をスッキリさせるポイントです。
ここでは、引き出しタイプの冷凍庫を例に収納方法の説明をします。

基本はできるだけ立てて置くこと

食品は形にあわせて3つに大別し、ゾーンを決めて収納していきます。

基本はできるだけ立てて置くこと

A. 平たいトレーに入っているタイプの市販の冷凍食品(シュウマイ、パスタ、お弁当の副菜シリーズなど)は、ブックスタンドを使用して立てて収納します。自家製の冷凍食品などは底の浅い保存容器を使用してください。

A. 平たいトレーに入っているタイプの市販の冷凍食品(シュウマイ、パスタ、お弁当の副菜シリーズなど)は、ブックスタンドを使用して立てて収納します。自家製の冷凍食品などは底の浅い保存容器を使用してください。

B. 袋物の冷凍食品(ミックスベジタブルや枝豆など)は、少しずつ使うことが多いため中が見える深めの保存容器に入れて収納しましょう。使用する保存容器は、2段重ねにちょうどよいくらいの冷凍室の高さに合うものを選んでください。

B. 袋物の冷凍食品(ミックスベジタブルや枝豆など)は、少しずつ使うことが多いため中が見える深めの保存容器に入れて収納しましょう。使用する保存容器は、2段重ねにちょうどよいくらいの冷凍室の高さに合うものを選んでください。

C. 大きさがランダムなもの(肉まん、からあげの大袋、もち、パンなど)は、ジッパー付きの袋などに入れて一区画にまとめましょう。こちらもブックスタンドを使用すると広がらず整理がしやすくなります。

C. 大きさがランダムなもの(肉まん、からあげの大袋、もち、パンなど)は、ジッパー付きの袋などに入れて一区画にまとめましょう。こちらもブックスタンドを使用すると広がらず整理がしやすくなります。

使いかけの冷凍食品が散らかってしまう方は、残りもの専用ゾーンにまとめて収納し、見失わないようにしましょう。

使いかけの冷凍食品が散らかってしまう方は、残りもの専用ゾーンにまとめて収納し、見失わないようにしましょう。

棒アイスなどは箱から出して、野菜室用の整理ボックスなどを使ったり、量が少なくなったものはジッパー付きの袋に移して細長くして立てることで効率的に収納することができます。

棒アイスなどは箱から出して、野菜室用の整理ボックスなどを使ったり、量が少なくなったものはジッパー付きの袋に移して細長くして立てることで効率的に収納することができます。

食品がなくなり空になった容器は、冷凍庫から出して保存するのではなく、洗って次に使うまで冷凍庫内定位置に収納しておくと、食品の収納場所が定まり、管理がしやすくなります。

「冷凍している」と思うと安心して、何が入っているのかつい忘れてしまいがち。気がつけば何カ月も放置してしまい、結局は食品ロスになってしまうこともあります。冷凍したからといって賞味期限が無限に伸びるわけではないので、少なくとも1カ月ごとには中を点検して食品を食べきる習慣をつけてください。
冷凍庫に細々としたものが増えてきたと感じたら、冷凍庫一掃レシピにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。買い物に行かず、冷凍庫にあるものだけで一食作り切るチャレンジです。やってみると達成感があって楽しいですよ。

保冷剤は一定量を超えたら捨てる!

ケーキなどを購入した際に付いてくる保冷剤。何かと便利なのでついストックが増えてしまいますが、一定量を超えたらそれ以上のものは処分しましょう。ストックがどのくらいあるのかを把握するために保管はボックスを使い、保冷剤が冷凍庫の中に散らばらないようにします。アイスキャンディーが入っていた箱を活用するのがおすすめです。

その2. 技あり冷凍術

最近の冷蔵庫には、アルミのトレーが設置されている冷凍室がある場合があります。
アルミは、金属の中でも熱伝導率が高く、食材を急速に凍らせることができるので、ここは「新しく冷凍したい食材を凍らせるためのスペース」になります。このようなスペースがない冷凍室の場合は、同じようなトレーを用意してみてください。アルミ製のトレーは高価なので、手軽に活用してみたい方はステンレス製でもOKです(100円ショップなどで購入できます)。
この時、トレーを2枚使って食材を挟むとさらに素早く凍らせることができ、冷凍時のダメージを軽減することができます。そして、冷凍された食材は【その1】で整理した収納場所に移します。

その2. 技あり冷凍術

肉類の冷凍方法

肉類は、生のまま冷凍するよりも加熱するなど一度手を加えてから冷凍した方が、解凍時に出るドリップが少なくなります。
もし生のまま冷凍するときは、トレーから出し、軽く酒を振ってポリ袋に入れ、それからジッパー付きの袋にしまいます。このときできるだけ平らになるよう形を整え、凍った後は立てて保管すると管理がラクになります。

からあげは下味をつけてから保存するのがおすすめ。調味液ごと冷凍することで味がしみ込みやすくなり、パサつきを抑えることができます。前日に冷蔵室に移しておけば、朝は小麦粉や片栗粉をつけて揚げるだけなので、お弁当に便利です。
ハンバーグは普通の肉よりも冷凍保存によるダメージが少なく、美味しくいただけます。つくるときは、数日分ストックするつもりで作るといいでしょう。このとき、夕食などに使う大判のものとお弁当に使える小さなものを分けて仕込んでおくと便利です。夏場は、そのままお弁当箱へ入れれば保冷剤代わりにもなります。

肉類の冷凍方法

ごはんの冷凍方法

冷凍保存をする回数が多いごはんは、冷蔵室の卵のように定位置を決めて収納するのがベスト。ラップで包んでから、平たい蓋付きの保存容器に入れるのも手ですが、出し入れが多い場合は、CDケースのようなボックスを利用して、前から出し、奥から入れることをルールにすると常に新しいものが手前にストックされるようになります。

薬味の冷凍方法

しょうがや大根はすりおろし、小ねぎは小口切り、にんにくは皮をむいて(刻んでもOK)から、ポリ袋に入れます。それから「新しく入れるものを凍らせるスペース」で冷えているトレーの上に袋ごと広げ、もう1枚のトレーで挟んで冷凍します。凍ったところで手でほぐしてパラパラにしておくか、適量に折ってから袋ごと容器に入れて保存します。

薬味の冷凍方法
薬味の冷凍方法
薬味の冷凍方法
薬味の冷凍方法
薬味の冷凍方法

袋の口は短くカットし、ねじってから蓋を閉めるとスッキリします。

薬味は各々小さな保存容器にしまい、さらに収納しやすいケースに入れておくと見失うことがありません。

薬味は各々小さな保存容器にしまい、さらに収納しやすいケースに入れておくと見失うことがありません。

ラップよりポリ袋がノンストレス

解凍時、電子レンジによる加熱が必要ない場合はラップよりもポリ袋を使って保存をするのがおすすめ。調理中の作業がはるかにラクで、ストレスなく続けられます。

その3. おすすめ自家製冷凍食品

下ごしらえをした食材を自家製冷凍食品として保存しておけば、日々の料理がスピードアップします。自家製冷凍食品は何かの「ついで」に作るのがおすすめ。ストックをたくさんつくることばかりを考えると疲れてしまうので、できる範囲でやってみてはいかがでしょうか。

調理済のおかず

きんぴらやひじきの煮物、かぼちゃの煮つけなどは、カップに取り分けて冷凍しておくとお弁当づくりがラクになります。市販のものよりも量の工夫がしやすいのがメリット。

調理済のおかず

魚介類

しらすや桜えびなどは少量あまったものがロスとなりがちですが、冷凍しておけば適宜使用していくことができます。しらすは冷凍庫のニオイが移りやすいので必ず加熱して水分を飛ばしてから使うようにしましょう。

野菜類

スープの中に入れるなど加熱する前提であれば、想像以上に多様な食品を保存することができます。

【生のまま保存できる野菜の例】
セロリ、かぼちゃ、小松菜、にんじん、ブロッコリー、里芋、ごぼう、トマト、しいたけやしめじなどのきのこ類

冷凍野菜の下ごしらえの例】
●ほうれんそう...茹でてアク抜きをしてから冷凍する
●小松菜...食べやすい長さに切り、生のまま冷凍
●人参...千切りにし、生のまま冷凍
●じゃがいも...加熱して、マッシュポテトにして冷凍
●レモン...輪切りにしてから保管しておく。そのままお酒に入れることも可
●ごぼう...ささがきにしてそのまま冷凍
●里芋...洗って皮をむき、適当な大きさに切ってから冷凍
下ごしらえをしたら、ポリ袋に入れなるべく空気を抜いて、金属製のトレーにのせ急速冷凍してください。保管するときは、さらにジッパー付きの保存袋に入れてください。

【冷凍保存がNGの野菜】
レタス類。特にサニーレタスなど、生で食したい場合は向いていません。解凍後、加熱できる野菜を目安に冷凍保存をしましょう。

油揚げも冷凍できるので、野菜やきのこなどあらかじめお味噌汁の具をカットして、1回分ずつまとめて冷凍しておくと便利です。使う時は、凍ったままお出汁で煮るだけ。「味噌汁キット」を作っておけば、朝食の準備もラクになりますね!

野菜類
先生からのメッセージ

冷蔵庫は暮らしを映し出す鏡。中をチェックすることは、生活を見直すいい機会になります。そして、冷凍室の使い方は食生活を大きく左右します。調理はまとめて、使う時は少しずつ。忙しい暮らしを助けてくれるはずです。優先順位をつけて限られたスペースを有効に使ってください。

冷蔵庫収納家 福田 かずみ(ふくだ かずみ)

取材協力

冷蔵庫収納家 福田 かずみ(ふくだ かずみ)

料理研究家フルタニマサエ氏のもとで料理教室や撮影のアシスタントなどを経験。全国料理学校協会の認定講師となる。 冷蔵庫整理収納術を考案しWEBサイト「美人冷蔵庫LIFE」を立ち上げて以降、雑誌・テレビなどへの出演も多い。 食品ロスを減らすための啓蒙活動を行いながら、2018年現在、高校生と大学生の2人の子どもを育てている。

■ホームページ【美人冷蔵庫LIFE】 http://reizouko-club.com/

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