2024.11.27     

炎色反応の仕組みと利用方法をやさしく解説!語呂合わせでの覚え方も紹介

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本記事のテーマは炎色反応についてです。主に中学の化学の応用や高校の化学基礎で学習します。

炎色反応と一口に言っても、それぞれの金属にそれぞれ違う色の炎の反応が出るため覚えにくく苦手意識を持つ方や、反応の色は覚えたけれど仕組みはよくわからないといった方がいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、炎色反応の仕組みについて解説し、なぜ炎色反応が重要なのかと語呂合わせでの覚え方についても紹介します。

炎色反応とは?

炎色反応は金属イオンに炎をあてることで炎の色が変わる現象で、色は元素ごとに異なります。身近な例で言うと、花火がこの炎色反応を利用しています。花火は着色剤に化合物を使うことでさまざまな色を出しています。


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炎色反応を示すのはアルカリ金属、アルカリ土類金属、銅です。なお、Be(ベリリウム)とMg(マグネシウム)を除いた第2族に属する元素(2族元素)をアルカリ土類金属と言います。Be、Mgは性質が異なるため炎色反応を示しません。

炎色反応の仕組み

そもそも、金属は原子の集まりで、原子は中心にある原子核とその周りを回っている電子でできています。

原子核の周りには、「電子殻」という電子の存在する層が複数あり、内側からK殻、L殻、M殻、、、と続きます。それぞれの殻には、さらに電子軌道(s軌道、p軌道、d軌道、、、)があり、電子はそれぞれの軌道に分かれて存在しています。

金属イオンに熱を加えると、電子は熱のエネルギーを吸収し、外側の軌道に移ります。エネルギーが高くなって激しく運動できるようになり中心の原子核から離れるイメージです。

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この状態はとても不安定で、電子は元の安定した状態に戻ろうとし、内側の軌道にすぐ戻ります。その際に電子が元々吸収した熱エネルギーを光として放出することで、炎色反応が起こります。

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この不安定な状態と安定な状態のエネルギー差が原子によって異なるため、炎色反応で出る色も原子によって異なってきます。

炎色反応を起こす元素一覧と語呂合わせでの覚え方

炎色反応で覚えておくべき原子と色はこれだけです。


Li (リチウム) Na (ナトリウム) K (カリウム) Cu (銅) Ba (バリウム) Ca (カルシウム) Sr (ストロンチウム)
青緑 黄緑

語呂合わせとしてはこのように覚えるといいでしょう。


リアカー 無き K村 動力に 馬力 借りようと するもくれない
Li 赤 Na 黄 K 紫 Cu 緑 Ba 緑 Ca 橙 Sr 紅

橙は橙赤色(とうせきしょく)のように「とう」と読むので「Caりよう橙」「借りようと」と覚えましょう。

また、CuとBaの緑の違いが問われることはあまりありませんが、銅は青銅があるように青のイメージで覚えておきましょう。

炎色反応の利用

炎色反応で理解しておくべきことは未知の物質に含まれる元素がわかるということです。「ある試料を溶かした水溶液をスプレーで炎にあてたところ紅色に光った」という場合にはSrが含まれていることがわかります。

このように炎色反応の色によって含まれる元素がわかったり、逆に炎色反応を示さなかったという場合にはLi, Na, K, Cu, Ba, Ca, Srの元素は含まれていないということがわかったりするので、炎色反応は元素の特定には非常に重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、炎色反応の説明と覚え方の語呂合わせについて解説しました。 炎色反応はその種類を覚えるだけでなく、未知の元素を特定するうえでも重要になる性質です。

まずは炎色反応の仕組みを理解し、今回紹介した語呂合わせを活用して覚え、自分のものにしましょう。

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