2025.07.01
模試の勉強法とは?模試の成績の上げ方・年代別の受験への活かし方を紹介

模試は志望校合格のための“羅針盤”とも言える存在です。しかし、「模試って結局どう活用したらいいの?」「成績がなかなか伸びない…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、模試のメリットや目的を解説しながら、模試で成績を上げるための具体的な勉強法と復習のコツを紹介します。高校生・中学生・小学生それぞれに向けた模試活用法もまとめています。
もくじ
模試を活用する3つのメリット
模試を受験の勉強法の一環として取り入れることは、次の3つのメリットがあります。
1. 現在の実力を客観的に把握できる
模試を受ける大きなメリットは、「全受験生」の中での自分の実力がどの程度か分かる点にあります。学校のテストでは学校内の順位が分かっても、全国の受験生と比べたときの自分のレベルまでは分かりません。
多くの模試では志望校ごとの合格判定も出るため、同じ志望校を考えている受験生の中で自分がどの位置にいるのかを把握できます。
2.苦手分野を洗い出せる
出題範囲が広い模試では、定期テストのような暗記頼りの学習では通用しません。その分、苦手な単元・分野が明確になります。
例えば、「自分は英語が苦手だ」と思っていても、模試を受けてみると数学に課題が見つかった、ということが起こります。
そのため模試を受けたときは、判定結果に一喜一憂するのではなく、「今、何ができていないのか」を見極めることが重要です。
模試を受けて自分の苦手分野を洗い出すことで、今後の勉強方針が具体的に決められます。
3.入試本番の場慣れができる
模試の大きなメリットの一つは、本番さながらの試験環境を体験できることです。普段の定期テストとは異なり、慣れていない環境で知らない受験生に囲まれた空間で問題に向き合うことで、入試本番の緊張感に徐々に慣れていけます。
何度か模試を受けておくことで、落ち着いて解答する力や時間配分の感覚も自然と身につきます。こうした場慣れが、当日の実力発揮を支える大きな要素になるのです。
模試対策の勉強をする意味
「模試のための」勉強をするメリットについて3つのポイントで紹介します。
1. 入試レベルの問題に触れられる
模試の問題は、入試の出題傾向を意識して作られており、出題範囲も広めに設定されています。そのため、普段の定期テストでは経験できない“実戦力”が問われ、応用力や総合的な理解力を鍛えることができます。
2. 総復習のきっかけになる
模試前には、これまで学習してきた単元を一通り復習する機会が生まれます。過去の苦手分野を再確認したり、抜け落ちた知識を補ったりするには最適のタイミングです。模試は自然と学習の全体像を見直す機会にもなります。
3. 勉強のペースメーカーになる
模試の日程に合わせて勉強計画を立てることで、勉強にメリハリが生まれます。「次の模試までに○○を復習しよう」といった具体的な目標を設定することで、学習リズムの確立やモチベーション維持にもつながります。
模試の成績を上げるための勉強法

模試の成績を上げるための勉強法を3つのポイントで具体的に紹介します。
1. 直前は「新しいこと」より「復習」を重視
模試直前に焦って新しい内容に手を出すよりも、これまでに学んだ範囲の確認と定着を優先しましょう。忘れていた知識を取り戻したり、以前つまずいた問題を再確認したりすることが得点力の向上に直結します。
2. 過去問や同形式問題で演習する
出題傾向や問題形式に慣れるためには、過去問や類似問題の演習が効果的です。時間を測りながら解くことで、本番さながらの緊張感も体験できます。特に時間配分の感覚を養ううえで有効です。
3. 前日でも間に合うのは単語や公式の暗記
社会・理科・英単語などの暗記系分野は、短期間でも成果が出やすいので、模試前日の学習として有効です。直前に詰め込むことで、1点でも多く得点するチャンスが広がります。
【高校生向け】模試の活用法と勉強のコツ
いつから模試を受けるべき?
高校1年生の段階から模試を経験しておくと、受験に対する意識づけになります。全国模試を通じて客観的な立ち位置を知ることで、「自分に足りないもの」が早く見えてきます。高2までに模試に慣れておくと、高3での成績アップにもつながりやすくなります。
高校生の模試の受験頻度の目安
模試を受けると丸一日かかることもあり、振り返りも大変です。下記の目安で受けていきましょう。
・マーク式の模試:年間3〜4回
・記述模試:高3の夏以降に月1回程度
ただし、受けるだけで満足してしまっては意味がありません。模試の活用は「受ける」より「振り返る」ことが肝心です。
高校生の模試対策ポイント
大学受験で活用される模試は大きく分けて「マーク式」と「記述式」の2種類があります。マーク式模試は主に共通テストや私立大学入試向け、記述式模試は国公立大学の個別試験に対応しています。それぞれ出題傾向や解き方のコツが異なるため、自分の志望校に合った模試を計画的に受験しましょう。
また、返ってきた模試は必ず復習し、今後の学習のためにフル活用しましょう。模試は受けること以上に、受け終わったあとの復習が重要です。
間違った問題はもちろん、正解した問題も「なぜ正解・不正解だったのか」「たまたまではないか」など、解答した根拠を振り返りましょう。
できなかった問題はすぐに復習し、時間配分も踏まえて今後の勉強に活かすことが大切です。
その際、間違えた問題はノートにまとめて「復習ノート」を作ることがおすすめです。
【中学生向け】模試の活用法と勉強のコツ
いつから模試を受けるべき?
中学生も模試を受けられますが、本格的に活用し始めるのは中学3年生の夏以降が一般的です。この頃には学習範囲の大半を終えており、実力を測るのに適した時期です。また、受験者数が増える夏以降の模試は判定の信頼性も高まります。
とはいえ、1・2年生のうちから模試を経験しておくことも効果的です。結果に一喜一憂する必要はなく、あくまで試験慣れと弱点の発見を目的に取り組みましょう。
中学生の模試の受験頻度の目安
中3では最低でも模試を2回、可能であれば8月と12月に1回ずつ受けるのが理想です。8月の結果をもとに秋の学習計画を立て、12月の模試を最終チェックとして位置付けることで、入試本番に向けた調整がしやすくなります。
難関校を目指す場合は、3年生の後半に月1回のペースで模試を活用するのもよいでしょう。模試の受けすぎで勉強時間や復習時間が減ってしまっては本末転倒なのでこれくらいにおさめておきましょう。
中学生の模試対策ポイント
高校受験では内申点の影響も大きいため、定期テストの対策をおろそかにしてはいけません。そのため、模試の勉強は定期テスト対策+模試演習のバランスを意識することが重要です。
模試の過去問が手に入る場合は、実際に時間を測って解くことで形式に慣れ、時間配分の感覚も養えます。復習では、正誤の結果だけでなく「なぜできなかったのか」「どんな知識が足りなかったのか」を掘り下げて記録するようにしましょう。
間違えた問題を繰り返し復習し、弱点を克服していく積み重ねが、最終的な合格力につながります。
【小学生向け】模試の活用法と勉強のコツ
いつから模試を受けるべき?
小学生にとって、模試は中学受験の第一歩であり、本番に向けた貴重な“実戦練習”の場です。特に、初めての受験を控えたお子さまにとって、知らない会場や初対面の受験生に囲まれて試験を受けるという経験は、大きな成長のきっかけになります。
模試を通して、「自分は受験生である」という意識が芽生えることも大きな意味があります。本番のような緊張感に慣れておくことで、入試当日にも落ち着いて実力を発揮しやすくなります。
模試を受け始める時期の目安としては、小学4〜5年生から年1〜2回程度のペースで慣れておき、6年生の夏以降は月1回の模試を活用して本番を意識した学習につなげていくとよいでしょう。
小学生はいつから模試を受ける?
模試は多く受けすぎると、勉強時間や復習の時間が圧迫されてしまいます。特に6年生前半までは、目的を絞って模試を受けることが大切です。夏以降は毎月のように本番形式の模試が実施されるため、計画的に取り入れることで実践力を養えます。
4〜5年生の間は、「模試に慣れる」ことが主な目的となるため、無理に高頻度で受ける必要はありません。年に1〜2回ほどの頻度で、自分の立ち位置や得意・不得意を確認する機会として活用しましょう。
小学生の模試対策ポイント
小学生の場合、模試の結果をどう活かすかをお子さまだけで判断するのは難しいです。そのため、保護者のサポートが非常に重要になります。
まずは模試の解答を一緒に確認し、どこで間違えたのか、どんな傾向があるのかを話し合うところから始めましょう。苦手な分野が見えてきたら、それに対してどのような学習が必要かを一緒に考えていきます。
模試の結果を「叱る材料」として使うのではなく、「成長のヒント」として捉え、できたところはしっかり褒めてあげることが、前向きな学習意欲につながります。
まとめ
模試は単なる成績チェックではなく、志望校合格に向けた戦略の起点です。年代別に適した受け方と活用法を押さえておくことで、その効果は何倍にも広がります。
・高校生は、志望校の形式に合った模試を選び、受験と復習をセットで行う
・中学生は、定期テストとの両立を意識しながら、夏以降に本格的な活用を始める
・小学生は、試験に慣れ、自覚を育てる機会として模試を取り入れ、保護者と一緒に振り返る
模試の活用で成績を着実に伸ばすためには、「受ける→振り返る→改善→挑戦」のサイクルを大切にしましょう。
模試の復習ノートの作り方はこちらでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
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