高校生

2017.11.07      2023.10.07

子どもの将来につながる文理選択。苦手科目を敬遠するのではなく興味対象で判断を

子どもの将来につながる文理選択。苦手科目を敬遠するのではなく興味対象で判断を

うちの子は文系かな?それとも理系なのかな?大学進学、さらには将来の職業などを考えるうえで、重要になるのが文理選択です。「この子は読書が好きだから文系」とか、「算数が得意だから理系」など、保護者が自分の思い込みで決めつけてはいないでしょうか。無意識に保護者の考えを押しつけることは、子どもの可能性を閉じてしまい、進路選択の幅を狭めることにもなりかねません。文理選択のポイントを改めて考えてみましょう。

高1秋までに選択科目を決定。
高2以降の学びを決めるのが、文理選択です。

文理選択は、将来の職業に直結する大きな選択ですが、大学受験の際に文系型・理系型のどちらで受験するのかを決める選択でもあります。多くの高校では、2年次から選択科目がスタート。そのため1年の秋までに文系・理系を選択し、希望を提出することになります。この選択により2年次以降の履修科目・授業時間数が変わってきますから、子どもとよく話し合う必要があります。(※学校によって文理選択の時期は異なります)文理選択では、①将来なりたい職業から考える、②学びたい学問から考える、③趣味や興味から考えるの大きく3つが考えられます。やりたいこと、興味対象が見つかっているのなら、そこから絞っていくことができますが、まだ「好きなこと、興味分野が見つかっていない」ため「文系か理系か決められない」という場合も多いでしょう。そんな段階での進路選びで、保護者に注意して欲しいことがあります。
まず意識していただきたいのは、「苦手科目を勉強しなくていいわけではない」ということです。現行の大学入試センター試験でも、また新たに導入される大学入学共通テストでも、5(6)教科7科目の受験が基本になりますし、科目負担の小さい私立大学でも、大学入学後に専門的な学びを進めていくうえで、土台になるのが高校までの基礎力です。加えて小学生・中学生時代の好きな科目・得意科目で文理を決めるのは考えものです。大学で数学を専攻している学生が、小学校時代に算数が好き・得意だったとは限りませんし、成長過程で苦手科目が得意科目に変わることもよくあります。ですから苦手科目を敬遠する〝逃げの選択〟は絶対にNG。むしろ苦手なことにも手を抜かないよう励ますと共に、「いつか役立つことがあるから、頑張ってみよう」と声をかけてあげてください。

文系・理系を選択しても、「苦手科目を勉強しなくてもよくなる」わけではありません。専門的な学びの土台として、全教科の基礎力を身につけることが重要です。

文理選択では、子ども自身に選ばせることが重要。〝逃げの選択〟ではなく、興味分野や将来を見据えた選択を。

保護者は日頃から子どもと話し合う習慣を。子どもの考えや好きなことを伸ばし、応援するような働きかけを心がけましょう。

子どもの可能性を広げられるよう興味や関心を持つためのきっかけづくりを

子どもの可能性を広げられるよう
興味や関心を持つためのきっかけづくりを

もう一つ、保護者に意識していただきたいのが、「子どもが選択する前に決めつけていないか」です。「お父さんもお母さんも文系だから、あなたも文系ね」など、小学生・中学生のうちに保護者が無意識に決めつけてしまうと、子ども自身にその考えがすりこまれる危険性があります。親の期待や願いに答えようとするあまり、他の選択肢から目をふさいでしまい、自分で自分の可能性を狭めてしまうのです。近年、いったん入学した大学を途中で辞めてしまう学生の増加が問題になっていますが、大学と学生とのミスマッチも、もしかしたらそうした「思い込み」が一因にあるのかもしれませんね。 人生の節目、節目で正しく選択し、自分に合った道を選んで欲しい。保護者の子どもに対する願いはそれに尽きるはずです。保護者は日頃から子ども自身が考え、答えを出せるような働きかけをしてあげてください。そして子ども自身が「やりたい」ということを認め、応援すること。知らないことであれば、一緒に調べることから始めてみるのもいいですね。子どもの興味・関心を広げるきっかけづくりを意識しましょう。

明光義塾は文理選択や志望校選びの相談も可能です。オーダーメイドの学習プランで生徒の目標達成をサポートします。

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明光2020教育改革室 岡田直将

明光2020教育改革室
岡田直将

将来の夢を踏まえた選択を

文理の選択は「これから○○教科は勉強しなくてもいい」ということではありません。例えば文系型の「経済学」では数学的な考え方が必要です。これから、お子さんの将来の夢やより専門性を深めたい分野を踏まえた上で選択しましょう。子どもたちの興味や可能性を私たち(周りの人)が勝手に決めるのは気を付けたいですね。

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