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2021.10.12      2023.10.10

模試の勉強法とは?模試の成績の上げ方から年代別の受験への活かし方まで

模試の勉強法とは?模試の成績の上げ方から年代別の受験への活かし方まで

模試は、志望校合格のために必ずといってよいほど受けるべきものです。
しかし、模試をどのように活用すればよいのか分からない、という人も多いでしょう。

この記事では模試を受けるメリットや成績を上げるための勉強法を解説し、大学受験、高校受験、中学受験それぞれにおける模試の活用の仕方を紹介します。

受験の勉強法の一環として模試を取り入れるメリットとは

模試を受験の勉強法の一環として取り入れることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
順番に見ていきましょう。

現在の実力を客観的に把握できる

模試を受ける大きなメリットは、「全受験生」の中での自分の実力がどの程度か分かる点にあります。
学校のテストでは学校内の順位が分かっても、全国の受験生と比べたときの自分のレベルまでは分かりません。
受験のライバルは学校内だけではなく全国にいるため、全受験生の中での立ち位置を知っておくことは非常に重要です。

多くの模試では志望校ごとの合格判定も出るため、同じ志望校を考えている受験生がどの程度いて、その中で自分がどの位置にいるのかを把握できます。
それを踏まえると、自分が志望校に合格するためにはどれだけ勉強すべきかが見えてきます。

苦手分野を洗い出せる

模試と定期試験の大きな違いは、模試は習ったことの全範囲の中から問題が出題されるという点にあります。
定期試験のように出題範囲を丸暗記するような勉強の仕方では通用しません。
そのため、模試を受けると自分ができてない分野や領域が浮き彫りになります。

また、模試を受けることで、客観的に自分の得意、不得意が分かります。
例えば、「自分は英語が苦手だ」と思っていても、模試を受けてみると数学に課題が見つかった、ということが起こります。
このように、模試を受けたときは、判定結果ではなく「今、自分には何ができていないのか」を見極めることが重要です。

模試を受けて自分の苦手分野を洗い出すことで、今後の勉強方針が具体的に決められます。
受験本番までに苦手分野を克服できるような計画を立てましょう。

入試本番の場慣れができる

「試験の雰囲気に慣れる」ことも、模試を受けるメリットです。
学校の定期試験の際に周りにいるのは、よく知ったクラスメイトばかりでしょう。
しかし、受験ではそうはいきません。

知らない人に囲まれて初めての問題を解くとなると、多くの人が緊張します。
自分の力を発揮できない、時間内に解答を終えられないということが十分起こり得るでしょう。

模試では本番に近い雰囲気を体験できるので、何度も受けていくうちに「アウェイ」な空間での試験に慣れていきます。
試験の雰囲気に慣れておけば、問題を解くこと以外にも目を向けられるようになります。
例えば、時間配分も本番に近い条件でシミュレーションできるでしょう。

模試対策の勉強をする意味

受験対策の勉強を行うのはもちろんですが、「模試のための」勉強をすることにはどんな意味があるのでしょうか。詳しく説明します。

入試本番に近い勉強ができる

模試では基本的に入試本番を意識した問題が出題されます。
定期試験のように出題範囲が決まっていないため、どんな問題が出るのかはなかなか読めません。
模試の中には志望校別に傾向や出題形式を合わせたものもあり、その場合は特に本番に近い状況で試験を受けられます。

本番の難易度に合わせた問題を解くと、今の自分の実力が結果に反映され、課題が見つかります。
模試の対策を行うことは、結果的に普段の学校の勉強とは異なる受験対策を行うことにつながるため、無駄になることはありません。

単元単位でない総まとめができる

定期試験と模試の大きな違いは「出題範囲の広さ」です。
定期試験では直近の授業で扱われた単元が出題されるのに対して、模試は今まで習ったすべての範囲から出題されます。
したがって、模試のための勉強を行うと、これまで習ってきた範囲を総まとめして復習できるメリットがあります。

模試を受けるまでに習った単元の中で理解できていなかった分野は、改めて1から勉強し直す必要があるでしょう。
習ったときは理解できても、時間が経つと忘れてしまうこともよくあり、改めて自分の弱点を見直すきっかけになります。
このように、模試を受けるとこれまで習った分野をまとめて復習できます。

勉強のペースメーカーになる

模試は年間を通して実施されているため、ペースメーカーとしても活用できます。
期限を決めずに勉強するとつい怠けてしまいますが、「模試」というゴールがあることで勉強のスケジュールを立てやすくなります。

例えば「今月末に模試があるから、それまでにこの範囲の復習をしておこう」と、自分で目標を決められるようになります。
この目標を受ける模試ごとに立てていけば、模試をペースメーカーとして活用し、計画的に勉強を進めることができるでしょう。

また、模試を受けることで自分の苦手分野が把握できます。
次の模試で得点を取るためには、苦手分野を集中して勉強する必要があります。
学校の授業だけに合わせて勉強していると、苦手分野を克服しないまま勉強が進んでしまうことがあるため、苦手分野を重点的に自主勉強できるような計画を立てるとよいでしょう。

模試の成績を上げるための勉強法

ここからは、模試の成績を上げるための勉強法を具体的に紹介します。

模試準備の考え方

これまで、模試に向けての勉強を行う意義を説明してきましたが、「模試対策を徹底しても、受験に成功するわけではない」ことは理解しておかなければなりません。
模試の対策に力を注ぐあまり、本番の受験対策が疎かになるのは本末転倒です。
模試を受けたり対策したりすることは、あくまで本番の受験対策の1つであることを忘れないようにしましょう。

受験生の目的は、受験本番でしっかりと得点して、試験に合格することです。
模試の偏差値や判定を上げるためだけに勉強をすることがないように注意が必要です。

範囲の総復習を行う

模試を受ける前の学習スケジュールとしては、模試の1~2週間ほど前からこれまで習ってきたことのおさらいをするとよいでしょう。
そのときに注意するのは「新しいことに手は出さない」ことです。
模試の直前に新しいことを学んでも、その知識はあまり定着せず、時間が経つと忘れてしまいます。
結局、改めて勉強し直さなければならなくなるため、模試の直前はこれまでに勉強したことを復習するほうがよいでしょう。

普段は広い範囲の復習にあまり時間をかけられないので、模試前を絶好の機会と考えて時間を確保することが大切です。
具体的には、今まで受けた模試や定期試験を再度解き、間違った箇所や理解できていない箇所を復習しましょう。

模試を受ける前は新しい知識を入れるのではなく、これまで学んだことを固めるという観点で勉強に取り組むことが重要です。

過去問で攻略する

模試の勉強に取り組むにあたり、過去問を入手できるなら活用したいところです。
もちろん過去問をやっても、同じ問題が出るわけではありません。

しかし、模試の過去問から傾向や形式を把握し、次の模試で出題されそうな範囲・分野を分析することは重要です。
出題傾向が分かれば、どのような分野からどのような問題が多く出題されるのかを予想できるため、勉強の計画を立てる際に役立ちます。

過去問を解く際は、ある程度の時間配分を決めておくとよいでしょう。
普段の受験対策から時間配分を意識していないと、本番で時間内に解き終えられない可能性があります。
幅広い出題範囲から出される問題を時間内に解くためには、どのような時間配分で解答していけばよいのかトレーニングしておくことが重要です。

前日でも間に合うのは単語や公式の暗記

模試の1~2日前にできることとなると、「暗記部分の復習」に限られます。
しかし、暗記部分だからといって、あなどってはいけません。
英単語や古語、公式は受験直前に覚え直すだけで本番の点数が変わることもあります。
本番の受験は、1点で合否が入れ替わる世界です。気を抜かずに最後まで細かいところにも力を入れましょう。

受験は模試以上に緊張が高まるので、試験直前は何をしたらよいのかが分からなくなりがちです。
しかし、模試で「試験直前にできること」の感覚を掴んでおくと、受験本番前の過ごし方にも活かせます。
模試を受けるごとに、試験前日にやることを固めていきましょう。

ただし、直前に夜更かしした結果、試験中に頭が回らない、となると本末転倒です。
無理をせず早めに寝ることを心がけ、心身がリフレッシュした状態で試験に臨みましょう。

模試を用いた勉強法【高校生】

模試を用いた勉強法【高校生】

ここからは、年代別に模試を用いた勉強法を紹介します。
まずは、高校生の勉強法から見ていきましょう。

高校生はいつから模試を受ける?

大学受験対策の模試は、1年生からでも受けられます。
高校生は模試の初受験が「大学受験のスタート」となる側面があるため、早めに受けておくとよいでしょう。

学校の定期試験だけでは、全国の高校生のレベルが分からないので、具体的に受験のことをイメージできません。
しかし、模試を受けると全国レベルで自分の実力がどの程度なのか、合格するまでにどれぐらいの勉強が必要なのかが明確に分かります。
その結果、受験を現実的なものとして考えられるようになり、受験生としての自覚が生まれます。
しがたって、模試は遅くても2年生までに一度は受けておきたいところです。

ただし、模試を受ける頻度には注意しましょう。
模試をたくさん受けても結局復習や分析ができなければ、受けても時間が無駄になる可能性があります。
高校や塾で全員模試を受けるスケジュールが決まっている場合は、それに合わせて受験していけばよいでしょう。

高校生はどのぐらい・何回模試を受けるべき?

大学受験の模試は膨大な数が実施されていますが、もちろんすべてを受ける必要はありません。
模試を受けるのには丸1日かかることもあり、その日は通常の勉強を進めることができなくなるでしょう。
模試を受けすぎると通常の勉強時間を確保できなくなるので、スケジュールを調整して受験する模試を選ぶ必要があります。

目安として、大学入学共通テストの対策になるマーク式の模試は年4回ほど受けておけばよいでしょう。
通年で受けることで、自分の成績がどのように推移しているかが一目で分かります。
特に高3の夏以降は学んだ知識をアウトプットすることに時間を割くべきなので、記述式と合わせて月1~2回のペースで受験することが目安となります。

高校生の模試の勉強法

大学受験向けの模試は大きく分けて、マーク式と記述式の2つに分かれます。
マーク式の試験は大学入学共通テストや私立大学、記述式は国公立大学や一部の私立大学で問われる問題にそれぞれ対応しています。
基本的に、どちらも年間を通して同じ模試を受け続けましょう。
そうすることで、成績の推移を客観的に見ることができます。

模試を受けたことに満足して復習をあまり行わない人がいますが、それでは模試を受けた意味がありません。
返ってきた模試は必ず復習し、今後の学習のためにフル活用しましょう。

模試は受けること以上に、受け終わったあとの復習が重要です。
間違った問題はもちろん、正解した問題も「なぜ正解・不正解だったのか」「たまたまではないか」など、解答した根拠を振り返りましょう。
できなかった問題はすぐに復習し、時間配分も踏まえて今後の勉強に活かすことが大切です。

その際、間違えた問題はノートにまとめて「復習ノート」を作ることがおすすめです。
間違えた問題は、今後成績を上げるための貴重な材料になります。
しっかりと自分の弱点をノートにまとめ、次の模試に活かしましょう。

模試を用いた勉強法【中学生】

次に、中学生の模試を用いた勉強法を紹介します。

中学生はいつから模試を受ける?

中学生も高校生と同様に1年生から模試を受けられますが、実際には3年生の夏ごろから模試を受ける人が多い傾向にあります。
その理由は、中学で学ぶべき範囲を習い終えるのが3年生の夏ごろだからです。
その頃には一定の学力を持って模試を受けられるようになるため、実力を測りやすいといえます。

模試は受験者数が多いほど正確な結果が出るため、信頼できる結果が得られるのは受験者数の増える夏休み以降の模試です。
したがって、中学生が本格的に模試に力を入れるのは3年生の夏からでよいでしょう。
それまでは、定期試験の対策や普段の学習にしっかり取り組むことが大切です。

1年生、2年生の間は、まだ偏差値や結果を気にする必要はなく、模試を受けるにしても「慣らし」程度の認識で構いません。
ただし、試験の雰囲気を体験でき、苦手分野や得意分野を把握するきっかけになるので、早めに受験するのもよいでしょう。

中学生はどのぐらい・何回模試を受けるべき?

3年生になったら最低でも受験までに同じ模試を2回は受けておきたいところです。
受ける時期としては、8月と12月にそれぞれ1回、合計2回受けるとよいでしょう。
まず、8月以降に行われる模試の結果は、受験者数が増えるため、それ以前の模試と比較すると判定結果が正確です。

そして、8月に受けた模試の結果をもとに12月までの計画を立て、12月の模試の結果を基準に、受験本番までの最終調整を行います。
公立であればこの2回で十分です。難関私立を受験する場合でも3年生後半に月1回程度受験していれば問題ないでしょう。
模試をたくさん受験しすぎると通常の勉強時間が減るだけでなく、復習が追いつかない可能性もあるため、勉強の効率があまりよくありません。

先ほども説明したように、中学生が模試を活発に受験するのは3年生の夏以降です。
したがって、それまでは本腰を入れて模試を受ける必要はあまりありません。
2年生までは「一度受けてみる」程度の認識で十分でしょう。

中学生の模試の勉強法

中学生が模試を受ける際に意識しておきたいのは、定期試験とのバランスです。
高校受験では内申点の比率が大きいこともあるため、定期試験で点を取ることも大切です。
したがって、中学生が勉強を行う際は模試の対策に特化させるのではなく、基本の復習を意識する必要があります。
もちろん自分の実力を知るためにも模試は重要ですが、中学生は日頃の授業やテストを重視しましょう。

そもそも、模試は応用問題といわれるレベルの問題が多く出題されるため、定期試験よりも難しい内容になっています。
定期試験レベルの問題が解けないと、模試で力を発揮することはできません。
対策する際は、模試の過去問が手に入るなら解いておきましょう。
傾向や出題範囲が分かると、どのように勉強を進めればよいかの計画を立てられます。

模試受験後は解けなかった問題を必ず解き直し、自分の弱点を洗い出しておきましょう。
復習で学んだことを、次の模試に活かすことが大切です。

模試を用いた勉強法【小学生】

最後に、小学生の模試を用いた勉強法を紹介します。

お子さまを「受験生」にする中学受験模試

小学生のお子さまであれば、そもそも受験が初めてである場合がほとんどです。
これまで学校や塾でしか試験を受けたことがなければ、知らない人に囲まれて独特の緊張感の中問題を解くことは、お子さまにとって未知の体験でしょう。
緊張から頭が真っ白になり、普段通りの力を発揮できないこともあります。
こうした問題への対策として、事前に模試で試験の緊張感に慣れさせておくことが重要です。

また、模試を経験することで、お子さまが「自分は受験生なのだ」という自覚を持つことにつながります。
模試を受けることは、受験生としての自覚が芽生えるよい機会です。

小学生はいつから模試を受ける?

中学受験の模試は、4年生から受ける人が増えます。
4年生や5年生から模試を受けることで、お子さま自身も受験に対してどのような姿勢で取り組むべきかを考えるようになるでしょう。

ただし、模試を受けるタイミングはとても大切です。
あまり勉強が進んでいない状態で模試を受けると、当然悪い結果が返ってきます。
その場合、お子さまのモチベーションが下がり、勉強に対するやる気を失ってしまいかねません。

そのような事態を避けるためにも、模試を受ける前にしっかりと勉強しておく必要があります。
ある程度受験勉強をしてから、腕試しとして模試を受けさせるとよいでしょう。

小学生はどのぐらい・何回模試を受けるべき?

小学生は、手当たり次第模試を受けさせるのは避けましょう。
模試を受けるとどうしても勉強時間が減ってしまうので、メリットとのバランスを考える必要があります。

模試は腕試しになり、お子さまの弱点が洗い出される点はメリットです。
一方でモチベーションに影響が出るうえ、もし他の勉強に追われているとお子さまに余計なストレスがかかってしまう可能性があります。

6年生になると毎月のようにさまざまな模試が行われているため、前半はいくつかピックアップしながら受験をしていきましょう。
そして夏以降は毎月受験する、と事前にスケジュールを組んでおくことが重要です。

5年生までは、年に1~2回受ける程度でよいでしょう。
早い段階から受験の雰囲気を味わうことができ、自分のやるべきことを発見する機会として活用できます。

小学生の模試の勉強法

小学生のお子さまにありがちなのが、模試の判定結果しか見ないということです。
しかし、模試で大切なのは、結果ではなく「次のために何をすればよいか分析すること」です。
ただし、お子さまが一人で模試の結果を分析し、次の計画を立てるのは難しいでしょう。
特に小学生の間は、模試を有効活用するために保護者のサポートが不可欠です。

まずは、お子さまと一緒に模試の答え合わせを行うことから始めましょう。
そのときに、お子さまの苦手な分野を見つけてあげることが重要です。
苦手な分野が分かったら、なぜその分野の問題を間違えたのかを考えながら、今後の学習計画を立てていきましょう。
次の模試までに重点的に復習するポイントを、「一緒に考える」ことが大切です。

この際、決して叱らないようにしなければなりません。
何よりも大切なのは、お子さまが勉強を嫌いにならないようにすることです。
できたところはしっかり褒めて、お子さま自ら勉強しようと思える環境を整えてあげましょう。

まとめ

模試は、「受けたあとに復習する」までがセットです。
自分の課題や弱点が分かれば、今後の勉強にも活かせるので、受けただけで終わりにならないように気をつけましょう。

模試のために勉強することは結果的に受験対策につながるため、模試をどのように活用するかを考えることが大切です。
今回紹介した活用法の中の「復習ノート」について詳しく知りたい人は、「模試の復習ノートの作り方」に関する記事を確認してみましょう。
また、模試の結果を分析して受験本番に活かすためには、受験のプロである塾の力を借りるのも1つの方法です。

この記事を家族や友人に教える

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