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2018.10.25      2023.10.08

自分らしさを仕事にする!明光ワクワクワーク♪:Vol.20 競技ダンサー 野村直人さん・山﨑かりんさん

明光ワクワクワーク

「自分らしさ」を生かして仕事をしている人って素敵ですよね! 子どもたちが好きなことを見つけて、それを将来につなげていってほしいと考えている保護者はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
このコーナーでは、子どもたちが憧れる仕事をしている「しごと人」を紹介します。将来のことを考えはじめたお子さんや、サポートする保護者のみなさんのヒントになれば幸いです。

自分らしさを仕事にする!明光ワクワクワーク♪:Vol.20 競技ダンサー 野村直人さん・山﨑かりんさん

今回、編集担当がお話をうかがったのは、競技ダンサーとして活躍する野村直人さんと山﨑かりんさん。プロのダンサーとして世界各地で開催される大会に出場する傍ら、社交ダンスの指導者としても活動しています。
「自分らしさ」を活かし、ダンスのプロとして生きていくにはどのような覚悟や姿勢が必要なのでしょうか。競技ダンサーの日常や、お二人の子どものころのお話しをうかがいました。

競技ダンサーの仕事について

編集担当

野村さん、山﨑さん、今日はよろしくお願いします!

野村さん・山﨑さん

はい、どうぞよろしくお願いします!

編集担当

さっそくですが、お二人のお仕事の内容について教えてください。世界各地でさまざまな大会に出場されているということですが、そこで賞金を獲得して生計を立てられているのですか?

野村さん

私たちの仕事は大きく3つに分けることができます。1つはおっしゃっていただいたように大会に出場すること、それからダンススタジオで生徒さんにレッスンをすること、そしてダンスパーティーに出演することです。

編集担当

ダンスパーティー……?

山﨑さん

ダンス教室主催のパーティーにゲストとして出演するんです。それ以外の変わったパーティーに出演することもありますよ。ファッション関係のパーティーではウェディングドレスを着て踊り、ドレスがなびくイメージを見ていただきました。

野村さん

どのお仕事も大切にしていますが、やはり競技大会に出て良い成績を収めることが私たちの一番の目標です。良い成績を収めるからこそ、みなさんが応援してくださり、レッスンやパーティーの仕事に繋がっていくのです。

編集担当

お二人はどのようなタイトルをお持ちなのですか?

山﨑さん

2017年3月に全日本ファイナリストになりました。今季も全日本戦が始まっているので、いいタイトルを獲得できるよう特訓を積み重ねているところです。

2017年3月に全日本ファイナリストになりました。今季も全日本戦が始まっているので、いいタイトルを獲得できるよう特訓を積み重ねているところです。
編集担当

競技ダンサーの方は、何歳ごろまで現役として活躍されているのでしょうか。

野村さん

競技者として活躍しているのは30代中盤までの方が多いですね。

編集担当

お二人はラテンダンス(社交ダンス)で競技をされていらっしゃいますが、その魅力は何だと思いますか?

山﨑さん

言葉を使わずに物語を表現できることだと思います。ラテンダンスはペアで踊ることによって、一人ではできない表現を生み出すことができます。

野村さん

ダンスはスポーツであり、芸術でもあります。身体全体を使って何かを表現することは面白いですよ。とくに男性は女性をエスコートしながら踊るなど、男性らしく振る舞うことが求められます。男性らしい仕草を追求していく競技はあまり多くないのではないでしょうか。

山﨑さん

男性らしさ、女性らしさを存分に表現できる点はラテンダンスの長所ですね。

男性らしさ、女性らしさを存分に表現できる点はラテンダンスの長所ですね。
編集担当

大変だと思うのはどんなときですか?

野村さん

衣装や遠征に費用がかかるので出費は多いですね。あとは海外を飛び回っていると、ときどき食べ物が合わず苦労することがあります。基本的にはすぐに順応していますが。

編集担当

大会がない日はどのようなスケジュールで動いているのですか?

山﨑さん

朝はスタジオで自分たちのダンスの練習をします。12時から22時までは生徒さんのレッスン、それから深夜まで再び練習をして、夜眠るのは2時くらいでしょうか。ジムへ行って筋力トレーニングをする日もあります。

編集担当

ハードですね……!

今のお仕事を目指すにあたって

編集担当

お二人はどのような経緯でダンサーになられたのでしょうか。

野村さん

実は二人ともラテンダンスを始めたのは大学に入ってからなんです。 私は入学後すぐに新入生歓迎のためのイベントで先輩のダンスを見て、あまりの格好良さに「これだ!」と思い、ラテンダンスを始めることにしました。ごく普通の大学生が、音楽が鳴った途端に別人に切り替わる瞬間がたまらなかったんです。
大学4年生のときに大学リーグの全国大会で優勝し、次は世界の舞台で踊りたいと思い、プロになることを決めました。

実は二人ともラテンダンスを始めたのは大学に入ってからなんです。
山﨑さん

私は高校まで新体操に打ち込んでいました。長く競技を続けたい思いはあったのですが、新体操は実力のピークが高校生ぐらいの時期にきてしまい、その後は力を伸ばすことが難しかったんです。そこで大学からは新体操と同じような「魅せる」スポーツであるラテンダンスに転向しました。

野村さん

山﨑さんと私は別の大学に在籍しており、いわばライバル関係でした。山﨑さんは私が優勝する前年の全日本優勝者だったんです。

山﨑さん

私の場合はすぐにはプロにならず、大学卒業後は就職して、ラテンダンスはアマチュアで続けていました。しかし縁あって野村さんと組むことになり、アジアオープンという大きい大会で日本人最高位をとったことから世界で戦いたいという気持ちが芽生え、プロに転向しました。

編集担当

子どものころの夢はなんでしたか?

野村さん

いつも身体を診てくれた先生に憧れて、医者になりたいと思っていました。

山﨑さん

私は弟をかわいがっていたこともあり、保育士になりたかったです。

編集担当

どのような子ども時代でしたか?

野村さん

サッカー少年でした。私の家は自分も含め全員がサッカーをやっていたので、スポーツに打ち込むことについては理解がありました。父も母も妹も母の兄弟も祖母もサッカーをやっていたんです(笑)。父はよく「ひとつ先の展開を読んで、よく考えて行動しろ」と言っていて、社会で生きていくためには勉強することが必要だと教えてくれました。 勉強自体はあまり嫌いではありませんでしたね。頑張れば点が上がるのが嬉しかった。でも国語は苦手でした。本を読むのは好きだったのですが、テストの問題となるとなかなか解けなくて。

サッカー少年でした。
山﨑さん

私もスポーツ一家で育ちました。種類はみんなバラバラでしたが、みんなそれぞれの競技にのめり込んでいたので、家の中の会話はスポーツに関するものばかりでした。ちなみに私が新体操を始めたのは、漫画『タッチ』の(浅倉)南ちゃんに憧れたからです。 勉強は比較的自分から取り組むタイプでした。小学生のときは明光義塾に通っていたんですよ。中高生になってからは自分のペースがわかるようになったので、勉強のスケジュールを立てて楽しめるようになりました。

編集担当

もっと勉強しておけばよかったと思うことはありますか?

野村さん

とにかく英語はもっとやっておけば良かったと思いますね。海外遠征のときのコミュニケーションも、外国人の先生にダンスのレッスンをつけてもらうときも英語は使いますから。読み書きだけでなく、頭の中で文章を組み立てて話す訓練がもっと必要でした。

山﨑さん

表現力を磨くためには、他の選手の競技を見て研究するなど、日々勉強が必要です。感性を養うためには必要なことばかりですね。

子どもたち、そして保護者に伝えたいこと

子どもたち、そして保護者に伝えたいこと
編集担当

お二人がプロのダンサーを目指すと決めたとき、保護者の方はどのような反応をされましたか?

山﨑さん

最初は大反対されました。せっかく安定した企業で働いているのに、と。でもその企業での仕事は私がいなくなっても誰か代わりの人がいるんです。自分にしかできない、自分らしくいられることを続けたいと訴えたら、応援してくれるようになりました。

野村さん

私は比較的早い段階でプロを目指すことを決めていました。家族には「新卒で就職することの重要性は分かってはいるけれど、それよりも早くプロになりたい、すぐにスタートを切りたい」ということを伝えました。あわせて「20代のうちに日本チャンピオンになること、世界で認められるダンサーになること、引退後はショーで世界を巡り、教室を経営して生計を立てること」などを説明して納得してもらいました。

編集担当

保護者の方からサポートはありましたか?

野村さん

うちは結果を見て「次も頑張って」と応援してくれるくらいでした。

山﨑さん

私は沈黙のサポートをしてもらいました。思うようにいかないとき、家に帰ると何も言わずにご飯を出してくれるんです。こちらが切り出すまではそっと見守ってくれるサポートをありがたいと感じました。それでいて、私が載った記事を見つけてとっておいてくれるなど、気にかけてくれるのがうれしかったですね。

編集担当

最後に、自分の将来を考えはじめている子どもたちにメッセージをお願いします。

野村さん

身の回りのいろいろなものに関心を向けてほしいと思います。インターネットが発達した今、意外と目を向ける先は狭い世界になっていないでしょうか。私は自分の表現につながることを探して視野を広く持とうと思ったときに、そのことに気がつきました。何事にも探究心をもって興味・関心を持てるといろいろな発見があり、それが自分の表現力などにつながっていくと思います。

編集担当

保護者には、どんなサポートをしてあげてほしいと思いますか。

山﨑さん

お子さんが受験や進路のことで悩んでいたら、落ち着いて見守ってあげてほしいなと思います。「ここに落ちたら、もう夢は叶わない」なんてことはあまりなくて、道はどこかでつながっているものですから。

編集担当

ありがとうございました!

自分らしさを仕事にするキーワード「夢に本気になること」
編集担当

世界でタイトルを獲るために、お二人はまだまだ夢の途中。ゴール地点からお話しいただいたというよりは、道の途中から過去を少し振り返っていただきました。

自分の道を極める求道者ともいえるお二人の暮らしぶりはストイックですが、夢に向かって努力しているからか、笑顔が絶えませんでしたね。

世界チャンピオン目指して頑張ってください!

野村 直人(のむらなおと) 山﨑 かりん(やまさきかりん)

PROFILE

野村 直人(のむらなおと)
岡山県出身。首都大学東京 経営学部卒。JBDFラテンA級。大学の競技ダンス部に入ったことからラテンダンスを始める。大学卒業後すぐにプロのダンサーを目指す。

山﨑 かりん(やまさきかりん)
東京都出身。学習院女子大学 国際文化交流学部 日本文化学科卒。JBDFラテンA級。大学から競技ダンスを始める。卒業後は一度商社に就職するも、プロを目指して退社。競技ダンサーとして活躍を始める。

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