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2021.10.13      2023.10.07

効率よく漢字を覚える方法とは?高校・中学校・小学校それぞれで習う漢字の効率的な覚え方について解説!

効率よく漢字を覚える方法とは?高校・中学校・小学校それぞれで習う漢字をどう覚えるべきか

受験生活を通して覚えなければならない漢字の量は膨大で、その数は2,000を超えます。
しかし、漢字を覚えることが苦手で、効率よく覚える方法を知りたい人も多いでしょう。

この記事では、漢字を効率よく覚える方法や、高校生・中学生・小学生、それぞれの年代に分けた漢字の勉強方法を紹介します。

漢字を覚えやすい学習習慣

小学校で使う漢字ドリルやノートなどの影響で、「漢字はとにかく書いて覚えるもの」といったイメージがあるかもしれませんが、漢字を覚えるためにはただ時間をかければよいというわけではありません。

まずは、漢字を勉強する際に知っておきたいポイントを紹介します。

漢字は夜に勉強する

勉強する際、時間帯によって取り組む内容を変えることで成果も変わります。
一般的に、漢字や英単語、古語などを覚える「記憶学習」は夜に行うとよい、といわれています。
その理由は、勉強したことは寝ている間に記憶に定着し、特に眠る直前に見たものは記憶に残りやすい性質があるからです。

睡眠による記憶の定着効果を高めるためには、きちんと睡眠時間を確保することを心がけましょう。

漢字は少しずつ何度も覚える

漢字を学ぶとき、ただひたすらに書いて覚えようとする人がいます。
しかし、実は漢字は一度にたくさん書いてもあまり記憶に残りません。
意味を考えずに書くだけだと、その漢字を記号や模様として脳が受け取ってしまうからです。

人間の記憶は、時間が経つと徐々に忘れるメカニズムになっています。
何かを覚えたいときは短時間で集中して学び、忘れかけたころに再び同じことを学ぶ方法を繰り返すほうが、勉強したことが記憶に定着しやすいのです。

覚えた漢字は使っていく

学んだ漢字を自分のものにするために、普段からできる限り漢字を使うことを心がけましょう。
学んだ内容は、実際に使うことで生きた知識として頭に定着していきます。
板書の書き取りや記述問題はできるだけ漢字を使って書きましょう。
漢字を覚えるためには、このような日ごろからの積み重ねが重要です。

また、国語以外の教科でも積極的に漢字を使いましょう。
特に社会は難しい漢字が多く、正しい漢字を書かないと試験で減点されることがあります。

さらに、日常生活の中でも漢字を使う機会を積極的に作っていくとよいでしょう。
日記や作文、友達や家族への手紙・メモも漢字を書く機会になります。
ただし、メールで打つのではなく、実際に自分で手を動かして書くことが大切です。

お子さまが小学生の場合は、保護者がそのような機会を作ってあげましょう。
宿題を見てあげるときに漢字も一緒にチェックすることも、お子さまに正しい漢字を覚えさせる方法の1つです。

部首を制するものは漢字を制す!?

漢字の意味を掴み、効率よく覚えるための方法として「部首を意識する」というものがあります。
ここからは、部首とは何なのか、どのような役割があるのかについて解説していきます。

部首とは

部首とは、漢字を構成する要素の1つで、それぞれの漢字には必ず部首があります。
部首は「偏(へん)」「旁(つくり)」「冠(かんむり)」「脚(あし)」「構(かまえ)」「垂(たれ)」「繞(にょう)」の7つに分けられ、漢字を分類する際に用いられます。
さらに、この中から形の共通するものが細かく振り分けられ、それぞれの漢字が成り立っています。

部首が分かれば未知の漢字も意味や読みを掴める

漢字の90%以上は「形成文字」と呼ばれるものです。
形成文字とは、意味と音を表す部分を組み合わせて作られた文字で、意味を表す部分を「意符(いふ)」、音を表す部分を「音符(おんぷ)」といいます。

例えば「池」という漢字の場合、「さんずい」の部分が意符にあたり、水に関係がある字であることを表します。そして、「也」の部分が「チ」と読む音符にあたります。
ほかにも、「木」を用いた「きへん」であれば樹木に関係する文字であることを示しており、この部首を持つ漢字の多くが樹木の種類に関することを表しています。

こうして漢字を理解すると、今まで知らなかった漢字でも、部首を見ることで「その漢字がどういう意味合いの言葉なのか」をある程度推測することができるでしょう。
部首を覚えておけば、漢字をある程度まとまりで覚えられるようになるため、新しい漢字を覚える労力を大幅に削減できます。

部首でまとめて覚えてしまおう

漢字は部首ごとにグループ分けができます。
言葉はまとまりで覚えるほうが効率がよいので、勉強するときは同じ部首の漢字をまとめて覚えましょう。
小学生の間は「配当漢字」として学年ごとに覚えるべき漢字が決められていますが、漢字の部首の意味を確認したら、学年の配当漢字を気にせず同じ部首の漢字をまとめてしまうことが重要です。

ばらばらのものより、ほかの事柄との結びつきが強いもののほうが忘れにくくなります。
したがって、まとまりのない漢字をひたすら紙に書いて練習するのは効率がよくないので、まとめて覚えることを心がけましょう。

その際、学習のための資料として漢和辞典を使うのがおすすめです。
漢和辞典の「部首索引」を使えば、同じ部首の漢字を一気に確認できます。

ただ書き取るだけの「漢字練習」は卒業しよう!漢字を覚えるためのノート作り

漢字を覚えるために「漢字ノート」を作ってみましょう。
ここで紹介する漢字ノートは、何度も書き取りをするためのいわゆる「漢字練習」ノートではありません。
漢字を覚えるためのノートには何を書き、どのように使えばよいかを解説します。

漢字の基本情報をまとめる

新しい漢字を覚える際は、まずその漢字の情報を網羅して理解することが大切です。
1つの漢字だけを見ても、複数の意味合いが込められていることが多いので、きちんと把握できるかがポイントになります。
次のような点をノートに書き出してみましょう。

覚えたい漢字

音訓全ての読み、送り仮名

文字の持つ意味

書き順

これらをノートに書き、その漢字についての基本情報をまとめましょう。

漢字について知りたいことがあれば、漢和辞典・漢字辞典を引くのがおすすめです。
辞典にはそれぞれの漢字の意味や読み方のほか、部首や例文などが解説されています。
読み方だけでなく、部首や画数などからも漢字を調べられるので、「読み方が分からない」、「読み方は分かるけど漢字が思い出せない」といった場合でも調べたい漢字を見つけられます。

熟語を集める

漢字を覚えるときに役立つのが、「熟語で覚える」ことです。
1つの漢字を何度も書くよりも、その漢字を用いた熟語をたくさん集め、関連付けて覚えるほうが記憶に定着します。

例えば、「進」という漢字を勉強する際、「発進」「突進」「進学」「進化」といったその漢字を含む熟語を合わせて勉強すると、漢字が持つ意味がイメージしやすくなり、使い方もあわせて覚えやすくなるのです。
それぞれの熟語の読みと意味もまとめてノートに書きましょう。

漢字1文字だけ覚えようとするのは、効率がよくありません。
複数の熟語を合わせて覚えておくことで、それらの言葉を使う機会が自然と多くなります。
結果的に語彙力も高まるので、ほかの教科を勉強するときにも役立つでしょう。

漢字・熟語を使った例文を書く

ある程度漢字と熟語を覚えたら、次はその漢字を使った例文を複数作ってみましょう。
その漢字がどのような場面で使われるか考えながら例文を作ることで、「自分で使える言葉」として身につきます。
さらに細かい言葉のニュアンスが理解できるので、漢字を覚えやすくなります。

このとき作る例文は、教科書に載っているようなかしこまった例文である必要はなく、面白い文章やストーリーを自分なりに書いてみるとよいでしょう。
大切なのは、いかに自然に文章の中に漢字を落とし込めるかです。

漢字は文章の中で使われるため、文章の中で意味を理解することを意識しておくと、読解問題を解くときにも役立ちます。

このように、学んだ漢字を「実際に使ってみる」ところまでできれば、自分だけのオリジナル漢字ノートの完成です。

急がば回れ!読書で漢字を覚えよう

受験生がよく眠れるようになるための生活習慣

本の中にはさまざまな漢字が使われているため、読書は漢字を覚える絶好の機会です。
ここからは、どうして読書で漢字を覚えられるのか、読書で漢字を覚えるにはどのようなことを意識すればよいのかを順番に見ていきましょう。

漢字を覚えるには読書が効果的

効率よく漢字を覚えるためには、普段から本を読むようにするのが近道です。
読書で漢字を学ぶのは時間がかかると感じるかもしれませんが、本の中には「生きた文章」が書かれています。

実際の文章の中で使われている漢字を読むことで、漢字が使われる場面や文脈を知れるので、読書を通した漢字の勉強は理に適っています。
さらに、一度学んだ漢字が本の中に出てきた場合も、実際の使い方が分かり頭に定着しやすいでしょう。
大切なのは、実際に漢字が使われているところを見たり、読んだりすることです。

小学生向けの本には日常生活でよく使う言葉が多く出てくるので、語彙力も高まります。
もちろん、本を読むことで文章の読解力も上がるので、漢字だけでなく国語力全体の底上げにも効率的です。

もし読書中に読めない漢字が出てきた場合は、辞典で調べるのもよいですが、学校の先生や塾講師、保護者に読み方を聞いてみるのもよいでしょう。
分からないことを聞くのも立派なアウトプットになるため、学びにつながります。

好きな本で学習しよう

漢字を学ぶために読む本は、勉強のためだからといってジャンルにこだわる必要はありません。
大切なのは、生きた文章に触れることです。
楽しく読める漫画や推理小説などでもよいので、とにかくたくさんの文章を読みましょう。

ただし、漫画やライトノベルなどを読む際に、特有の「当て字ルビ」がふられている場合は注意が必要です。当て字ルビとは、その漢字が持つ本来の意味を無視して、物語に沿って当てられた「実際の用法とは異なる漢字の読み方」のことを指します。

当て字ルビは本来の意味とは関係のない場面でも使われるので、文脈から意味を推測してしまうと、間違った意味を覚えかねません。 知らない漢字や本当かどうか怪しい読みが出てきたら、その都度意味を調べながら読むことを心がけましょう。

効率的に漢字を覚える方法【高校生・大学受験】

漢字を勉強するにあたって、年代別に勉強方法が少しずつ異なります。
まずは、高校生が効率的に漢字を覚える方法を紹介します。

大学入試に必要な漢字は全て中学校までで学んでいる

実は、高校生になると新しく常用漢字を習うことはありません。
大学入試で必要とされる漢字は全て中学校までで習い終わっています。

高校生の漢字の学習については、学習指導要領で次のように書かれています。
「常用漢字の読みに慣れ、主な常用漢字を書き、文や文章の中で使うこと。(※)」

つまり、高校生は漢字を読むだけにとどまらず、「書く」ことまで求められるため、これまで以上に「自分が使える」状態になるまで漢字を理解しておかなければなりません。

(※)出典:学習指導要領「高等学校」第2章第1節「国語」第2款2「内容」より

漢字そのものの出題は多くない

漢字は、知っていれば必ず点数になるため落としたくない部分でもあります。
入試では1点の差で合否が変わるので、確実に点数を取れる問題は取っておきたいところでしょう。

しかし、実は入試で漢字を書く機会はあまりありません。
実際に、大学入学共通テストには漢字の書き取り問題がないため、漢字を書くことなく入試を終える受験生も一定数いるのが事実です。

二次試験でも漢字そのものを問う問題は少なく、さらに配点も低い傾向があります。
したがって、漢字を書けるに越したことはありませんが、どの程度労力を割くべきかは考えどころです。

ただし、二次試験で日本史を受験する場合は、漢字の勉強に力を入れるべきでしょう。
日本史の試験では固有名詞で漢字を書く機会が多く、少しの記述ミスで点数を引かれてしまう可能性があるため、正しい漢字を書けるようにしておくことが大切です。

読解力と表現力を鍛える

大学入試では、問題文を読み解く「読解力」と、答えを書くときに自分の考えを伝える「表現力」が求められます。
この2つの力は、漢字をベースとした語彙力があってこそ発揮できる力です。

そもそも言葉の意味を知らないと、文章を読み解くことができず、自分の考えを表現することもできません。
したがって、高校生は漢字を覚える際に、読解力や表現力をつけることまで意識して勉強しましょう。
英語で分からない単語やイディオムが出たときと同じように、文脈から意味を推測したり、毎回辞書で調べたりしながら漢字・熟語を覚えていくことが重要です。

漢字を対策することで、知識問題対策になると同時に語彙力も養うことができます。

効率的に漢字を覚える方法【中学生】

次に、中学生が漢字を覚える方法を紹介します。

中学生が覚える漢字

中学生になると、小学校で習う常用漢字1,026字に加えて、新たに1,110字を学び、合計2,136字全ての常用漢字を学びます。(2023年7月現在)
ただし、学習指導要領によると、そのうち「書き」が求められるのは小学校で習う1,026字までで、残りの1,110字は読んで理解できればよいとされています。

したがって、まずは習った漢字を読めるようにすることを意識して勉強しましょう。
なお、中学校で学ぶ漢字には小学校のような学年別配当表がないため、教科書によって学年ごとに習う漢字が異なります。

漢字を語彙として覚える

先ほども説明したように、中学生は多くの漢字を「読める」ことが求められます。
意味や読み方を知っているかどうかは、実際に自分で使えるかどうかにも関係してきます。
まずは読むことを優先して漢字を覚えましょう。
また、小学校で学んだ漢字は書きも含めて、早い段階で完璧に使いこなせるようにしておくことが重要です。

漢字が使えると語彙力が鍛えられ、文章を読み解くための読解力も高まります。
長文読解問題をはじめとした文章を多く読んでいると、漢字以外にも熟語や例文を多く読むことにつながるため効率的です。

このように、漢字を学ぶときは、読みや熟語など漢字に関して幅広い知識が得られる学習方法を取り入れることが望ましいでしょう。

各教科と連携して使っていく

漢字が読めない、意味が分からない状態だと文章そのものが理解できないので、教科書に書かれていることが分からなくなります。
そのため、漢字の学習が遅れると、英語・理科・社会などのほかの教科でもついていけなくなってしまう恐れがあります。
国語以外の教科でも、それまでに学んだ漢字を理解できることを前提に進んでいくため、習った漢字はすぐ覚えていくようにしましょう。

ただし、漢字だけを単体で覚えていく必要はありません。
ほかの教科を勉強していて知らない漢字が出てきたときに辞書で調べていけば、その教科の学習とともに漢字の勉強も進められます。
この場合、その教科ごとの学ぶ内容と関連付けて覚えられるので、漢字単体で覚えるより頭に残りやすくなります。
ほかの教科の勉強とうまく連携させながら、漢字を覚えていきましょう。

効率的に漢字を覚える方法【小学生】

最後に、小学生が漢字を覚える方法を紹介します。

小学生が覚える漢字

小学校では、常用漢字のうち、1,026字を学習します。
小学生が学ぶ漢字は、中学生と違って「学年別漢字配当表」により学年別に何を学ぶのか明確に決められています。

1年生で80字、2年生で160字、3年生で200字、4年生で202字、5年生で193字、6年生で191字を学びます。
学年ごとに学ぶ漢字が決まっているので、その学年のうちに習った漢字を覚えていくとよいでしょう。

漢字そのものに馴染む

そもそも低学年のお子さまであれば、漢字そのものに慣れていないため、まずは漢字への抵抗をなくすことが重要です。
漢字を勉強することが苦にならないように、勉強方法に工夫が求められます。

例えば、五感をフルに活かして学んでみるのも1つの方法です。
声に出して漢字を読みながら書いてみる、漢字の形をなぞる、語呂合わせをする、などの方法で、目や耳を使いながら漢字を覚えさせる方法がよいでしょう。

そうすることで、漢字に慣れていないお子さまでも楽しみながら漢字を覚えることができます。

モチベーションを大切に

小学生が漢字を学ぶうえで、「勉強嫌い」「漢字嫌い」にさせないことはとても重要です。
一度苦手意識を持ってしまうと、勉強への意欲をなかなか保てません。
子どもは一度「これは自分にはできない」と感じると、そのまま嫌いになってしまう可能性があります。
まずは、できないことを叱るのではなく、できることを褒めてあげましょう。

保護者として大切なのは、「できたら褒める」「楽しんで覚えさせる」ことを心がけることです。
お子さまは褒めることで自信を持ち、自ら勉強するようになります。
たくさんの漢字を一度に覚えさせようとしたり、必要以上の書き取りを課したりすることはお子さまに苦痛を与えるだけなので、お子さまのペースを見ながら一緒に勉強のスケジュールを考えてあげましょう。

まとめ

漢字を覚える方法として、普段の学習の中で「反復すること」と「実際に使うこと」は非常に重要です。
人間の記憶のメカニズムからも、覚えたことを忘れるのは仕方のないことです。
日常的に漢字を使いながら、何度も繰り返し勉強して、習った漢字を自分のものにしていきましょう。

漢字を勉強しても、大幅に試験の点数がアップするわけではありません。
しかし、漢字を学ぶことで語彙力が鍛えられ、問題を解くために必要な読解力や表現力が身につきます。
長い受験生活を過ごすうえでも、早め早めに覚えていくことを心がけましょう。

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