2021.03.31 2023.10.08
受験生が集中できる部屋とは?レイアウト・配色からアロマまで
多くの受験生は、受験期の多くを自室などの勉強部屋で過ごすことになります。
勉強のためにメインで使う部屋が勉強に集中できる環境になっているかどうかは、受験結果を大きく左右することがあります。
では、どのような部屋作りをすれば勉強に集中できるのでしょうか。
この記事では、勉強に最適な机や椅子の選び方をはじめ、おすすめのレイアウトから集中力を高める配色や香りまで、勉強に集中するためのさまざまな要素を詳しく解説します。
また、勉強部屋以外にも集中できる場所があると、気分転換になり勉強がさらにはかどりますので、併せて紹介します。
集中できる勉強部屋が受験結果を左右する!
受験に成功するためには、限られた時間を有効に使い、効率よく勉強に取り組むことが大切です。そのためには一定時間集中し、勉強の質を高めることが必要になります。
受験勉強に集中するためには、勉強に取り組む環境がとても大切です。詳しく見ていきましょう。
受験勉強は「時間×質」
受験勉強をする際は、時間の使い方が非常に大切です。
集中せずに長時間だらだらと勉強をするのは効率が悪く、記憶の定着もあまり見込めません。短時間でも、あらかじめ勉強する時間を決めて、その間は集中して勉強するようにしましょう。
途中で集中力が途切れてしまったときに、「やる気が出るまで休憩しよう」と勉強をやめて、その場でスマホを見てしまったり、勉強とは関係のない考えごとをしてしまったりすることもあります。
しかし、このような行動はやる気や集中力をそぐばかりで、勉強の質を悪くします。
集中力が切れたときは教科を変えるなどの工夫をし、決めた時間は集中して勉強することが大切です。
なお、決めた時間を超えても勉強に集中できている場合は、時間を気にせず一気に勉強を進めましょう。
部屋の環境が勉強の質を決める
受験勉強に集中するためには、勉強部屋の環境を整えることが重要です。
受験期は長い時間を勉強部屋で過ごすことになるため、勉強部屋の環境が受験結果に影響することは十分に考えられます。
趣味や娯楽など、勉強の妨げになるものが視界に入りやすい環境では、気が散りやすくなります。せっかく勉強を始めようと机に向かっても、すぐに集中力がそがれてしまうのでは受験勉強に身が入らないでしょう。
集中できる部屋作りは、受験勉強をするための準備ともいえます。
集中できる勉強部屋の机と椅子
集中できる勉強部屋に欠かせないものといえば、体の大きさに合った机と椅子です。
座ったときに天板がちょうどよい高さになる広々とした机と、疲れにくい上質な椅子を用意すると、勉強に集中しやすくなります。
ぴったり合った机
机を選ぶ際に重要になるのが、天板の高さです。使う人の身長に対して天板が高すぎたり低すぎたりすると、姿勢が悪くなり、肩こりや腰痛などの不調を引き起こす可能性があります。
子どもの頃に使用していた勉強机を使い続けていると、体の成長につれて高さが合わなくなることもあります。椅子の高さを調節しても姿勢が悪くなる場合には、買い替えを検討するのもよいでしょう。
また、教材やノートなどをたくさん広げても勉強しやすいように、作業スペースが広々とした机を選ぶことも大切です。タブレットやPCを使って勉強する場合には、コードを収納できるものを選ぶと視界がすっきりし、作業スペースを邪魔しません。
棚などの収納スペースがある机がよいと思われがちですが、視界に入る収納スペースには勉強に必要なものだけを置くほうが集中できるため、最小限のものでよいでしょう。
勉強するときは、机の上や目に入る場所には勉強に必要なもの以外は置かないようにしましょう。
最も大切なのは、机の上をいつも整理整頓しておくことです。勉強の前に片付けが必要になるようでは、やる気がそがれてしまったり、スケジュール通りに勉強を始められなくなったりしてしまいます。
椅子は疲れにくい上質なものを
椅子の品質は、長時間座って作業をした際の疲労感に大きく影響します。
そのため椅子にはこだわり、姿勢を補助して長時間座っても疲れにくいように設計された椅子を選びましょう。できれば、プログラマーなどが使うような上質な椅子を使うのが望ましいです。
人間工学では、机に手を置いたときに肘が90度になる高さの椅子が最適とされています。また、足の裏がぴったりと床につくことも大切です。椅子の高さが合っていない場合は、高さを変えたりクッションを使ったりして、最適な高さになるよう調整しましょう。
椅子の背もたれは垂直よりも少し後ろに傾いているほうがよいとされていますが、最近では画面を見る姿勢を補助するものや、集中して作業する際の姿勢を補助するものなど、さまざまなかたちの製品があります。自分の勉強スタイルに合うタイプの椅子を選ぶとよいでしょう。
また、椅子が硬いとお尻が痛くなってしまうので、ある程度クッション性のある椅子を選び、負担を減らしましょう。
高さを調節できるものを選ぶのもよい
使いやすく集中しやすい机や椅子の高さは、人によってそれぞれ異なります。特定の場所だと勉強がはかどらないときは机や椅子の高さが合っていないことが集中の妨げとなっているかもしれません。
机は、体の成長に合わせて高さが細かく調節できるものを選ぶとよいでしょう。天板の高さが調節できるタイプや、脚の長さを調節できるタイプなどがあります。体の大きさにフィットした机で勉強すると疲れにくく、リラックスした状態で集中力が持続します。
一方、椅子は座面だけでなく背もたれの高さも重要といえます。長時間勉強するためには、体に負担がかからないものを選びましょう。座面と同様に、背もたれも調節できるタイプがおすすめです。短時間椅子に座るだけでも腰や肩に疲れが溜まってくる場合は、ポジショニングが理想的ではない可能性があります。椅子に座る際は、よい姿勢を保てる位置を探してみてください。
集中できる勉強部屋のレイアウト
勉強に集中するためには、勉強する際の視覚を意識した部屋のレイアウトも重要です。
ここからは、なぜ視覚からの情報が重要なのか、またどのようにレイアウトしたら勉強に集中できるのかを解説します。
視覚からの情報の重要性
人は五感からさまざまな情報を得ますが、人が認識する情報の9割程度は視覚から得ていることがわかっています。
そのため、勉強しているときに何が目に入るかによって、集中力が変わってくるのです。
勉強部屋のレイアウトを考える際は視覚に着目して、勉強中に目に入るものをコントロールしながら配置しましょう。
気が散るものは隠す
視覚を意識して勉強部屋のレイアウトを行う際は、机の前に座ったときに目に入るものを勉強に必要なものだけにすることが重要です。
勉強に関係がなく気が散るものは、目に入らない場所にしまいましょう。
例えばゲームや漫画、趣味のものなどは、目に入ると気が散り、集中力が途切れてしまうことがあります。勉強をする際には、勉強のことだけを考えられるようにすることが大切です。
勉強に必要なものは目に入りやすくする
辞書や参考書など勉強に必要なものは、つねに見える場所に置き、すぐに手で取れるようにしておきましょう。勉強道具が目に入るところにあると勉強モードに入りやすく、ためらいなく勉強に取りかかることができます。
心理学では「よく目にするものを好きになりやすい」といわれているので、苦手科目の参考書などは、あえて目に入りやすい場所に置いておくのもおすすめです。
勉強机とベッドは近い距離に配置する
勉強を習慣化できれば集中しやすくなります。集中力を持続させるためには、勉強机はベッドから近い位置に配置するとよいでしょう。起きたときにベッドから机が見えると、率先して勉強を行うようになります。起きたらまずは机に向かい、教科書を広げる癖をつけてみましょう。最初はやる気がでなくても、続けていくうちに習慣化できるはずです。
一方、ベッドが近いと睡眠の誘惑に負けてしまうという人は、遅くまで勉強していることで睡眠時間が足りていないのかもしれません。朝は集中力が持続するゴールデンタイムといわれているため、夜は勉強を早めに切り上げてしっかり睡眠をとりましょう。夜遅くまで勉強するよりも朝早く起きて勉強するほうが記憶に残ります。ベッドから起き上がってすぐに勉強に取りかかりたいなら、教科書やノートは開いたままでも問題ありません。
起きてすぐに勉強を行う習慣が身につけば、率先して机に向かうようになるでしょう。
目に入る場所に時計を設置する
勉強する際は、長時間続けるよりも時間を区切って取り組んだほうが集中できます。目に入る場所に時計を設置し、時間を意識することがおすすめです。やみくもに勉強するのではなく「30分で解き終える」「何時から次の教科に入る」など、細かく時間設定を行うことでメリハリが出ます。
卓上時計を机に置いたり、顔を上げた位置に掛け時計を設置したりすることで時間を意識しやすくなります。時間の確認はスマホでもできますが、スマホに触れる機会が多いと集中の妨げになるためおすすめできません。問題に取り組む際には、できるだけ卓上時計を使って時間を計るようにしましょう。
五感すべてに配慮を
勉強に集中するためには、視覚だけでなく五感のすべてに配慮したいものです。
目に入る光や配色、耳に聞こえてくる生活音や音楽、体で感じる暑さや寒さ、鼻で嗅ぎ取るさまざまな香り。これらをつねに快適なものにしておくと、勉強に集中しやすくなります。
光と配色
昼間は、勉強部屋の採光も重要です。
勉強に集中するためには、利き手の反対側に窓がある配置が理想です。利き手の反対側からやさしい光が入ってくると、手元が明るくなるので勉強しやすくなります。
また勉強に集中するには、部屋や机の上を、青色を基調とした配色にするのがおすすめです。
青色にはリラックス効果があり、焦燥感やイライラを緩和してくれるので、余計なことを考えず、リラックスして勉強に集中できます。
音環境
勉強に集中するためには、静かな環境も不可欠です。
しかし、「静かすぎるとかえって集中できない」という人もいます。静かすぎる環境では、自分がページをめくる音やペンを走らせる音、時計の秒針の音などが聞こえて、気になってしまうからです。
図書館などは静かな環境ではあるものの、ほかの利用者もいるため適度に物音がします。そのような環境なら、自分が発する音や時計の音は環境音に紛れて気になりません。
そのため自分の勉強部屋でも、「ある程度の生活音やBGMがあるほうが勉強しやすい」という人もいます。
勉強と音楽の関係、音楽がもたらす効果については、「勉強中に音楽を聴くのはあり?音楽がもたらす効果と集中力アップのコツを徹底解説」の記事に詳しくまとめていますので、ぜひご参照ください。
温度と湿度
勉強は、快適な温度と湿度が保たれた環境で行うのが理想です。
暑さや寒さに耐えながら勉強をすると集中できませんし、体にもよくありません。勉強のために体調を崩してしまっては本末転倒です。
空調には気を使い、快適な温度と湿度を保つようにしましょう。
香り
勉強部屋の香りもまた、集中力に影響します。
不快な臭いがすれば、気になって勉強に集中できないのは当然ですが、香りによっては集中力や記憶力を高められることもあります。
アロマオイル(精油)は、種類によって集中力や記憶力を高めてくれる香りや、リラックスできる香りなどがあり、適切に使えばさまざまな効果を期待できます。
好きな香りがあれば、勉強部屋で使うのもよいでしょう。ただし効果が期待できるといっても、本人の好みに合わない香りは不快な臭いと同じなので逆効果です。
観葉植物
勉強部屋は、教科書やプリントばかりになりがちですが、観葉植物を置くだけで緑がプラスされリラックスできる空間になります。
勉強の合間や集中力が途切れた場合、パッと部屋を見渡したときに観葉植物を目にすると、心が和らいで気分転換になるでしょう。息抜きに水やりをしたり光が当たる場所に移動したりするのもおすすめです。
大きな鉢植えを置くスペースがない場合は、机の上に置いても邪魔にならないサイズの観葉植物を選びましょう。緑色には目の疲れを和らげる効果があるため、つねに視界に入る場所に配置することで効果を実感できます。
また、観葉植物には室内の空気をきれいにする効果も期待できます。吸収した水分を葉から蒸散して、室内を快適な湿度に保ってくれます。種類によっては化学物質を放出することでカビなどを抑制してくれたり、有害物質を吸収分解してくれたりする観葉植物もあります。観葉植物を上手に活用して、より快適な勉強部屋を作っていきましょう。
自分の部屋以外で集中できる場所
受験期は自分の部屋で勉強することが多いものですが、自室以外の場所で勉強することもあるでしょう。自分の部屋ではどうしても集中できないこともありますし、ときには気分を変えて別の場所で勉強したほうが集中できる場合もあります。
自分の部屋以外でも集中して勉強できる場所をいくつか考えておき、上手に使い分けられると、より勉強がはかどります。
リビングのテーブルなど
自分の部屋で集中できないときは、同じ家の中でもあえてリビングのテーブルで勉強するなど工夫しましょう。勉強をしようにもやる気が起こらず、つい怠けたくなるような日は、気分を変えてリビングのテーブルで勉強すると、家族がいることで逆に集中できるということもあります。
またリビングは、食事の時間になると勉強を中断しなくてはならないなど、使える時間が限られています。それがメリハリとなって、かえって勉強の効率を上げることもあるのです。
図書室・図書館
自宅以外で勉強に集中できる場所として、学校や街の図書館を挙げる人は少なくありません。適度に物音がするものの基本的には静かな環境なので、勉強には最適です。
しかし、利用者が多いため席が空いていないこともあります。
また、勉強する人だけが利用するわけではないので、集中がそがれる場合がある点には注意が必要です。
学校の教室
早朝や放課後、学校の教室で勉強するのもおすすめです。教室はもともと勉強しやすいようにレイアウトされているので、最高の環境といえます。
友達を誘って、それぞれ離れた席で時間を決めて勉強するのもよいでしょう。
塾の学習室・自習室
塾には、自習スペースが用意されていることが多いです。授業のない日や、授業前などでも利用ができるため、勉強しやすい環境といえるでしょう。
その塾に通っている人は無料で利用できるケースが多いですが、有料のところもあります。
それでも、自習室は勉強するための部屋なので静かであり、ほかの人も集中して勉強しているので、自然と勉強に集中できることは大きなメリットといえるでしょう。
まとめ
受験生にとって、勉強部屋が集中できる場所になっているかどうかは非常に重要であり、それが受験結果を左右することもあるでしょう。
ちょうどよい高さの机や座り心地のよい椅子をはじめ、五感に配慮した快適な部屋であれば、ストレスなく勉強に集中できます。また、勉強部屋のレイアウトは、目に入るところに気が散るものを置かず、勉強に関するものだけを置くなど、特に視覚に気をつけることがポイントです。
さらに、自分の部屋以外にも集中して勉強できる場所があると、より勉強がはかどります。
家ならリビング、外なら図書館や学校の教室、塾の自習室など、集中して勉強できる場所をいくつか確保しておきましょう。
この記事を家族や友人に教える
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