2016.07.20 2020.11.20
夏休み最大の難関!? 読書感想文を書き上げるポイント
夏休みの宿題の中で、特に苦手としているお子さんが多いのが読書感想文。みなさんのお子さんも「何を書いたら良いのか分からない!」と頭を抱えているのではないでしょうか。小・中・高それぞれの学校の先生に、読書感想文の書き方のポイントを教えてもらいました。
小学生編
さとえ学園小学校 塚田智子先生
書き方のポイント
自分が感じたことを素直に書くこと
読書感想文に必要なのは、低学年は、感じたことや思ったことを自分の言葉で素直に書いて表現すること。高学年は、本の世界観と自分のこれまでの経験を照らし合わせ、感じたことや思ったことを人に伝わるように書くことです。
「◯◯◯の部分が◯◯◯だったからこう感じた」「自分も◯◯◯という経験があるから◯◯◯と思った」というように、その本を通じて自分が何を感じ、学んだのかを具体的に表現すると良いでしょう。自分の本音を出すことが大切です。
メモをとりながら読みすすめ、構成を考える
本を選ぶときは「もっと先が読んでみたい!」と思えるような、興味や関心に合った本を選ぶことが大切です。読みながら溢れ出てくる思いや印象に残った言葉などを、その都度メモに残しておくと良いでしょう。そのメモを元に構成を考えます。
「面白かった」「すごいと思った」という一言で感想が終わってしまいそうな場合には、「どうしてそう思ったのか?」「どんなところが好きだと感じたのか?」を考え、本と向き合いながら書き進めてみてください。
保護者にできること
苦手な子には問いかけをしてあげる
子どもが夢中になって読み進められる本を一緒に探してあげてください。読み進めながら感じたことをメモするのが難しい場合には、「どの部分が心に残った?」「どうしてそう思ったの?」と言葉で問いかけてメモをとらせると良いでしょう。
学校紹介
学校法人佐藤栄学園 さとえ学園小学校
水族館やプラネタリウムなどの充実した教育設備のもと、体験を通じて「学ぶ楽しさ」を知る子どもたちを育てています。
中学生編
開智中学・高等学校 瀬賀亜弥子先生
書き方のポイント
作品をしっかり理解して、気づきを得、分析する
中学生の読書感想文には、豊かな表現やさまざまな内容に触れたうえで、自分の体験を踏まえて考えや意見を深め、表現することが求められます。
読書感想文を書くときのポイントは以下の5つです。
1. 何度も読むことで、しっかりとその作品を理解する。
2. 疑問または気づきを持つ。
3. その疑問や気づきに対して、自分の体験をもとに仮説をたてる。想像する。
4. 文章から分析し、自分の考えを深める。
5. そこから自分はどういう考えにいたったのかに触れる。
考えがぶれるとうまく書けない
読書感想文を書く上で失敗しやすいポイントは、読むことに精一杯になり、あらすじにとらわれすぎてしまうことです。読み取った内容や自分の考えがぶれてしまうとうまく書けなくなります。
保護者にできること
関心を持ちながら見守って
子どもが夢中になって読み進められる本を一緒に探してあげてください。読み進めながら感じたことをメモするのが難しい場合には、「どの部分が心に残った?」「どうしてそう思ったの?」と言葉で問いかけてメモをとらせると良いでしょう。
学校紹介
開智中学・高等学校
創設当初より探究テーマ・フィールドワークを実践し、探究型授業や哲学対話を展開する20年目の学校です。
高校生編
実践学園中学・高等学校 永田有佳先生
書き方のポイント
読書によって自身を成長させ、その感情を説明する
読書感想文を書くためには、まず、書かれていることを実際の自分の生活などに重ねて新しいものの見方に気づいたり、自分の未来への指針にしたりという読書体験ができるような読み方をしましょう。そのうえでその感情を人に説明することが読書感想文には求められます。
多感な時期だからこそ持てる感想は、今このときにしか書けません。背伸びせず等身大の自分を表現することが大切です。
本を選ぶときは分かりやすいテーマをもった作品を
本を選ぶときにあまりエンターテイメント性の高いものを選んでしまうと、面白かったけれど書くことがない、という失敗に陥りがちです。何かわかりやすいテーマを持った作品(「命」「友情」「挑戦」)を選ぶほうが書きやすいです。
また、あらすじを書くのにかなりの分量を使ってしまい、感想については最後のほうに少しだけ、となってしまうと、感想文というより本の紹介になってしまうので気をつけましょう。
もっとも重要な点は、どんな感想であっても自由に述べること、そして無理して難しい言葉を使わないことです。面白く感じなかったなら、どんなところが面白くなかったのか、感動したならどの部分に何を感じたのかを素直に書くようにします。
保護者にできること
実体験に結びつける作業を一緒にしてあげる
お子さんが何を書いたらいいかわからないと悩んでいる場合は、「どこが面白かったか」「何で面白かったか」を聞き、「それってあなたの○○のときと似てるね」「○○に興味があるからそこが気になったのかもね」など、お子さんの実体験を結びつける作業を一緒にしてあげると良いでしょう。紙に向かっているとわからないことも、会話をするうちにまとまってきます。
また、ぜひその課題本を保護者も読んでみてください。一緒に本について話してみると、感想が表面化して書くときのヒントになるかもしれません。
学校紹介
実践学園中学・高等学校
学園は中期5ヶ年教育戦略(New Growth Strategy)のもと、生徒一人ひとりに組織で教育を実践します。
編集担当
ポイントを押さえれば、うちの子も前向きに挑戦してくれるような気がしてきました。保護者にできることもあるようなので、一緒に頑張りたいと思います!先生方、ありがとうございました。私も久しぶりに本を読んでみたいと思います。
この記事を家族や友人に教える
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