2025.02.13

最大公約数とは?最大公約数の簡単な求め方を1から解説!

最大公約数通常.png

最大公約数は小学5年生で最初に学習しますが、高校数学の数学Aでも扱います。

一見、単純に見える最大公約数ですが、数学Aの整数問題では素因数分解やユークリッドの互除法といったものを用いて求める必要があります。

そこで本記事では、最大公約数の求め方について、簡単に解けるよう練習問題を交えて解説していきます。

最大公約数とは?

最大公約数はその名の通り「公約数の中でも最大となる数」のことです。そのためまず約数、公約数について解説します。

約数とは?

約数とはある整数を割り切ることができる数のことです。例えば12の約数は1,2,3,4,6,12の6つです。5や7、8は12を割り切ることができないので12の約数ではありません。

公約数とは?

公約数は「2つ以上の整数に共通する約数」です。例えば12と40の公約数について考えてみましょう。それぞれの約数は以下の通りです。

・12の約数: 1, 2, 3, 4, 6, 12

・40の約数: 1, 2, 4, 5, 8, 10, 20, 40

この中で共通するのは1, 2, 4なので12と40の公約数は1, 2, 4の3つです。どの数も12と40を割り切ることができます。
そして、その中で最大となる4が最大公約数となります。

最大公約数の簡単な求め方とは?

最大公約数を計算する方法については以下のようないくつか方法があります。

約数をすべて書き出す
すだれ算を使う
素因数分解を使う
ユークリッドの互除法を使う

それぞれ紹介していきます。

約数をすべて書き出す

すでに紹介したようにそれぞれの約数を全て書き出してしまえば公約数、最大公約数はすぐに見つかります。

しかし小さい数で簡単に約数を書き出せる場合はいいですが、大きい数になると約数を列挙するのは大変です。約数を書き出す場合には次の性質を使いましょう。

nの約数は$\sqrt{n}$以下の整数で割り切れるかを確認すれば簡単に列挙することができます。

例えば126の約数をこの性質を使って挙げてみましょう。

$11^2 < 126 < 12^2$なので11以下の整数で126が割れるかを確認します。

$126÷1=126$
$126÷2=63$
$126÷3=42$
$126÷4=31$ 余り2 ※割り切れない
$126÷5=25$ 余り1 ※割り切れない
$126÷6=21$
$126÷7=18$
$126÷8=15$ 余り6 ※割り切れない
$126÷9=14$
$126÷10=12$ 余り6 ※割り切れない
$126÷11=11$ 余り5 ※割り切れない

割り切れた場合は計算結果も約数になることに注意すると、126の約数は

1, 2, 3, 6, 7, 9, 14, 18, 21, 42, 63, 126

であることがわかります。

このように$\sqrt{126}$以下の整数、つまり11まで割り切れるかを考えると11より大きい約数が計算結果に出てくるため、nの約数を確かめたいときは$\sqrt{n}$までの整数で割り切れるかを考えればよいということがわかります。

すだれ算を使う

最大公約数を求めるだけならすだれ算を使うのが早く求めることができます。

例えば42と98の最大公約数を求めたい場合は以下のように計算します。

%E3%81%AE%E3%81%A8%E3%81%8D-13.png

2つを割り切れる数が無くなったところで左に並んだ数をかけたものが最大公約数です。
つまり2×7=14なので14が最大公約数と言うことがわかります。

つまり2つに共通する因数を全てかけることで最大公約数がわかるというのがすだれ算を利用した求め方です。

少し頭を使い、共通する因数を見落としてしまいがちな方法なのでしっかりと練習をしてテストに臨むようにしましょう。

素因数分解をする

すだれ算を別々に行うような形でそれぞれの数を素因数分解をする求め方があります。

例えば24と72で最大公約数を求めたい場合は以下のように計算します。

素因数分解について理解をしていない場合は先にこちらの記事を読むことをおすすめします。
素因数分解とは?やり方を問題を交えてわかりやすく解説します!

$24 = 2^3×3^1$
$72 = 2^3×3^2$

と素因数分解でき、それぞれで共通する因数を全てかけたものが最大公約数なので、指数の低い素因数を抽出すると

$2^3×3^1 = 24$

となり、24が最大公約数とわかります。

それぞれ素因数まで分解するため、すだれ算より見落としなく確実に計算できる求め方と言えますが、すだれ算よりスピードは落ちるため、すだれ算に慣れておくことをおすすめします。

ユークリッドの互除法

それぞれの数を使って割り算と余りを繰り返し求めることで最大公約数を求める方法をユークリッドの互除法と言います。

ユークリッドの互除法についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、合わせて参考にしてください。
ユークリッドの互除法とは?計算の仕方や証明をわかりやすく解説!

ユークリッドの互除法を使うと、すだれ算や、素因数分解、約数を書き出すのが難しいような数でも簡単に最大公約数を求めることができます。

例えば513と819の最大公約数を計算する場合は以下のように計算をします。
のとき-17.png

このように次の式の左側に割る数を、右側に余りを移動して計算を繰り返すのがユークリッドの互除法です。

余りが出なくなった時の割る数が最大公約数で513と819の最大公約数は9であることがわかります。

練習問題

1.18と21の最大公約数を求めよ


2.24と42の最大公約数を求めよ


3.222と407の最大公約数を求めよ


まとめ

いかがでしたでしょうか。最大公約数の簡単な求め方を練習問題を含めていくつか紹介しました。

特に大学受験では整数問題で最大公約数を求めて解答に用いる場合が多くあります。共通テストでも出題されることがあるので、さまざまなやり方を覚えておくことが大切です。しっかりと復習をして理解し、効率よく最大公約数を求められるようにしましょう。

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