2024.06.28
連立方程式は簡単!基本問題の解き方から文章題の解き方まで徹底解説します

連立方程式は中学数学で出てくる単元で、苦手な中学生も多いです。
つまずきやすい理由は一元方程式や分数、小数など、これまでに学んだ数学の内容が一挙に出てきて総合力が問われ、また、使う文字や式が増えるため、問題が複雑になるためです。
そこで、この記事では連立方程式の解き方を練習問題を交えて、わかりやすく解説していきます。ぜひ、連立方程式を解く際の参考にしてみてください。
連立方程式ってなに?
方程式が複数組み合わさってできているものを連立方程式といいます。
求める文字の値が1つの場合、一元方程式が1つあれば、文字の値が求まります。(文字の種類が1つの方程式を一元方程式といいます。)
一元方程式の例

求める文字の値が2つ以上になった場合、求める文字と同じ数だけ方程式を用意して、文字の値を導き出す必要があります。
(求める文字が3つの場合三元方程式と言いますが、中学数学で扱う連立方程式のほとんどが求める文字の値が2つの連立方程式です。)
連立方程式の解き方はこれ2つ!
連立方程式の解き方は加減法と代入法があります。
どちらの解き方も連立方程式のどちらかの文字を消して、連立方程式を一元方程式に変化させて解いていきます。
それでは、加減法と代入法について説明していきます。
加減法
加減法は与えられた方程式を足したり引いたりすることで片方の文字を消し、一元方程式に変化させる解き方です。
例題1

文字を片方消すことが連立方程式を解くコツです。今回の問題の場合、yの係数に着目してみてください。
①の式のyの係数は2、②の式の係数は−2となっています。①の式+②の式をすることによりyを消すことができます。
①+②

yを消し、xだけの一元方程式に変化させることができ、xの値を求めることができました。
xの値を求めたら、①または②の式にx=3を代入してみましょう。今回は①の式に代入してみます。

以上のようにx=3,y=1と連立方程式を解くことができました。
答えの書き方はさまざまありますが、学校で習った書き方をすれば間違いないでしょう。
例題2

今回の問題の場合はどうでしょうか。
まず、例題1と同じように式の左辺を文字の式、右辺を数字のみの式にするために移項してあげましょう。

例題1のように、ただこのまま足したり、引いたりするだけではどちらの文字も消すことはできません。係数が①の式と②’の式で違う場合、係数をまず揃える必要があります。
①の式のyの係数が4、②’の式のyの係数が2となっているため②’の式に2をかけることによってyの係数が揃えられます。
②’×2

yの係数を揃えることができたので計算していきましょう。

yを消すためには引き算をしなければなりません。
①−②”

xの値を求めることができました。xの値を求めたら、①または②の式にx=1を代入してみましょう。今回は①の式に代入してみます。

以上のようにx=1,y=2と求めることができました。
加減法は係数を揃えて、足したり引いたりして文字を一つにすることがポイントです。係数が揃っていない場合は2つの係数の最小公倍数で揃えてあげるとよいでしょう。
加減法のおさらい
1.連立方程式の係数に注目し、どちらかの文字の係数に揃える
2.片方の文字を消すために、二つの式を足したり引いたりして一元方程式にする
3.一元方程式を解き、出てきた文字の値を使ってもう片方の文字の値を求める
代入法
代入法は一つの文字に対しての式を作って、もう一方の式に代入することによって片方の文字を消し、一元方程式に変化させる解き方です。
例題3

この時、①の式がx=〇〇という形になっていることに注目します。代入法は片方の文字式を使って、もう一方の文字式に代入します。
この例題のようにx=〇〇やy=〇〇となっている問題では代入法を使うことで楽に解くことができます。それでは①の式を②の式に代入してみましょう。

代入したことでyの値を求めることができました。それではy=-1を①の式に代入してみましょう。

以上のようにx=1,y=-1と求めることができました。
例題4

①の式がy=〇〇という形になっていることに注目します。それでは①の式を②の式に代入してみましょう。

代入したことでxの値を求めることができました。それではx=1を①の式に代入してみましょう。

以上のようにx=1,y=2と求めることができました。
例題5

今回の問題の場合はどうでしょうか。
例題3や4のようにx=〇〇、y=〇〇となっていないので、代入法を使って解く場合、x=〇〇、y=〇〇の形に移項して、直してあげましょう。

x=〇〇の形にすることができたので、後は例題3同様に②の式に代入して、文字の値を求めます。

代入したことでyの値を求めることができました。それではy=0を①'の式に代入してみましょう。

以上のようにx=2,y=0と求めることができました。
例題6

今回の問題の場合はどうでしょうか。
例題3同様に①の式をy=〇〇の形にして②の式に代入しても解けますが、y=〇〇の形にすると分数が出てきて計算がめんどくさいです。計算量が増えると計算ミスも増えるので、工夫して計算してみましょう。
②の式を見てみると4yがあります。ここに注目して、まずは①の式を移項して両辺を2倍し、4y=〇〇の形にしてみましょう。

では②の式に①'の式を代入してみましょう。

代入したことでxの値を求めることができました。それではx=5を①’の式に代入してみましょう。

以上のようにx=5,y=-2と求めることができました。
代入法は一つの式から、一つの文字をもう片方の文字で表す式を作り、もう片方の式に代入して、文字を一つにすることがポイントです。
代入法のおさらい
1.連立方程式を移項して、文字をもう片方の文字で表す
2.表した式をもう一方の式に代入して一元方程式にする
3.一元方程式を解き、出てきた文字の値を代入して、もう片方の文字の値を求める
連立方程式の解き方を2つ紹介しました。
「どっちの解き方を使えばいいの?」と思った方もいらっしゃるかと思います。
もちろん自分が解きやすい解き方で行うのがよいですが、代入法は計算量が多くなり、場合によっては計算機を使いたくなる場面があります。一般的には加減法を使って解いたほうが二次方程式を解く時間が短くなったり、計算ミスが減るでしょう。
元の式がx=〇〇やy=〇〇の問題の場合、式を移項する際に時間がかかったり、計算ミスをすることが減るため、代入法を使って解くほうが簡単になります。
実際に解いてみよう!連立方程式の練習問題
練習問題1

練習問題2

これだけ理解すれば大丈夫!連立方程式の文章題の解き方3ステップ!
連立方程式の基本的な解き方を理解できたら次は文章題に挑戦してみましょう。
連立方程式は文章題として出題されることが多いです。文章題を解くときに押さえていただきたい3ステップを解説していきます。
ステップ1.求める値を文字で置き、連立方程式を作る
一元方程式の文章題の場合、求める値をxと置いて式を作りました。
連立方程式の場合、求める値が2つ以上になりますが基本的な式の作り方は同じです。求める値を文字で置いて式を作ってみましょう。
この時注意してほしいことは単位に注目して式を作ると言うことです。連立方程式の左辺と右辺は同じ単位になります。置いた文字の単位を忘れないようにして左辺と右辺の単位をそろえるようにすると式を作りやすくなります。
ステップ2.片方の文字を消す
連立方程式を作ることができたら加減法か代入法を使って片方の文字を消し、一元方程式に直して文字の値を求めてみましょう。
ステップ3.最終チェックをする
最終チェックをすることによって、連立方程式を解いて求めた文字の値を確認しましょう。
求めた文字の値を元の2つの式に代入することによって式が成り立つか確認することができます。合っていない場合はもう一度計算することによって解き直してみることが重要です。最終チェックをすることによって計算ミスが減り、正答率も上がるはずです。
文章問題の解き方で確認
文章問題の例題を実際に上で説明した3ステップを使って確認していきます。
基本問題
A君がトマトを3個、キュウリを4本買うと金額は630円でした。B君がトマトを5個、キュウリを2本買うと金額は770円でした。
トマトとキュウリの値段を答えなさい。
ステップ1
文章問題ではまず求める値を文字で置きます。今回の例題の場合、求める値はトマトとキュウリの値段ですのでトマトの値段をx、キュウリの値段をyと置いてみましょう。
A君の場合、x円のトマトを3個、y円のキュウリを4本買って、金額は630円でしたので次のような式になります。

B君の場合も同様に式を作ると以下の式になります。

求める文字の値が2つ、求める文字が入っている式を2つ作れたので連立方程式の完成です。
ステップ2
実際に加減法か代入法を使って片方の文字を消し、一元方程式にして文字の値を求めてみましょう。

加減法と代入法好きな解き方で解いてみましょう。答えはx=130,y=60となり、トマトが130円、キュウリ60円となります。
ステップ3
求める文字の値がでたら①と②の式に代入して確認してみます。①の式と②の式にx=130,y=60を代入してみて、式が成立するか試してみましょう。

①と②の式両方で式が成立しましたので最終チェックもできました。
応用問題
連立方程式の文章題として、食塩水に関する問題が出題されやすいです。分数を使った式になり、計算が難しく感じる方も多いかと思いますが、解き方は普通の連立方程式の問題と一緒です。
では、3ステップを使って解いていきましょう。
5%の食塩水と10%の食塩水を混ぜて8%の食塩水を200g作ります。5%の食塩水と10%の食塩水をそれぞれ何g混ぜれば作れるかを求めなさい。
ステップ1
求める値を文字で置きます。今回の例題は求める値が食塩水のそれぞれの量ですので、5%の食塩水の量をxg、10%の食塩水の量をygと置きます。合わせて200gの食塩水を作るため、一つの式は

となります。左辺と右辺が同じ単位になることを確認しておきましょう。
次に、食塩水に含まれている食塩の量についての式を作っていきます。食塩水の濃度の%は食塩水100g中に含まれている食塩の量を表しています。よって、二つ目の式は

となります。
求める文字の値が2つ、求める文字が入っている式を2つ作れたので連立方程式の完成です。
ステップ2
実際に加減法か代入法を使って片方の文字を消し、一元方程式にして文字の値を求めてみましょう。
まず、②の式が分数になっていてそのまま計算すると大変なので、両辺に分母の100をかけて分母を消します。

加減法と代入法、好きな解き方で解いてみましょう。答えはx=80,y=120となり、5%の食塩水を80g、10%の食塩水を120g混ぜると8%の食塩水を200g作れるということになります。
ステップ3
求める文字の値がでたら元の式に代入して確認してみます。①の式と②’の式にx=80,y=120を代入してみて式が成立するか試してみましょう。

①と②'の式両方で式が成立しましたので最終チェックもできました。
文章から連立方程式を作るのには慣れが必要です。たくさんの問題を解くことで連立方程式の文章問題に慣れていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
連立方程式の解き方を解説しました。連立方程式が苦手な方も多いと思いますが、解説した解き方を丁寧に実践してみることで連立方程式を解くのが簡単になります。
この記事が連立方程式を得意になる手助けとなれば幸いです。
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