2024.03.11
【簡単】二次方程式の解の公式と、判別式についてやさしく解説します!

中学3年生で習う公式の1つに二次方程式の解の公式があります。解の公式を自由自在に操れると、二次方程式の解をすぐに出せるようになります。
しかし、解の公式には平方根や分数が出てきます。単純に計算としてやっかいなだけではなく、文字が多く出てくるため、覚えるのが苦手な人にとっては難しい公式です。また、覚えられても意味が理解できない、と悩んでいるお子さまも多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、解の公式・xの係数が偶数の時の解の公式の導出についてそれぞれ説明します。また判別式についても合わせてやさしく解説します。導出を理解することで、暗記が苦手なお子さまでも解の公式を自在に扱えるようになるはずです。
二次方程式の解の公式とは?

二次方程式の解の公式はこちらです。
二次方程式の係数a・b・cをこの公式に代入するだけで、解(x)の値が自動的に求まるという、便利な公式です。
学校でこの公式を暗記するように言われ、暗記が苦手な人や、原理を理解したいという人はモヤモヤしているかもしれません。しかし、この公式は導出することができます。暗記が苦手な人でも、何度も導出しているうちに結果的に覚えられるはずです。この記事で1から導出できるようにしましょう。
解の公式の証明

から式変形をしていきます。まず定数のcを右辺に移項し、両辺をaで割ります。

次に、「平方完成」を行います。平方完成とは、二次式を無理やり2乗の形にすることを言います。
具体的には、二次式を(xの一次式)の2乗+(余った数)という形に変形します。
平方完成についてはこちらの記事で詳しく解説しています。平方完成を理解したい方はあわせて参考にしてください。
平方完成のやり方を簡単解説!平方完成の意味や使いどころ、練習問題を紹介!
左辺を平方完成すると以下のようになります。

平方完成で出てきた定数を右辺に移項し、通分します。

両辺の平方根を取ります。

最後に左辺の定数を移行して整理すれば、解の公式の完成です。

いかがでしたか?
平方完成するところができれば、あとは整理するだけなので、平方完成が肝だということを覚えておきましょう。テストでいざと言う時に解の公式を忘れてしまっても、導出できれば安心です。
xの係数が偶数の時の解の公式

この解の公式は、bの部分が偶数の時だけ使うことができます。
普通の解の公式でも求めることはできますが、計算量が少なくなり、ミスが減るため使えると便利な公式です。こちらも通常の解の公式同様、暗記する必要はなく、導出することが可能です。
bが偶数の時の解の公式の証明
元々の解の公式

に、b = 2b’を代入します。

分母分子を2で約分します。

いかがでしたでしょうか。
通常の解の公式がわかっていれば、それを変形するだけで、簡単に導出することができます。
bが偶数の場合計算を省略できるため、こちらの解の公式もぜひ使えるようにしましょう。
二次方程式の判別式とは?
判別式とは結論から言うと、二次方程式の実数解がいくつあるのかを判定できる公式です。

この二次方程式の解の公式の中には平方根が含まれています。もし、平方根の中身が負になった場合、実数解を持たないことになります。
高校生になると「虚数解を持つ」と習いますが、中学の数学では「(実数)解がない」と言います。
また、平方根の左には±があります。平方根の中身が0になる時は±0、すなわち解が

の1つになります。これを重解を持つと言います。
このように、平方根の中身の値によって、実数解の個数が変わることがわかります。
そこで、平方根の中身だけ抜き出した

を判別式(Dは英語表記"discriminant"の頭文字から)と呼び、その値によって二次方程式の解がいくつあるのかを判別します。
D > 0 :実数解を2つ持つ
D = 0 :実数解を1つ持つ(重解を持つ)
D < 0 :実数解を持たない
また、判別式も解の公式同様に、xの係数が偶数の時の判別式が存在します。

通常の判別式と同じく、平方根の中身を使いこのように表します。

なぜD/4と書くのか?については、もともとの判別式にb=2b’を代入すると

となり、両辺を4で割った式が上記の式になるからです。
こちらを使う理由も、解の公式同様に単純に計算量を減らすためです。
解の公式の練習問題
最後に解の公式、bが偶数の時の解の公式を使う練習をしてみましょう。
以下の練習問題を解の公式を使って解いてみてください。

解答
(1)では通常の解の公式、(2)ではxの係数が偶数の時の解の公式を用いています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、解の公式と判別式について解説しました。
単に暗記しようとするとなかなか覚えられない解の公式や判別式も、導出方法を知り、繰り返し導出することで覚えられるようになります。
xの係数が偶数の時の解の公式や判別式も、実際に使ってみるとわかりますが、かなり計算量が減ります。何度も導出や練習問題を解いて、自分のものにしましょう。
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