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2021.04.13      2023.11.14

高校の入学費用はいくら?入学金以外にかかる費用も紹介

高校の入学費用はいくら?入学金以外にかかる費用も紹介

高校に入学する際には、どれくらいの費用がかかるかご存じでしょうか。
高校の入学時にかかる費用は思いのほか高額になることもあるので、事前にかかる費用を確認し、早いうちから準備をしておくことが大切です。

この記事では、公立高校(県立高校)と私立高校それぞれの入学金の平均や、その他入学時に必要になる費用の具体的な内訳を紹介します。高校入学には、入学金だけでなく、入学準備や入学後に必要になる費用もあるため、併せて確認しておきましょう。

また「高校入学の費用が足りないときはどうしたらよいか」についても解説しますので、参考にしてください。

高校入学に必要な入学金はいくら?

高校入学に必要な入学金は、公立高校(県立高校)と私立高校で大きな差があります。
公立高校(県立高校)と私立高校の入学金は、それぞれ以下のとおりです。

公立高校(県立高校)の入学金と支払い時期

公立高校(県立高校)の入学金は全国的にほぼ同じ金額で、福岡県、佐賀県、鳥取県、長崎県は5,550円、その他の都道府県は5,650円です。

【公立高校(県立高校)の入学金=5,550円または5,650円】

※2023年(令和5年)10月時点



入学金の支払い時期は自治体によって異なりますが、合格発表後すぐに支払わなければいけないところもあるので注意が必要です。

私立高校の入学金と支払い時期

私立高校は学校によって入学金が変わりますが、文部科学省の令和元年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果によると、私立高校の入学金の平均金額は16万3,362円でした。
ただしこれはあくまで平均金額であるため、学校によって比較的安価な高校や、平均を大きく上回る金額が求められる高校もあります。

【私立高校の入学金(平均)=約16万円】

公立高校(県立高校)と比べると、私立高校の入学金はかなり高い傾向にあることがわかります。
公立高校(県立高校)と比べ、私立高校の場合は受験時期が1月後半あたりから2月前半あたりに集中する傾向にあり、受験の時期が早いため、入学金を支払うタイミングも早くなります。
したがって、公立高校(県立高校)を第一希望としている場合は、私立高校の「延納制度」を利用しない限り、入学金を私立高校に早く支払う必要があります。
延納制度とは、入学手続きの際に、公立高校(県立高校)の合格発表まで、入学金や学費の納入の全部または一部を待ってくれる制度のことです。
学校によってこの制度の有無は変わるので募集要項を読んで確認しましょう。

高校入学の費用として必要なのは入学金だけではない!

高校入学にかかる費用は、入学金だけではありません。制服をはじめ、入学準備のために用意しなくてはならない費用もいくつかあります。
これらの費用もまた、公立高校(県立高校)よりも私立高校のほうが高額になるケースが多いといえます。

ここからは、入学金以外にかかる費用として、学校納付金や入学時に購入が必要になる入学準備品を紹介します。費用は高校によって異なるため、志望校ではどのようなものを購入する必要があるのか早めに確認しておきましょう。

学校納付金

学校には、授業料や寄付金を含む「学校納付金」を納める必要があります。

文部科学省の令和3年度子供の学習費調査によると、

【公立高校の学校納付金=平均3万2,805円】

【私立高校の学校納付金=平均11万5,808円】

大抵、入学金と同程度の高い額を納めなければいけないため、見積もりに必ず含めるようにしましょう。

引用元: 令和3年度子供の学習費調査

制服

制服は、男子と女子で金額が異なる場合もあります。また、夏服と冬服をそれぞれ一式購入することになるため高額になります。
シャツやソックスなどは複数購入しておく必要があるため、制服の購入費は学校が提示しているものより多めに見積もっておいたほうがよいでしょう。

体操着(ジャージ)

体操着は、半袖と長袖の上下をそれぞれ購入するのが一般的です。

しかし、部活動で体操着を着る機会が多い場合や、時間割の都合で体育の授業がある日が続く場合には、複数購入しておいたほうが便利です。そのため何着購入するのかは事前に決め、見積もりに含めておきましょう。

靴類

通学靴は特に指定されない高校もありますが、全て指定だった場合は以下のような靴類をそれぞれ購入することになります。

・革靴(通学用)
・運動靴
・体育館履き
・上履き

中でも革靴は高い傾向にあるため注意が必要です。

カバン類

最近では指定の通学カバンはショルダータイプやリュックタイプの容量が大きいものも増えていますが、革の学生カバンの場合は教科書以外の荷物を持ち歩くために別途リュックサックなどを用意することになる場合もあるため、その点も加味しておきましょう。

教科書やその他教材

義務教育である中学校までは、教科書代は不要でした。しかし高校では教科書代がかかり、他にもさまざまな教材費がかかります。
例えば最近はICT教育の導入が進み、1人1台タブレットを購入しなければならない高校も増えているので、その場合はさらに費用が高くなります。

バスや電車の定期券

高校が徒歩や自転車で通える距離にある生徒以外は、通学のためのバスや電車の定期代が必要になります。高校が遠方であればあるほど、当然定期代も高くなります。

平成30年に神戸市が市内の高校へ通う生徒を対象に行った通学定期代に関する調査によると、3ヵ月の定期代の平均は約2万4,000円でした。

高校によっては、高校が運行している専用スクールバスを利用できる場合もあります。
しかし、利用の際の費用について無料か有料かは学校によって違います。とある私立高校では、スクールバスの利用には月に6,800円ほどかかるそうです。

設備費・授業料の一部

私立高校では、入学時に設備費や授業料の一部を前払いすることがあります。私立高校の設備費や授業料は、学校によって異なるため確認しておきましょう。

入学費用や準備費用を合わせるといくらになる?

入学費用と準備費用を全て合わせると、いくらくらいになるのでしょうか。
ある私立高校では、入学時にかかる費用は全て合わせると50万円以上になるといわれています。
一方、公立高校は入学費用が安く、タブレットなどの特殊な教材の購入が必須でない学校のほうが多いでしょう。設備費や授業料の前払いなどもないので、20万円弱程度と見積もっておいてよいのではないでしょうか。

結果として、入学費用・準備費用の合計額はおおよそ以下のように見積もれます。
・公立高校……20万円弱
・私立高校……50万円以上

私立高校の入学を辞退した場合、入学金は返還される?

公立高校が第一志望だったとしても、併願で私立高校を受験する場合もあります。
その際、私立高校の入学金をいつ支払うのか、入学を辞退した場合に入学金は返還されるかどうかは、とても重要な問題です。

公立高校に合格して私立高校の入学を辞退した場合、入学金は返還されるのでしょうか。

入学金が返還されるかどうかは高校により異なる

入学を辞退した場合に支払った入学金が返還されるかどうかは、高校によって対応が異なり、以下の3パターンに分かれます。

・一切返還しない
・一部返還する
・全額返還する

私立高校を併願する際には注意が必要

併願で受験する私立高校を選ぶ際は、入学金の支払期限が公立高校(県立高校)の合格発表の前か後かを確認しておきましょう。
公立高校(県立高校)の合格発表後が入学金の支払期限の場合、返還されるかどうかを気にする必要がないため安心です。

公立高校(県立高校)の合格発表前に入学金を支払う必要がある私立高校を受ける場合は、入学を辞退した場合に入学金が返還されるかどうかを事前に調べておきましょう。

高校の授業料はいくら?

高校の授業料はいくら?

高校に入学すれば、入学費用や準備費用だけでなく、授業料の支払いも必要になります。
授業料も、公立高校(県立高校)と私立高校では金額が大きく異なります。

公立高校(県立高校)の授業料

全日制の公立高校(県立高校)の授業料は、全国一律月額9,900円です。つまり年額だと11万8,800円になります。

【公立高校(県立高校)の授業料……年額11万8,800円】

私立高校の授業料

私立高校は、学校によって授業料が異なります。
文部科学省の令和元年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果によると、私立高校の授業料の平均は年額約40万円という結果になっています。

私立高校の授業料の支払い方法は、学校によって月払い、四半期払い、半期払い、年払いなどと異なるので、こちらにも注意が必要です。

【私立高校の授業料(平均)……年額約40万円】

高校入学の費用が足りないときの対処法

ここまで高校入学の費用について解説しましたが、「思ったよりも入学費用が高く、急には支払えない」という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、高校の入学費用に利用できる公的制度や、教育ローンを利用するなどの方法を使えば、高校の入学費用を捻出することができます。 ここからは、高校入学の費用が足りない場合の対処法を紹介します。

「高等学校等就学支援金制度」を利用する

多くの人が利用できる制度に、高等学校等就学支援金制度があります。
高校入学の際にこれを利用できるのは「保護者の市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額」が30万4,200円未満で、年収の目安としては910万円未満の世帯です。

公立高校(県立高校)の場合は月額9,900円が支給されるため、授業料は実質無償になります。
私立高校の場合は、年収(目安)によって支援金の額が以下のように変わります。

・年収590万円以上910万円未満の世帯……11万8,800円(月額9,900円)
・年収590万円未満の世帯……39万6,000円(月額3万3,000円)

この制度は、高校入学後に学校を介して申請するものです。支援金は保護者に支払われるのではなく、学校に直接支払われて授業料に充てられます。そのため、手続きが完了して学校に支援金が支払われるまでの間は、授業料を自己負担する必要がある点には注意が必要です。
私立高校の授業料は月額支払いの学校もあれば、四半期払い、半期払い、年払いの学校もあるので、一時的なものとはいえ負担額が大きくなる場合があります。入学する高校の授業料の支払い方法に応じて、ある程度の学費は準備しておかなくてはなりません。

また、最近は家計急変支援といった制度もあります。
保護者等の負傷・疾病による療養のため勤務できないこと、その他自己の責めに帰することのできない理由による離職など、従前得ていた収入を得ることができない場合に授業料を支援する制度です。

就学支援金制度については、以下の記事でより詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
「高校無償化」について制度の仕組みや手続きの流れを解説

自治体ごとに利用できる費用支援制度を利用する

また、自治体ごとに独自に用意している支援制度を利用する方法もあります。

例えば、東京都には「授業料軽減助成金」という制度があります。
これは、東京都内在住の私立高校に通う生徒の保護者の経済的な負担を軽減するために、都が授業料の一部を助成する制度です。

・対象……生徒と保護者が都内に在住し、年収の目安が910万円未満の世帯
・軽減額……年35万6,200円

※2023年(令和5年)10月時点



なお、対象世帯および助成額は、年度によって変更となる場合がありますので、利用時には必ず最新情報を確認するようにしましょう。

教育ローンを利用する

教育ローンとは、日本政策金融公庫の教育一般貸付のことです。

固定金利は2.25%、返済期間は最長15年という条件で借入ができます。
高校の在学期間中は利息分のみの返済も可能なので、在学中の返済負担を抑えることができます。

※2023年(令和5年)10月時点



教育ローンは、原則1人あたり350万円まで借りられますが、一定要件に該当する場合は450万円まで借りることもできます。また、ひとり親家庭や交通遺児家庭など、家庭の状況によっては金利や返済期間の優遇もあります。

自治体の就学支度費の対象になるか確認する

所得税非課税世帯の場合は、無利子で借りられる就学支度費というものもあります。
これは市町村の生活福祉金貸付制度の1つで、50万円までなら無利子で借りられる制度です。

返済開始は高校卒業後からでも可能で、返済期間も20年以内と長期返済が可能です。高校入学の費用が心配な方は、就学支度費の対象になるかどうかも確認しておきましょう。

まとめ

高校の入学費用は、公立高校(県立高校)と私立高校で大きく異なります。入学費用だけでなく、制服代やカバン代、教材費、通学定期代、設備費・授業料の前払い金などもかかります。これらを合わせると、公立高校(県立高校)では20万円弱、私立高校では50万円以上を入学時に支払うことになります。

また、私立高校の入学を辞退した場合に入学金が返還されるかどうかは学校によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
授業料も公立高校(県立高校)と私立高校には大きな差があり、公立高校(県立高校)は年額約12万円、私立高校は年額約40万円です。

高校入学の費用が足りない場合は、公的制度を利用する方法もあります。高校入学の費用に充てられる公的制度はいくつかあり、利用することで私立でも授業料が実質無償になるケースもあります。それらの制度を利用できるかどうか、早い段階で調べておくようにしましょう。

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