2021.02.15 2023.11.02
偏差値の調べ方とは?計算方法から偏差値アップのコツまで解説
受験生に限らず、「偏差値」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。偏差値は受験生にとって重要な数値であり、受験生はそれを指標として受験勉強を進めていくことになります。
偏差値は受験において重要な意味を持ちますが、具体的な仕組みや計算方法を熟知している人は少ないでしょう。模試や予備校などで発表されている偏差値は、どのように計算されているのでしょうか。
今回は偏差値そのものの仕組みや計算方法を見ていきましょう。
なお、大学受験の偏差値の見方ついては以下の記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
大学受験の偏差値はどう見ればいい?正しい見方から上げ方まで
受験生は必ず知っておきたい偏差値の仕組み
偏差値は志望校を決める際や、受験勉強を進めるにあたって重要な存在です。まずは、偏差値の仕組みから確認していきましょう。
そもそも偏差値とは?
偏差値は、受験生全体の中の自分の学力を表す数値です。
試験ごとに平均点が異なるため、例えばある試験の得点が80点であっても、それが受験生全体の中でよいか悪いかを判断することができません。
そこで、平均点を「偏差値50」とし、これを基準に平均点からどれだけ離れているかで偏差値を算出します。そのため平均点が異なるテストでも、偏差値を用いて比較することが可能になるのです。
志望校の合格判定も偏差値をもとに算出される
模試を受けたことがある人は、その結果の中に志望校の合格判定が記載されているのを見たことがあるでしょう。合格判定は、偏差値をもとに算出されます。
受験では合格者の人数が決まっており、得点が高い受験者から合格が決まっていきます。「〇点以上は全員合格」など、確実に合格できるラインというものはなく、その試験を受けた受験生の得点の分布によって合格のボーダーラインは変わるのです。
したがって志望校に合格する確率を知るためには、同じ高校を目指す受験生の中の、自分の学力の位置を知る必要があります。
偏差値を知ることは、自分の現在の学力と志望校に合格する確率を知る上で非常に重要です。偏差値や合格判定を指標とすることで、志望校合格に向けて効率よく勉強を進められるでしょう。
受験者数が多い試験ほど偏差値の信頼性が高くなる!
偏差値は、平均点との差や受験生全体の得点のばらつきをもとに算出されます。そのため、受験者数が少ないと収集できるデータが少なくなり、偏差値としての価値は低くなるのです。
また、複数の試験を同じ受験生が受ける場合は偏差値を比較しやすいのですが、それぞれの試験を別の受験生が受けると、偏差値の比較が難しくなります。偏差値を有効活用するためには、大人数かつ同じメンバーが試験を受ける必要があります。
各学校の偏差値はどのように計算されているの?
「〇〇高校は偏差値70」など、学校ごとの偏差値が発表されているのを見たことがある人は多いでしょう。例年大手予備校などから発表される各校の偏差値は、「予想偏差値」または「結果偏差値」で算出されます。2つの偏差値の違いは何でしょうか。
予想偏差値
予想偏差値とは、模試の受験生が記載した第1・第2志望校をリサーチし、各校の合格ラインを予想して算出される偏差値のことです。志望校ごとに、過去の受験者の成績や翌年の入試日、定員、入試科目の変更といった情報をもとに偏差値を算出します。
その名のとおり、特定の学校の志望人数と各受験生の成績から「この学校に合格するためには、このくらい偏差値が必要」と予想したものといえます。
結果偏差値
結果偏差値とは、模試の結果と実際の入試結果をもとに算出された偏差値のことです。各学校の実際の入試合格者の成績をもとに、模試の偏差値がどの程度なら合格できるかを統計的に算出します。
多くの予備校では結果偏差値を採用していますが、8割以上の合格者で算出する「80%合格値」や、6割以上の合格者で算出する「60%合格値」など、予備校によって採用する基準は異なります。
自分でも計算できる!偏差値の計算方法とは
模試を受験すると結果に偏差値が記載されていますが、自分で偏差値を算出することもできます。ただし偏差値の計算に必要な情報はいくつかあり、正しい情報を収集した上で、順序立てて計算することが大切です。
ここからは、自分でできる偏差値の計算方法について解説します。
偏差値を計算できる公式
偏差値を計算する際は、「偏差値=(得点-平均点)÷標準偏差×10+50」という公式を利用します。
ここで必要となるのが、「平均点」と「標準偏差」です。この2つの値を算出するには、受験者全員の得点が必要になります。
今回は、Aさん30点、Bさん30点、Cさん50点、Dさん50点、Eさん60点、Fさん60点、Gさん70点、Hさん70点、Iさん90点、Jさん90点の計10人の受験生を例に、それぞれの計算方法を見てみましょう。
平均点の計算方法
平均点の計算方法は、同じ試験を受けた受験生全員の得点を合計し、それを受験者数で割るのみです。今回の例では、平均点は以下のように計算します。
(30点+30点+50点+50点+60点+60点+70点+70点+90点+90点)÷10人=60点
今回の試験の平均点は、60点となります。
標準偏差の計算方法
次は、標準偏差の計算方法です。まず、受験生全員のそれぞれの得点から、平均点を引きます。さらにその数値を2乗し、それぞれの数値をすべて足した後、受験者数で割り、正の平方根を求めます。少し計算が複雑ですが、各数値をまとめたのが以下の表です。
得点から平均点を引いたものを2乗した数値をすべて足すと、以下のようになります。
900+900+100+100+0+0+100+100+900+900=4,000
これを受験者の数で割ると400になり、正の平方根を求めると20です。
よって、この試験における標準偏差は20ということになります。
平均点と標準偏差を公式に当てはめる
求めた平均点と標準偏差を、「偏差値=(得点-平均点)÷標準偏差×10+50」の公式に当てはめます。例えば試験で90点を取ったIさんとJさんの偏差値は、以下のように計算します。
偏差値=(得点:90点-平均点:60点)÷標準偏差:20×10+50=65
となり、2人の偏差値は65になります。
同じ受験生が再度試験を受けた場合は、1回目の試験と2回目の試験で偏差値の違いを把握できます。仮に得点が同じでも、他の受験生の得点状況により偏差値が高くなったり低くなったりするのです。
偏差値を上げたい!受験生におすすめの偏差値アップのコツ
偏差値の仕組みがわかったところで、受験生が知りたいのは偏差値を上げるための勉強方法でしょう。志望校合格に向けて偏差値を上げるためにはどうしたらよいのでしょうか。ここからは、偏差値アップのコツについて解説します。
基礎をしっかり固める
受験勉強で最も大切なのは、基礎を固めることです。特に偏差値が50に届いていない場合は、基礎ができていない可能性が高いといえます。
入試では、基礎がわかれば解ける問題も多く出題されます。基礎を固めておけば、応用問題は解けなくても、全体の50~70%は解けるでしょう。解ける問題が多くなると偏差値も上がるため、偏差値アップを目指すなら、まずは基礎固めに注力するべきです。
自分の得意科目と苦手科目を分析する
受験勉強を進める中で、自分の学力を客観的に判断するのは難しいでしょう。しかし志望校合格を目指すなら、定期的に自分の学力を把握し、必要に応じて軌道修正をすることが大切です。
そこで活用したいのが、定期的に実施されている模試です。模試を利用すれば、直近の学力を把握できるだけでなく、自分の得意科目や苦手科目を知ることも可能です。
模試の結果をその後の勉強に反映させれば、効率よく勉強を進められるでしょう。受験のリハーサルとしての効果もあるので、受験生はなるべく模試を活用することをおすすめします。
苦手科目を重点的に勉強する
模試で自分の得意科目と苦手科目を把握したら、苦手科目を重点的に勉強するようにしましょう。得意科目をより伸ばすことも大切ですが、偏差値を上げるためには苦手科目を克服する方が効果的です。
苦手科目は勉強のスピードも遅くなるものなので、ある程度時間をかける必要があります。「苦手科目を克服しただけで偏差値が大幅に上がった」という受験生も少なくありません。
苦手だからと放っておかず、まずは平均点(偏差値50)を目指して、じっくり時間をかけて勉強を進めましょう。
1冊の問題集を繰り返し行う
受験生の中には、何冊もの問題集に取り組んでいる人もいます。これは、勉強した実感は湧きやすいものの、実はあまり効果が期待できない勉強といえます。複数の問題集に取り組むと、どれも1回程度しかこなせないため、内容がしっかりと身につきません。
問題集の数をこなすよりも、1冊を何度も繰り返す方が得点アップにつながり、自然と偏差値も高くなります。受験勉強で問題集を利用する際は、1冊の問題集を何度も繰り返し解くようにしましょう。
過去問や模試は満点を取れるまで繰り返し取り組む
受験では、志望校や学科によって出題傾向が大きく異なります。入試対策として効果的な教材としては、過去問や模試といった実際の入試問題を取り入れたものがベストといえるでしょう。
実際の入試でどのような問題が出るのかを把握できるのはもちろん、入試と同じ形式の問題を解くことで、入試に必要な実力が身につきます。偏差値をアップして、志望校合格という本来の目標を達成するためにも、過去問や模試は満点を目指して何度も繰り返し解きましょう。
塾に通う
短期間で偏差値を上げるためには、自力では限界があります。受験勉強において特に大切なのは、勉強にどのくらい時間を割くことができ、どのくらい集中して取り組むことができるかです。
「自宅学習だけでは思うように勉強が進められない」と感じる人は、塾に通うのもよいでしょう。塾では志望校に合った勉強ができるため、合格に向けて効率よく実力を高められます。
まとめ
偏差値は自分で調べることもできますが、受験生全員の点数を知る必要があるため、実際は個人で計算するのは難しいでしょう。より正確に自分の偏差値を知るには、塾や予備校が実施する模試を受けるのがおすすめです。
明光では、生徒一人ひとりの勉強スタイルを考慮し、受験勉強を手厚くサポートします。定期的な模試も受けやすく、学力を生徒本人・保護者・教室長の3者で常に把握しながら勉強を進められます。偏差値アップを目指したい方は、ぜひ明光へお気軽にご相談ください。
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